子供はかまってくれない

子供はかまってくれないし,わかってくれないので,映画と音楽と本とサッカーに慰めを。

2014年J2リーグ第40節 札幌 VS 讃岐【1:1】

2014年11月09日 16時01分01秒 | サッカーあれこれ
勝たなければJ1昇格の可能性がほぼ絶たれるという試合だったが,札幌は意地もプライドも根性も見せることなく,降格争いの只中にいる讃岐を倒すことが叶わずにシーズンを終えた。
試合終了後の選手による挨拶の際,ホーム側ゴール裏に陣取ったサポーターたちは不満と怒りと情けなさを沈黙で表して,彼らの不甲斐なさに抗議した。
シーズンの集大成としてはあまりにも寂しい内容の試合だったが,今の札幌を象徴するという意味では,逆にこの試合こそが最も相応しいフィナーレとも言えるかもしれない。

バルバリッチに監督が替わって以降,ほぼレギュラーポジションを掴んでいた中原が今日は控えに廻り,替わって日高が右サイドでスターティングメンバーに名前を連ねたのだが,まさにそこがウィークポイントになってしまった。決定的なシーンを作るにはほど遠いゲーム運びながら,ボールの支配率では何とか優勢を保っていた札幌だったが,守備面では明らかにポジショニングに問題を抱えていた日高の右サイドを使われて,あっさりと先制されてしまったのだ。
後半開始時にそこを中原に代えて修正した点で,やはりバルバリッチは前監督よりも監督に求められるマネージメント能力が遥かに高いことを証明し,後半開始直後に追い付いたところまでは観客もホームチームを応援する雰囲気に満ちていた。

しかしボールを奪われても追わない。パスを出してもサイドに生じていたスペースに走らない。前線にくさびが入ってもパスを呼び込むような動きが起こらない。そんな状態が延々と続くにつれ,徐々に観客が愛想を尽かし始めたことは明白だった。
たとえ点には結びつかなくとも,ひたむきにボールを追いかける選手たちの姿を見出せないピッチの温度が下がっていったことに,一体どれだけの選手が気付いていたのか。
最後まで試合に入れずにうずくまっていた荒野。ボールを持っては後ろを振り向くだけのふたりのボランチ。中途半端な上がりとミスパスを繰り返していたCB。絶好のパスにシュート以前の大振りで,明後日の方向に蹴り出してしまった石井。今日のピッチに立っていた選手の中で,本当の意味でプロフェッショナルと言える選手は都倉だけだったかもしれない。

シーズン途中で入団した「附加戦力」の活躍がなければ,ここまで一縷の望みを繋ぐことも叶わなかったサポーターにとっては,都倉の頑張りとバルバリッチのリーダーシップだけが記憶に残るシーズンとなった。こんな思いは今年限りにして欲しいと思いながら家路を急ぐサポーターの背中は,どれも丸まっていた。


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