
東日本大震災の発生によって,公開が半年延期されていた「SF映画」。だと思って観に行ったら,古いTVドラマの「コンバット」を現代にアダプトしたみたいな「戦争映画」だった。
話の骨子は,スティーブン・スピルバーグの「プライベート・ライアン」そのまま。ライアンを民間人に置き換え,待ち伏せを敵前突破に変え,ドイツ軍をエイリアンにしたら,こうなったという感じだ。
戦争映画といっても,一般的な「戦争映画」に付随する政治やイデオロギーや大義やヒューマニズム等々の社会性を,対戦相手を「宇宙人」にすることによって,ものの見事に払拭しているところがミソだ。
闘う相手が,人間のそれをはるかに凌駕する科学を持ちながら,知性や感情を微塵も感じさせないエイリアンであるが故に,戦場は純粋な知力と胆力と腕力の勝負の場となっている。見方を変えれば一種のスポーツにも見えるような戦闘場面は,細部の作り込みにも抜かりはなく,想像を上回る迫力を獲得している。
ヨハネスブルク生まれの監督ジョナサン・リーベスマンは,テレビのニュース映像を絡めて物語の発端を示しつつ登場人物を紹介するスピーディーな導入部から,アクションつるべ打ちのクライマックスまで,的確な編集感覚を発揮することによって,観客をジェットコースターの座席に縛り付ける。フィルムの肌合いは全く異なるが,地に足の着いたリアルな描写という点では,同じくヨハネスブルク出身のニール・ブロムカンプが撮った「第9地区」と通じる部分もあるのが面白い。
アーロン・エッカートは「サンキュー・スモーキング」でブレイク後まだ間もないと思っていたのに,いつの間にやら退役間近の軍人をやらされているのだが,これまでのイメージとはかなり異なる古参の海兵隊員役が,思いのほか板に付いている。
タフなエンジニア役のミシェル・ロドリゲスは「マチェーテ」に続いての好演だが,「シーシェパード」の支持者ということなので,日本の漁船にはこんな攻撃をしかけないでね,と祈って,☆ひとつ追加。
★★★☆
(★★★★★が最高)
話の骨子は,スティーブン・スピルバーグの「プライベート・ライアン」そのまま。ライアンを民間人に置き換え,待ち伏せを敵前突破に変え,ドイツ軍をエイリアンにしたら,こうなったという感じだ。
戦争映画といっても,一般的な「戦争映画」に付随する政治やイデオロギーや大義やヒューマニズム等々の社会性を,対戦相手を「宇宙人」にすることによって,ものの見事に払拭しているところがミソだ。
闘う相手が,人間のそれをはるかに凌駕する科学を持ちながら,知性や感情を微塵も感じさせないエイリアンであるが故に,戦場は純粋な知力と胆力と腕力の勝負の場となっている。見方を変えれば一種のスポーツにも見えるような戦闘場面は,細部の作り込みにも抜かりはなく,想像を上回る迫力を獲得している。
ヨハネスブルク生まれの監督ジョナサン・リーベスマンは,テレビのニュース映像を絡めて物語の発端を示しつつ登場人物を紹介するスピーディーな導入部から,アクションつるべ打ちのクライマックスまで,的確な編集感覚を発揮することによって,観客をジェットコースターの座席に縛り付ける。フィルムの肌合いは全く異なるが,地に足の着いたリアルな描写という点では,同じくヨハネスブルク出身のニール・ブロムカンプが撮った「第9地区」と通じる部分もあるのが面白い。
アーロン・エッカートは「サンキュー・スモーキング」でブレイク後まだ間もないと思っていたのに,いつの間にやら退役間近の軍人をやらされているのだが,これまでのイメージとはかなり異なる古参の海兵隊員役が,思いのほか板に付いている。
タフなエンジニア役のミシェル・ロドリゲスは「マチェーテ」に続いての好演だが,「シーシェパード」の支持者ということなので,日本の漁船にはこんな攻撃をしかけないでね,と祈って,☆ひとつ追加。
★★★☆
(★★★★★が最高)