映画とライフデザイン

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映画「セバスチャン・サルガド 地球へのラブレター」ヴィム・ヴェンダース

2015-08-05 06:18:01 | 映画(洋画 2013年以降主演男性)
映画「セバスチャン・サルガド 地球へのラブレター」を映画館で見てきました。


世界的な報道写真家セバスチャン・サルガドの膨大な作品と、本人へのインタビューで構成するドキュメンタリーである。映画解説を読んでいて、ものすごい写真がいくつかあり、自然に映画館に引き寄せられた。予想通り見応えのある映像でおすすめのドキュメンタリーだ。。

20数年前、映画監督ヴィム・ヴェンダースが、写真家セバスチャン・サルガドが撮った一枚の写真に魅せられる。難民となったトゥアレグ族の盲目の女性の写真である。『ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ』などドキュメンタリー監督としても精力的に活動するヴィム・ヴェンダースは、サルガドの長男で映画作家のジュリアーノ・リベイロ・サルガドが共同監督を務め、この作品を作り上げた。


セバスチャン・サルガドもともと写真家を目指していたわけではない。ブラジルの小さな農場主の息子として生まれて経済学を学んだ後にフリーランスの写真家になったのだ。


南米やアフリカにいったり、貧困にあえぐアフリカ難民の姿を撮ったり、被写体は多岐にわたる。結局被写体が人間から自然環境になった理由、そして生まれ育った農場を干ばつによる荒廃から植林によって再生させた活動“インスティテュート・テラ”を映しだす。
彼が撮ってきた写真の歩みにインタビューを組みこむ。その映像の迫力はすごい。
予告編↓




ネタばれ気味だが、いくつか印象に残る写真をピックアップする。

まずは金鉱で働く労働者たちの映像にびっくりする。アリの巣のようだ。
 

ブラジルの金鉱セラ・パラーダを見渡したサルガドが言う。「体中に鳥肌が立った。人類の歴史とピラミッド建設の歴史、バベルの塔やソロモンの洞窟だった」5万人いる労働者たちは金鉱山を金の入った砂を取ろうとして1日に何度も上下往復する。これは命懸けだ。見るからにヒヤヒヤするが、落ちる人はいないという。サルガドは、カメラを担いで1日に何度も往復して撮るのだけど、この場面を最初に見た時は恐れおののいただろうなあ。






なんとも言えない美しさである。よくもまあこんな大群の被写体に近づいたものだ。
白クマに接近する映像もいい感じだ。


クウェートが侵攻され、油田が破壊される映像も凄い


映画の最後に出てくる。アマゾン奥にいる部族が近年発見されて、そこを訪れる。全裸であごのところに角みたいなものがある。女の人が赤い色のパウダー??を塗りたくっている。この部族についての記述は16世紀のイエズス会の著述にもあるそうだ。昔の人って冒険家なんだよね。この人たちイスラムの一夫多妻でなく一妻多夫なんてことがあるらしい。女性天国だ。

メインはエチオピア、ルワンダ、コンゴの難民たちの悲惨な姿を撮った写真だ。あまりにも悲惨なのでここには載せない。
サルガドは、時間をかけじっくりと被写体に寄り添い撮るらしい。どう考えても、これらの写真はホテル住まいで撮ったものでなく。キャンプに寝そべって撮ったのであろう。栄養失調で苦しみ、コレラで死んでいる人たちの中で生活するってこと自体が信じられない。

(参考作品)
Genesis
サルガドの写真集


Africa
写真集

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