映画とライフデザイン

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映画「夜の河」 山本富士子

2015-06-21 06:11:32 | 映画(日本 昭和34年以前)
映画「夜の河」は1956年(昭和31年)の大映映画。名画座で見てきました。


山本富士子主演吉村公三郎監督によるもので、キネマ旬報2位となり作品としての評価は高い。染物をしている京都の独身女性が、妻子ある大学教授との恋に揺れるというのが映画のストーリーの根幹で、それに女性の仕事と家庭内の複雑な立場、および男性側の妻の病気と娘との関係をからませる。
今だったらどうってことない話ともとれるが、戦前は姦通罪で不倫は法的にもご法度だった時代なので、戦後10年たったこのころでも見る方からしたら刺激的な題材だったのかもしれない。これも山本富士子のワンマンショーということでしょう。

京都、堀川で京染の店を営んでいる舟木由次郎(東野英治郎)は七十歳、三十違いの後妻みつと長女きわ(山本富士子)と暮らす。きわはろうけつ染に老父を凌ぐ腕を見せている。新婚旅行にいく次女夫婦を京都駅で見送った帰途、きわは画学生岡本五郎(川崎敬三)が、彼女を描いて出品している展覧会場に寄る。岡本はきわに好意を寄せている。


きわは、四条河原町の目抜きの店に進出したいと思っている。それを知った呉服屋近江屋(小沢栄)は彼女の美貌に惹かれていて、取引先の店を展示場にと約束するが妻やすの眼がうるさい。
きわは桜咲く唐招提寺を訪れた折、写真を撮るのがきっかけで、阪大教授竹村幸雄(上原謙)、娘あつ子と知り合う。そして五月、堀川の家を訪れた竹村との再会に喜ぶきわ。きわは竹村と京都市内を散策しているうちに、気持ちが引き寄せられる。その後、きわは阪大研究室に竹村を訪問する。彼は助手とともにハエを飼育、遺伝学の研究に没頭している。きわは近江屋の紹介で東京の展示会進出に成功する。きわの出品作は燃えるようなショウジョウ蝿を一面に散らしたものだった。きわは、東大の研究発表会に来ている竹村と逢引きする。


京都に戻り、宴会で近江屋の手から逃れたきわは、友達せつ子の経営する旅館で竹村とこっそり逢う。彼は岡山の大学に移るという。その話を聞き、きわの竹村への感情はなお高まるのであるが。。。

公開当時25歳だった山本富士子は和服がよく似合う。染めている着物の色合いもすばらしい色合いだ。


美貌にもかかわらず、妹に先に嫁にいかれるということ自体が、ヤバイ設定となってしまうのは時代が違うということか。妻が病気でもしかしたら死ぬかもしれない。その時は後妻になんて話で心が揺れる。この手の不倫は何度もよろめきドラマで使われてきた題材だけど、この映画がはしりなのかな?これが受けたというのも今と時代が違うからなんだろう。しかも、戦後に出てきた三島由紀夫の「美徳のよろめき」のような刺激的な姦通小説と比べれば、ずっとソフトだ。

上原謙は戦前の名優でこのころはどう評価されていたのであろう。加山雄三もまだ大学生で正式にデビューしていないころだ。川崎敬三はいつもながらのふられ役。最近見た山本富士子作品では全部片思いに終わる役でお気の毒。
主人公の父親東野英治郎は昭和30年代の映画では実によく見るねえ。キューポラのある街で吉永小百合の父親で、鋳物工場の職工を演じたが、それに通じる役でこういう職人系の方が合う。水戸黄門で見せる高笑いはさすがにない。映画会社問わず出演しているのは劇団俳優座所属の強みか?映画会社協定の対象外だったのであろうか?逆にその協定に逆らった山本富士子が失脚させられるのであるが。。。

(参考作品)

夜の河
昭和30年前半の不倫

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