映画とライフデザイン

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映画「運び屋」 クリント・イーストウッド

2019-03-17 16:00:29 | クリントイーストウッド
映画「運び屋」を映画館で観てきました。


今や89歳になろうとしているクリントイーストウッドが監督兼主演でこの映画に取り組む。予備知識若干でこの映画を見たが、ラストに向け、涙がでて仕方なかった。明らかに男性が見ていてジーンとくる映画であろう。一度も警察のお世話になったことのない90歳に近い老人が麻薬の運び屋として検挙されたという新聞記事に基づいたフィクションである。メキシコ系の怪しい組織の人間が登場するが、クライムサスペンスというよりは主人公の家庭の話もクローズアップさせるヒューマンドラマといえよう。

フランスの高速鉄道の中でのテロを防いだ事件を描くイーストウッドの前作はあまりいいとは思えなかった。フランスで起きた事件も「ハドソン湾の奇跡」での着陸事件も短時間での事件ということでは変わりはない。ただ、作品としての質には差があると感じた。しかし、この映画の情感はいかにも後期クリントイーストウッド作品の持つ趣きで心にジーンと響く。素晴らしい。


90歳になろうとするアール・ストーン(クリント・イーストウッド)は園芸でデイリリーという品種を作っていた。しかし、インターネット販売に押され、廃れ気味で自宅も差し押さえをくらう状態に陥っている。家族からも見放され、孤独な日々を送っていた。ある日、偶然知り合った男から「車の運転さえすれば金をやる」と話を持ちかけられる。なんなく仕事をこなすが、それはメキシコ犯罪組織によるドラッグの運び屋。気ままな安全運転で大量のドラッグを運び出す。麻薬取締局はメキシコマフィアの体制破壊に乗り出していた。司法取引を企てるメキシコ人の内部通報を得て、麻薬取締局の捜査官(ブラッドリー・クーパー)の手が迫るのであるが。。。

1.主人公のパーソナリティ
自宅近くでリリーを育てている。きれいな花である。アメリカではインターネットによる生花販売が進んでいるのであろうか、それに押されるように商売も傾いている。気が付くと自宅は差し押さえられている。これまで家を顧みず、全米を股にかける商売をしてきた。娘の結婚式すら出席していない。悪いことはしたことはないし、警察のお世話になったこともない。


そういう男が何気なくメキシコの麻薬売人から運転さえしてくれれば金になる仕事があるよと言われ、カー用品販売店のガレージに向かい依頼を受ける。言われたとおりに仕事をしたら、車のサイドボックスには多額の金がある。驚く。一度きりにしようとしたが、またやってくれよと言われ、自宅を取り戻すための金や子供の歓心を得るための金など入用で再度メキシコマフィアのアジトに行くのだ。

2.クリントイーストウッドの想い
この映画を観て、クリントイーストウッドが泥棒を演じた「目撃」を連想した。ローラ・リニーが娘役を演じる。泥棒稼業というアウトローのクリントイーストウッドが、今や弁護士となっている娘と熱い交情をかわす話の流れにこの映画がダブる。家庭を顧みず、色んな女たちと浮名を流したイーストウッドが、この映画の主人公に自分をだぶらせる。そんな想いを妙に感じる。


「アメリカンスナイパー」で主演を演じたブラッドリー・クーパーが麻薬捜査官を演じる。追う側と犯人が偶然にも出くわし、会話を交わす。普通のお爺さんであるイーストウッド演じる主人公のことを全く疑っていない。その時の会話に妙味を感じた。




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