映画とライフデザイン

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映画「東ベルリンから来た女」

2013-08-15 14:47:46 | 映画(欧州映画含むアフリカ除くフランス )
映画「東ベルリンから来た女」は80年代の東ドイツを舞台に、国外脱出を画策する女性医師の葛藤を描く人間ドラマ。
2013年ベルリン国際映画祭銀熊賞受賞作品である。


非常に重苦しい映画だ。共産圏国の田舎町を描くわけであるから、当然華がない。
ドツボだった共産主義社会の暗部をなめるように映す。
終始映し出される主人公ニーナ・ホスの自転車姿が実に印象的だ。

1980年夏。東西合併を9年後に控える東ドイツが舞台だ。
バルト海沿岸にある小さな町の病院に、女医バルバラ(ニーナ・ホス)が赴任してくる。西ドイツへの移住申請を出したため、東ベルリンの大病院からこの地に左遷されてきたのだ。そんな彼女に、医師アンドレ(ロナルト・ツェアフェルト)と秘密警察<シュタージ>の諜報員シュッツ(ライナー・ボック)の監視の目が光る。

ある日、トルガウの矯正収容施設から逃亡して、髄膜炎を発症した少女ステラ(ヤスナ・フリッツィー・バウアー)を警察が連れてくる。バルバラは、西ベルリンに住む恋人ヨルク(マルク・ヴァシュケ)が用意した逃走資金を協力者から回収して森に隠していた。長旅から戻ると、突然シュタージの家宅捜索と女性職員による屈辱的な身体検査を受ける。
翌朝、アンドレは血清を作っていてステラの妊娠に気づいたことを告げる。翌日、バルバラは森の奥でヨルクと密会する。

アンドレの血清のお陰で回復したステラは、施設に戻りたくないと懇願する。アンドレはかつて致命的な医療ミスを犯し、政府にもみ消してもらう代わりに地方勤務と密告の義務を課せられたことをバルバラに告白する。

その直後、ステラは人民警察によって強制退院させられる。3階から転落して意識不明に陥った少年マリオ(ヤニク・シューマン)が運ばれてくる。マリオの脳にはレントゲンでも見えない血栓がある可能性があったが、リスクを伴う開頭手術をするか、アンドレは苦悩する。
その夜、外国人専用ホテルでヨルクと密会したバルバラは土曜日に密航することを告げられる。翌朝、マリオとの会話で頭蓋骨内出血による記憶障害を直感したバルバラはアンドレを探すが、彼は末期癌を患うシュッツの妻を診察していた。嫌悪感を示すバルバラに、アンドレは病人なら助けると答える。マリオの手術はバルバラの出奔と同日に決まる。

バルバラが旅立とうとした瞬間、再び逃亡してきたステラが彼女を訪ね、一緒にいてと叫ぶが。。。。(kinenote 引用)

日本はマッカーサーのおかげで運良く国が分断されずに済んだが、ドイツは大変だった。
東ドイツは社会主義体制をとったために不自由な生活を余儀なくされた。
グッバイ・レーニン」なんて映画はベルリンの壁前後をコミカルに描いている。

南北に分断された朝鮮半島では南北の往来は命懸けとなった。東西ドイツ間の交流はそれとは全然違うものだったという。1961年に「ベルリンの壁」が構築されても、一部の東ドイツ市民は合法的に西ドイツに移り住むことができたらしい。ところが、社会の担い手として活躍することを期待されていた東ドイツ人に移住の許可が容易に下されることはなかった。
その典型が本作の主人公バルバラだ。医師の彼女は簡単には行かせてくれない。可哀そうだ。冷戦当時、東ドイツはオリンピックでたくさんのメダルをさらっていた。メダリストたちも同様なのであろう。

主人公は知的美人なんだけど、なんか冷たい雰囲気が漂う。気も強そう。
この役には適役だ。
そんな彼女も恋人と会うときだけは、ルンルンとしている。こうも変わるもんかといった感じだけど、女医さんってこんな感じじゃないかしら?女性の丸秘部分まで秘密警察に検閲されるのは屈辱的な感じするけど、仕方ないのかなあ?
そういえばメルケル首相は東ドイツ出身だったなあ。厳密に言うと西側ハンブルグ生まれの東側育ちだ。
エリートが抱くこんな思いわかるのかしら?

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