映画とライフデザイン

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映画「オー!ファーザー」 岡田将生

2015-01-04 07:22:14 | 映画(日本 2015年以降主演男性)
映画「オー!ファーザー」は伊坂幸太郎の原作を岡田将生主演で映画化した2014年公開のコメディサスペンス映画だ。


年齢も性格もバラバラな4人の父親を持つ高校生が事件に巻き込まれ、父親たちが力をあわせて救出に挑む姿が描かれる。
伊坂幸太郎原作は数多く映画化されているが、今回は久しぶりである。奥山和由プロデューサーたっての頼みで映画化にこぎつけたらしい。岡田将生は以前「重力ピエロ」で出演している。正月見る映画が、シリアス、クライム系ばかりだったので、少しほのぼのとした作品を入れてみようと思った。サスペンスとはいえ、伊坂作品には根底に流れるやわらかいものがある。それは予想通りであった。

由紀夫(岡田将生)は、どこにでもいる普通の高校生。父親が4人いること以外は。彼が生まれる前、母親は二股どころか四股交際していた。妊娠した際、相手の男たち4人が“別れるくらいなら!”と一斉に父親として名乗りを上げたため、複雑な家庭環境が出来上がったのだ。


その秘密を知るクラスメイトは、多恵子(怱那汐里)ただ1人。父親が4人もいるので、やかましさは他の家の4倍だが、ありがたいと思うことも少なくない。博学の大学教授悟(佐野史郎)、武道が得意な体育教師勲(宮川大輔)、元ホストの葵(村上淳)、ギャンブラーの鷹(河原雅彦)と、父親たちの性格はバラバラだったが、どの父親も由紀夫に対する愛情は深く、毎日をそれなりに楽しく過ごしていた。

だが、ある事件が彼らの運命を大きく変える。発端は、サラリーマン風の男のカバンがすり替えられるのを由紀夫が目撃したことだった。それをきっかけに、何者かに監視され、自宅が荒らされる。さらに、謎めいた出来事が続く。仲の良かった同級生の不登校。街のフィクサー(柄本明)がハマったらしい詐欺。不可解な心中事件。熾烈化する知事選挙……。すべての出来事が繋がっていることに気付いた由紀夫が思い切った行動に出たところ、大変な事態に発展する……。


1.岡田将生
岡田将生の登場作品では「謝罪の王様」「四十九日のレシピ」のようなどちらかというとコメディ系の作品を見ている。背も高く二枚目俳優の彼だが、男は黙って。。というニヒルなキャラではないので起用しやすいのであろう。ここでは高校生役だが、不自然さは感じない。


その岡田将生に積極的にいい寄る女の子が怱那汐里である。いい男にいい寄る世話好きの女の子って会社にもいるよね。まさしく今回の岡田君のような男前がいると、ほっておけないとばかりに席のそばに寄っていってしばらく離れない。会社の管理者席に座ってよく見渡すと昔からこういう女の子がいるものだ。自分の会社では共学の高校から理工系の大学に行った理系女にこういうタイプ多いなあ。どちらかというと怱那汐里は違うタイプなのかもしれないが、ここでの怱那汐里はそういうキャラになりきっている。

2.4人のオヤジ
昔と違って今はDNA鑑定も精度が高まっている。本当は誰の子かということはわかるのではないか?そう思って映画を見ていたが、よく考えると4人に対して四股をかける女性がもう一人別の男とつき合っている可能性がないとは否定できない。調べるのは怖いよね。ここではその母親役の顔を見せない。ある意味正解だろう。この4人は誰もかれも気がいい。


女好きの葵から気のきいたセリフがあった。
女の子にモテるコツは「自慢話をしないこと、何でも女の子を先にすること。そして頼まれ事はよほどでない限り断らないこと」と、恋愛必勝法を伝授する。なるほど!おせっかいな怱那汐里から不登校の同級生のところへ行こうよと誘われた主人公が、一瞬ためらうが伝授された言葉が脳裏にこびりついているので結局いってしまう。

体育教師勲からは喧嘩のコツを教わる。
「大抵のやつは右利きだから、こっちから打ってくるだろ? そしたら頭を下げてパンチをよけて、左のボディブローをうつ。その後で右のアッパーだ。」なんてことを教わっているから、同級生が絡まれても、そのコツで相手をさばき主人公が助けてしまう。

人生の先輩が4人もいると、一緒に暮らすのが楽しいよね。

3.クイズ・ミリオネア
映画「スラムドッグ・ミリオネア」ではインド版「クイズミリオネア」が舞台であった。映画では、みのもんたのようなクセの強いアナウンサーが出ていたが、ここでは普通。みのは息子の不祥事以来パッシングを浴びて、日本版はしばらくみない。その代わりにこの映画で同じような設定のクイズ番組が重要な場面で出てくる。


佐野四郎が同居の家族とクイズ番組を見ている「晩年、中島敦が仕事のために住んだ国は?」とテレビの中で問われているのに、「パラオ」とあっさり答える。すげえとなるわけである。しかも予選を勝ち抜いて本番に出てしまう。テレビでのパフォーマンスが主人公を窮地から救うのだ。でもここで中島敦が出てくるとはビックリ。

若くして亡くなった中島敦は発狂して虎になった男を描いた「山月記」で有名である。自分は高校の教科書に今でも取り上げられている中島敦の作品が大好きだ。。彼が芥川賞の候補になった作品はパラオで書かれている。妙に親近感がわいたシーンであった。中島敦の問題は当然わかったが、映画の中のあとの問題はそうは簡単にはいかなかった。

娯楽として楽しむには良いんじゃないという映画だけど、くつろいで見れた。

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