映画とライフデザイン

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映画「素敵なダイナマイトスキャンダル」 柄本佑&前田敦子

2018-04-18 17:58:44 | 映画(日本 2015年以降主演男性)
映画「素敵なダイナマイトスキャンダル」を映画館で観てきました。

昭和のエロ雑誌編集長末井昭の自伝の映画化である。ダイナマイトというのは主人公が子供のころ、母親が隣家の男とダイナマイトで心中をしたというところから出ている。母親が自殺したことは主人公のトラウマになっていたが、大人になってからダイナマイトでの心中が他人との話題のネタになっているので自虐的に取り上げた題名のようだ。


ピンサロの看板描き、エロ本、パチンコ必勝法雑誌の編集とともに主人公の歩んできた人生を描く。バックで示す昭和の猥雑な風景から独特の匂いが立ちこめている。昭和の風呂なしアパート、昭和20年代を感じさせる平家木造家屋、場末のホテルでのエロ雑誌撮影風景、ピンサロで半裸の女と客が抱き合う姿などが次から次へと出てくる。なかなかおもしろい。柄本佑はコミカルな動きをしていて好演、裸になってピンクのペンキを頭からかぶって道路にペインティングする。おかしい!妻役の前田敦子もかわいらしい妻を演じている。

まずは主人公末井(柄本佑)がエロ雑誌の露出度が強いと警察署で幹部(松重豊)に絞られているシーンからスタートする。


そのあとで、末井の回想がはじまる。1955年末井が育った岡山の山村エリアを映す。のどかなところだ。そこで末井の母親(尾野真千子)が隣家に住む男とダイナマイト自殺を図る。父親と懸命に方々探したのにあったのは粉々になった死体であった。その後、近所で白い目で見られたので1965年学校を出ると、すぐさま工員になるべく大阪に向かう。

大阪では徒弟状態でこき使われて、すぐさま川崎に出稼ぎに出ている父親のもとへ移る。川崎の工場も封建的な状態であった。父親は荒れた生活をしているので、イヤになり1人住まいをする。牛乳配達をしながら工員をやっていた。そのころ同じ下宿先で牧子(前田敦子)と出会う。そのあと、グラフィックデザインの専門学校に通学した後、デザイン会社に勤める。そこで仲良くなった先輩が描いたキャバレーの看板に魅せられ、キャバレーの広告作りに職を得て勤め始める。


独特なエロなタッチが受けて、ほかのピンサロからも描いてくれと言われる。そのあと、エロ雑誌の編集長になる。エロ写真に交じって、有名著述家からの書いた原稿が入った変わったエロ雑誌作りで次第に人気雑誌となるのであるが。。。


学校秀才でない裏街道まっしぐらの人物の話は楽しい。エロ雑誌サブカルチャー世界では成功者であろう。ピンサロ看板からエロ雑誌編集と少しづつ生活をランクアップさせている。自分の記憶にはないが、「写真時代」は30万部超も売れたようだ。羽振りもよくなる。そういう下半身産業での成長?物語にトラウマになったダイナマイト事件当時の映像を混ざらせ、雑誌社の新人社員との浮気や商品取引での大失敗や飲み屋のママからの無尽につきあって店の改装に散財させられるなどの荒れた生活も描いている。


こうなりたいという人物ではない。でも見ていて楽しい。


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