映画とライフデザイン

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映画「万引き家族」 是枝裕和&リリー・フランキー&安藤サクラ、

2018-06-03 17:06:27 | 映画(日本 2015年以降)
映画「万引き家族」を映画館で観てきました。

カンヌ映画祭パルムドールを受賞した是枝裕和監督の作品である。先行公開であるが、当然映画館に向かう。題名からして社会の底辺の人たちを描いているのは読み取れる。しかし、この家族は本当の家族ではない。かといって、園子温の「紀子の食卓」の『レンタル家族』とも違う。リリー・フランキー、安藤サクラ、樹木希林の3人がそろっただけで映画の質の高さが想像できる。

いきなりスーパーでリリー・フランキーと息子と思しき子供がコンビを組んで、監視員の目をかいくぐり巧みに万引きを成功させるシーンが映し出される。観客にまず印象付けるのだ。家ではその成果品を持ってくるのを待っている昭和の匂い漂う古家に住む3人の家族がいる。一連の是枝作品と似たような展開と感じながら、話の流れを追う。

再開発が進む東京の下町のなか、ポツンと残された古い住宅街に暮らす一家。日雇い労働者の父・治(リリー・フランキー)と息子の祥太(城桧吏)は、生活のために“親子”ならではの連係プレーで万引きに励んでいた。

その帰り、団地の廊下で凍えている幼い女の子を見つける。思わず家に連れて帰ってきた治に、妻・信代(安藤サクラ)は腹を立てるが、ゆり(佐々木みゆ)の体が傷だらけなことから境遇を察し、面倒を見ることにする。祖母・初枝(樹木希林)の年金を頼りに暮らす一家は、JK見学店でバイトをしている信代の妹・亜紀(松岡茉優)、新しい家族のゆりも加わり、貧しいながらも幸せに暮らしていたが……。 (作品情報引用)


最近話題の幼児虐待もこの映画のポイントだ。団地の外でたたずむ少女の身体にはやけどの跡がある。きっと食べ物をろくに食べさせてもらえないのかと感じ、家に引っ張り思い切り食べさせると、夜にうんこを漏らしてしまう。自宅に返そうとしたら夫婦喧嘩の声を聞き、もう一度戻してしまう。これも一種の誘拐だが、これを見て悪いことをしていると感じる観客もいないだろう。ときおり、幼児虐待の事件をテレビニュースで観て、なんと無責任な奴らと感じるが、かわいそうなのは子供である。


フランスの著名な新聞『フィガロ』がカンヌパルムドールという栄誉ある賞の受賞を安倍総理大臣が祝福しないのはおかしいという記事を書いている。しかし、この映画を見ていて、政治が悪いからこんな奴らがいるんだという主張があるようには見えない。社会のひずみでこういうドロップアウトした連中というのが一定数必ずいるもんだ。これは古今東西必ずいるわけで、政治のせいでも何でもない。格差社会というなら、その昔はもっと貧しく、こういう人たちはもっといた。安倍さんも気にせずに祝福すればいいのにと思う。それともバカな昭恵夫人の一言余計なパフォーマンスを恐れているのか??

印象的なシーンがいくつかあった。柄本明が営む駄菓子屋でよく翔太が万引きをしていた。今回もつれてきた女の子と一緒に店に入ってきて、女の子が万引きをする。見て見ぬふりをしていた店主も、「妹にこんなことをさせるなよ」とアイスキャンディーをよこすシーンがある。これをきっかけに翔太に心境の変化が起こる。脳裏に残るシーンだ。

あとは、リリーフランキーと安藤サクラがちょっかい出しながら、くっついてしまうシーンだ。油がのった30代の熟れた身体をあらわにする安藤サクラもなまめかしいが、子供たちが帰ってきて真っ裸の2人が大慌てするシーンがおかしい。

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