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映画とライフデザイン

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映画「シンシン」 コールマン・ドミンゴ

2025-04-16 09:28:18 | 映画(洋画:2022年以降主演男性)

映画「シンシン」を映画館で観てきました。

映画「シンシン」は刑務所の更生プログラムで演劇をする囚人たちの物語である。「シンシン」とはハドソン川に接するニューヨーク北部の収監施設の名前である。刑務所で生活する囚人たちの映画は日本も含めて数多く作られているが、入所する前哨戦の映像も含めてストーリーを組み立てることが多い。ここではあくまで演劇の題目に向けて刑務所内で稽古をするグループの姿のみを追う。

NY北部のシンシン刑務所に無実の罪で収監された男ディヴァインG(コールマン・ドミンゴ)は、RTAと呼ばれる刑務所内の収監者更生プログラムである舞台演劇グループに所属する。配役のオーディションから始めて、演じる題目の決定、稽古の段取りを行っている。

そのメンバーとして新しく所内で悪党とされるディヴァイン・アイ(クラレンス・マクリン)が加入する。次の演目は彼の提案でタイムトラベルを扱う喜劇になるが、なかなか周囲になじめない。なだめるディヴァインGの言うことも聞かなかったが、徐々に親密な関係を気づいていく。

意外にも威圧感なく、演劇に参加する囚人メンバーが徐々に良好な関係を築き上げていくのを観るのは悪くない。

エンディングのクレジットでは、as himself となっている配役が多い。演劇プログラムの卒業生及び関係者が本人役を演じるということだ。何と出演者の85%以上が元収監者なのも恐れ入る。色んなタイプの囚人がいるが、悪党とされるクラレンス・マクリンは往年のボクシング世界チャンピオンのマイクタイソンのような風貌だ。怒ったら半殺しの目にあわせるのはわけないだろう。まるでタイソンのようなクラレンス・マクリンもこの映画には切っても切れない存在だ。

そんな面倒くさい俳優たちをグレッグ・クウェダー監督は猛獣使いのようによく手懐けたものだ。すばらしい手腕だ。作品情報によると、再犯で刑務所に戻る人は国レベルで約60%だが、RTAの修了者は3%以下らしい。この映画はほとんど刑務所内での場面だが、映画の会話は割とまともなセリフが多い。この映画を撮るにもそれぞれ覚えなければならないセリフが多い。全員がプロの俳優といってもおかしくないレベルだ。これまでの経験で得た自分の思いをそれぞれに語るシーンがいい。

主演のコールマン・ドミンゴは今回アカデミー賞主演男優賞の候補になる。ブラックパワーが強い年だったら受賞していたかもしれない。良かった。演劇チームのリーダー的存在で周囲を引っ張る。

所内で最凶悪とされる男「ディヴァイン・アイ」ことクラレンス・マクリンも最初は斜に構えている。彼に対しても絶妙の距離感を持って接して、徐々に信頼を得る。台詞の覚え方を教えたり、刑務所から出るために知恵を授けたりする。でも、本人が無実だとする証拠をもってしても、なかなか塀の外に出られない。その辺りの苦悩も表現していた。

ラストに向けてのコールマン・ドミンゴとクラレンス・マクリン2人のシーンも情感があって良かった。「ショーシャンクの空」のモーガンフリーマンとティムロビンスの再会に似た響きを心に感じた。

 


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