goo blog サービス終了のお知らせ 

映画とライフデザイン

大好きな映画の感想、おいしい食べ物、本の話、素敵な街で感じたことなどつれづれなるままに歩きます。

ザ ダイバー  ロバートデニーロ

2009-01-02 06:56:15 | 映画(洋画:2000年以降主演男性)
ロバートデニーロは、マフィアのボスをやらせても似合うが、むしろ「レイジングブル」のような性格の荒い役の方が冴えを見せる。
「ザ ダイバー」の海軍の荒くれダイビング教官役は最高に冴える。

黒人の小作人に生まれた主人公は海軍に入隊する。元来潜りが好きな主人公は、最初は調理をやっていた。軍艦勤務のときに上官に自分が泳ぎがうまいことを誇示して、海軍ダイバーを志望する。黒人ダイバーは前例がないと拒絶されるが、懇願状を100通以上出してダイバー養成所に入所する。
海軍のダイバーであるロバートデニーロは、ダイビングの実力はぴか一だが、上官とすぐ衝突するのが玉にキズ。事故がおきたとき、命令に逆らって、仲間の救助にあたり、現役から退かされて教官に任命される。そこで主人公と出会う。
養成所では白人の中たった一人の主人公は執拗ないじめを受ける。教官デニーロもいい顔をしていない。しかし、主人公は猛烈に勉強して、ダイバーの最終試験を受けることになる。デニーロの上官の所長は成績優秀でも主人公を通すつもりはなく、実地試験では試練を与えるが、無事通って初の海軍黒人ダイバーとなる。
前線で活躍する主人公は、大西洋上でB52が落とした核弾頭の回収を命じられる。ソ連の潜水艦も水中で渦巻く中、無事回収するが、回収後に片足切断の危機の事故がおきる。。。。

60年代以前が舞台になるアメリカ映画特有の黒人人種差別がここでも激しい。
日本で言うと「おしん」や「細腕繁盛記」のいじめと同じようにこれでもか、これでもかと黒人ダイバーが徹底していじめられる。それに耐えて踏ん張る姿がこの映画の一番のテーマである。

あとは絶対服従のアメリカ軍の中で、上官への反逆を何度も行うロバートデニーロの激しさである。私自身は、映画「フルメタルジャケット」を見て、初めて米軍も戦前の日本軍と同じように、強烈な上下関係があることを知った。
デニーロは一人の青年将校との葛藤を長年にわたって続け、最後黒人ダイバーの復帰の件での聴聞会でのシーンを迎えるが、なかなか凄みのある演技であった。

予想以上に重みのあるいい作品で、2009年がスタートできた。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする