映画とライフデザイン

大好きな映画の感想、おいしい食べ物、本の話、素敵な街で感じたことなどつれづれなるままに歩きます。

あの子を探して  チャンイーモウ

2009-01-27 18:42:21 | 映画(アジア)
素人を使わせるとうまいチャンイーモウ監督の傑作

中国僻地の小学校の先生が母親の看病のため一ヶ月学校を離れるので、村長が代用教員として主人公の13歳の女のこを連れてくる。村には金もなく、報酬の50元も後払い。
ほとんど何も教えられない彼女は生徒たちをうまく扱えず、28人の生徒たちは教室の中を走り回る。
村を先生が離れるときに、生徒が一人もいなくならなければ10元払うよという約束だったため、主人公は生徒の離脱に神経を払う。
しかし、足の速い女の子が一人町に連れて行かれることになる。必死に阻止しようとするが、女の子は町に行く。
その後一番の腕白坊主が家の借金の埋め合わせに町に働きに行かされる。
彼が町に行ったのを知った先生は、彼を連れ戻そうと試みるが、町に向かうバス代すらない。
生徒たちにも手伝ってもらってレンガ運びで15元稼ぐが、バス代は片道20.5元これでは往復の運賃に足りない。
バスの無銭乗車で向かうが、結局ばれて降ろされて歩くことに、途中で運良くトラクターが来て町にいく。
しかし、町に着いて彼の行き先に向かうと、彼は途中で脱走したことがわかる。
何もわからない町の中で必死に彼女は探そうとするが。。。。

チャンイーモウ監督「初恋のきた路」でも僻地の学校が舞台であった。
あの時は、村に来た新任教師をチャンツィイー扮する村の娘が恋する話であった。
チャンイーモウの生い立ちは教職と何か関連があったのであろうか?
それにしても日本では考えられない13歳の代用教員である。
明治の日本でもここまでの代用教員はいなかったであろう。

中国には都会と農村に強烈な格差があると聞いているが
大きく経済発展を遂げた現在でもこれに近いこともあるのであろうか?
いまだに義務教育の途中で生活のために学校を辞めざるを得ない子供たちが
いっぱいいるらしい。大変だ。

主人公は中国人のいやらしさもあるが、農村育ちのたくましさがある。
非常にけなげだ。テレビ局の前で教え子を探してもらうためにずっと待ち続けるシーンは素敵だ。

チャンイーモウらしい色彩の美しさはこの映画では出てこない。
でも現在の日本には考えられないような素敵で素朴なな人と人とのふれあいがある。
コメント
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