Don't Let Me Down

日々の雑感、引用。
言葉とイメージと音から喚起されるもの。

映画とは?ゴダール、BB、軽蔑

2011-06-18 10:14:45 | 日記


★ 映画の歴史とは、内気で感じが悪く、セックスに取り憑かれた男たちが、胸の張り裂けるほど美しい女性たちに取り囲まれようとする陰謀の歴史であるということは、万人に認められた真実である。


★ バルドーが裸でベッドにいる冒頭の長いシーンがなかったら、『軽蔑』の美しさと感動がずっと少なくなっただろうことは、ほとんど疑いないからだ。身体の各部位を繰り返し名指すことと、非常に強い原色フィルターの使用の両方において、きわめて様式化されているこのシーンは、レヴィンが望んでいたような、ポルノ的興奮も、心理的説明ももたらすことがない。しかし、このシーンは、ヨーロッパで最も多く写真に撮られた女性の、おそらく最も美しい肖像と、映画が進むにつれて破局へと転じる結婚生活のほのかな歓喜を、確かに提供しているのである。

<コリン・マッケイブ『ゴダール伝』(みすず書房2007)>







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