Don't Let Me Down

日々の雑感、引用。
言葉とイメージと音から喚起されるもの。

雨にもまけず

2009-03-20 08:50:07 | 日記

昔のブログに出した“替え歌”を、また出す。

それから、いちおうぼくが訳した詞もふたつ。



雨にもまけず
風にもまけず
環境破壊にも地球温暖化にもまけぬ
虚弱な体をもち
欲は無くなく
決して切れなくもなく
いつも静かに笑っているヒヒヒ
一日コーヒー・紅茶数杯と
ニラレバ炒めを食べ
あらゆることを
自分を勘定にいれずに(?)
よく見聞きし分かり(!)
そして忘れて
うらぶれた大都市の雑踏にまぎれ
横断歩道に信号待ちし
東に爆撃されたの子どもあれば
行って溜息をつき
西に狂気の母あれば
行って溜息をつき
南に餓死するひとあれば
行って天を仰ぎ
北にテロや戦争があれば
“つまらないからやめたら”―といい
日照りの時は鼻水たらし
寒さの夏はだらだら歩き
みんなに負け組みと呼ばれ
(もちろん)褒められもせず
存在を無視され(君、そこにいたの!)
そういうものに
私はなりたい




スカボローの市へ行くのかい
パセリ、セージ、ローズマリー、そしてタイム
そこに住むひとに、ぼくを思い出させてくれ
彼女はかつてぼくの真実の恋人だった

彼女に告げてくれ、ぼくに綿のシャツをつくるように
(深い森の緑の丘の斜面で)
パセリ、セージ、ローズマリー、そしてタイム
(雪の上に残る小鳥の茶色い羽飾りの跡をおいかけて)
縫い目も針のあともないように
(山の子の毛布と寝具)
そうすれば彼女はぼくの真実の恋人になる
(喇叭の響きにも気づかず眠る)

彼女に告げてくれ、ぼくに1エーカーの土地を見つけるように
(丘の斜面には木の葉が散らばる)
パセリ、セージ、ローズマリー、そしてタイム
(銀色の涙で墓石を洗い)
塩水と渚のあいだに
(ひとりの兵士が銃を磨く)
そうすれば彼女はぼくの真実の恋人になる
(喇叭の響きにも気づかず眠る)

彼女に告げてくれ、皮の鎌で刈り取るように
(戦争が真っ赤な軍勢で咆え狂うとき)
パセリ、セージ、ローズマリー、そしてタイム
(将軍は彼の兵士に殺せと命令する)
そしてそれらすべてをヒースの束にまとめてくれ
(彼らはとっくの昔に忘れた理由で戦う)
そうすれば彼女はぼくの真実の恋人になる

<S&G;スカボロー・フェア/詠唱>




奇妙、あの顔は前に見た
あたしのドアのあたりをうろついてた
鷹が獲物を狙うように
夜が真昼を待つように

変ね、彼は私を家までつけてくる
彼の足音が敷石にひびく
雨模様のハウズマン通り
パリ風のメロディがバーから漂ってくる

何をさがしているの、死と出会うこと
自分をなんだと思ってるの、人生を嫌っていて

バーやレストランで踊る
誰とでも親密に
けれども彼はそこにひとりで立っている
あたしを骨まで冷たく見つめる

部屋の中には、ジョエルと鞄、洋服の上の視線
壁の上には、写真
後悔はない、メロドラマもない
ドアをバタンと閉めて、ジョエルは出て行く

<Grace Jones : Libertango>



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