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祇園会と『アユ(鮎)』・・・京の夢 江戸の粋 大阪の味

2018年02月04日 20時08分18秒 | 日本の食文化
この南国にも冷たい雪が降りだしました。

週明けも雪が降る予想です。



京都は年間に祇園祭り、葵祭り等伝統がある祭りがあり、

また其のほかにも色々な茶道の家元、寺院の茶事、旧家の茶事等の催し事があります。

其のたびに『茶懐石料理』が提供されます。

その為京都は『茶道』の隆盛と、ともに『茶懐石料理』も重用され、今日至っています。

日本の茶懐石料理はただ単に五官の感覚を満たすだけではなく、

その祭りの歴史的な意義、歴史、書、絵画、茶道、華道、俳句、短歌、

食材の一番の旬、出盛り、出終い等の微妙で、繊細な季節感、

日本の精神、文化等に熟達していなければなりません。

それを理解した上で献立を創作しなければなりません。

その茶懐石料理も殆どが裏千家をはじめ、寺院、

家々の茶事にあわせて出張してその現場で調理され提供されます。

京都には茶懐石料理専門の仕出し料理店が沢山あります。

京都弁の『はんなり』も淑やかで、優しく明るい心を表現した言葉です。

その『はんなりの』心根も茶懐石料理に反映されています。

此の『茶懐石料理』を基本にして

宴会の場では『会席料理』として一般の料理店で提供されます。




祇園会と『アユ(鮎)』


神功皇后が釣りをして戦勝祈願の占いをなされ、

その時アユが釣りあがった故事から『鮎』という漢字が生まれたそうであります。

琵琶湖の北岸に一尾のアユから十万以上の無数の卵がかえり、

その岸で稚魚は育ち、雪やみぞれの降る寒い季節に湖面からすくい上げられ、

『氷魚(ひうお)』と呼ばれ塩茹でにされて京の市場に並べられました。

アユの美味しさが本格的な旬は梅雨明けの七月からであり、

別名『香魚』と呼ばれているアユはこの旬の季節は香りがひと際高く

『タデ酢』でいただく塩焼きは

祇園会の夏の素晴らしい美々なる料理であります。

京都のアユは紆余曲折のある丹後保津川下りの流れが上々のアユで、

アユ桶に泳がせて京に運びました。

『茶懐石料理に変った珍しいごちそうをしようと思ってはなりまへん。

季節の旬の最高の材料を選んで、それを心をこめて調理するのが一番大切なことで、

目先で喜ばす料理は、味がおちますがな、

七月にはアユの塩焼き、

十一月の炉開きは、まながつおの『幽庵焼き』がおいしいにきまっています』と

茶事を開催される麩屋町の主人は変化のある献立ではなく

季節の旬の素材を生かして、簡素に調理することを命題にしていました。

この様にアユ料理ひとつとっても鮎の生まれた稚魚から五月の青年期、六月の解禁期、

そして梅雨明けの七月が香魚にふさわしい香りを放つ時期がアユの一番の出番であります。

このようにアユの一生を理解して献立を創作しなければなりません。

七月が京都の三大祭りである祇園会があります。

香魚に相応しい『アユの塩焼き』の時期が、祇園会が開かれる時期と重なります。

是が『出会の料理』と呼ばれています。

人間知恵で出会わせるのではなく

自然の知恵に遵って、出会うことが茶懐石の真骨頂であります。



私も二十代の頃、祇園街で料理に携わっていました。

京都の町家は天井が低く、門口が狭く奥深いのが特長です。

しかしその奥深い路地に入りますと、その細長い路地を利用して玄関までに

飛び石や植込、生垣で洗練された『露地』が続いています。

京都人の知恵であります。

そして打ち水の習慣があります。

京都では料理よりも九州出身でしたので言葉のアクセントを指摘され、言葉の発音で苦労しました。

特に高級店のカウンター席でのお店で、舞妓さんや京都の実業家の社長さん等が客筋でしたので

京都独特の言葉の言い回し、物腰を身に付けるまで大変でした。



京の夢 江戸の粋 大阪の味




魚を食する場合

魚は殺されるの嫌って逃げる。

逃げるもの追って捕まえて殺して食べることは愛にそむくことであります。

しかしながら自然の調節の問題がある。

魚一尾から何十万という産卵をする、そして稚魚の間は、殺されても痛覚神経が発達していない。

それは私たちの髪の毛や爪などがそうであります。

だからなるべく稚魚のようにあまり大きくならない時に食したらよいのであります。

        
『注』
                  幽庵焼き・・・醤油・酒・味醂(砂糖でもよい)を混合したタレに魚に振り塩をして、
                         二十分程して水洗いして、布巾等でふきあげて塩止めをする。
                         魚と柚子等の柑橘類を輪切りしてパット等の中に漬け込み焼いたもの。







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