先日、アホウドリの生態と復活への活動のドキュメンタリーをやっていました。
阿呆鳥は大型の鳥で助走しないと飛べないし、人間を怖がることがなく、すぐに人間に捕まってしまうから阿呆鳥と名前が付いたようです。
しかしその生態は実に愛情に溢れ、高度な知能に恵まれています。
戦前は小笠原諸島を始め大東諸島などに多く多く生息していたそうですが羽毛を取る為に乱獲され、人間を怖がらないせいで簡単に捕獲され悲しい事に戦後は絶滅したと思われていたそうです。
1951 年に鳥島で生き残っていた種が確認されていましたが、なかなか増えません。理由はアホウドリのツガイは年にたった一羽の雛しか育てない事、生まれ育った場所でしか子育てしないこと、その繁殖地の鳥島の環境は火山島で繁殖地が過酷な環境であること ... などがあります。
寿命が20年以上のアホウドリは一旦ツガイになると一生死別するまで共に子育てを共に行うのだとか。
春以降はアリューシャン列島からアラスカ、カナダの海洋に渡って海上で過ごし、秋になると子育ての為に鳥島に戻ってきます。
雄は数週間早くアリューシャン方面から小笠原諸島の鳥島の繁殖地に戻って巣作りを始め、ツガイの雌はその後に島の繁殖地へ戻り、再会して卵を産んで暖めます。
よくも生れ育った繁殖地を間違えないで、またツガイの相手を間違えないで再会できるものだと感心してしまいます。
卵を温めるのは雄雌が一ヶ月ごとに交互ですが、2ヶ月以上も飲まず喰わずで痩せ細って卵を温めることもあるそうです。ドキュメンタリーでは雨の時に大きく口を開けて雨水を口から補給しているシーンがあり感動ものです。
翼を広げると2メートルを超える大型の渡り鳥のアホウドリ、雛は巣立ち後すぐにアリューシャン方面まで飛べる能力、生まれた島の巣への帰巣能力も素晴らしいです。
人間は地球上で一番に知能が高いと思っているのは大間違い、未だに人間同士の戦争と紛争は終わる事なく、人間による自然破壊も止まる事を知らず、アホウドリなんて名付けた人間の方がはるかに阿呆であることを思い知りました。
と書いている私も、尖閣諸島問題、竹島問題では絶対に隣国を許せない阿呆人間です。
山階鳥類研究所の アホウドリ について。