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日々の体験や思ったことを綴ります(by 涼風)。

映画『善き人のためのソナタ』

2008年03月02日 | 映画・ドラマ
映画『善き人のためのソナタ』を観ました。

市民生活が国家の監視下におかれ、社会主義思想に反対する者に弾圧を加えた旧東ドイツ時代のお話です。

東ドイツで国家が市民生活の会話までも監視下に置き、多くの密告者によって多くの人が投獄されていたことは知っていました。だから、この映画で扱われている監視の実態については、それほど驚きではありませんでした。

むしろ私たちにとって本当に驚愕なのは、家族や友人までもが「密告者」であることを、ベルリンの壁崩壊後の情報公開によって知った東ドイツ市民が多かったという事実でしょう。

そのような心の傷を抱えた人が現在の東ドイツの半分を占めているのです。国家としてどれほど大きな問題を抱えているかがわかります。



この映画が伝えることの怖さの一つは、社会主義思想など信じておらず、自分の出世欲によって国家に仕えていた者が東ドイツという監視国家を運営していたという事実です。

自由のない社会であればあるほど、他人の顔色を窺って権力に媚びへつらう者が生きやすい社会になります。

その点では、この話は今の西側社会にも、日本にも当てはまる話のはずです。



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