joy - a day of my life -

日々の体験や思ったことを綴ります(by 涼風)。

映画 『あるスキャンダルの覚え書き』

2008年07月06日 | 映画・ドラマ
映画『あるスキャンダルの覚え書き』をDVDで観る。


この映画は公開時にあらゆる映画評で絶賛されていた。少なくとも私はこの映画に疑問や不満を投げかけた映画評を観たことがない。


でも、今回初めてこの映画を観たのだけど、なぜこの映画がそれほどまでに絶賛されたのかよく分からない。


映画は、人が他人を心理的にコントロールしようとすることの悲劇を描いている。それ自体はたしかに悲劇だけど、この映画に出てくるようなfuckin psycho野郎はこれまでにも多くの映画で扱われてきただろうし、わたしたちの日常生活にも多くいるように思う。また自分の中にもこの映画の登場人物と同じ心理があることは、少しでも自分を内省したことのある人ならば容易に気づくはずだ。


つまりわたしの感想としては、どこにもとりたてて新しいものが描かれていることのない映画だということです。


個人的には、この映画の主題である、人が人を心理的にコントロールする悲劇よりも、公立学校に勤めている教師たちの生態の描写のほうが興味深かった。


荒れた公立校の校舎から生徒たちを見つめる教師が心の中で

「やがて店の売り子のような不安定な仕事に就いていく者たち」

とつぶやいたり、教師同士の会話で

「全員に期待してはいけないわ。宝石の原石を見つけるのよ」

といった言葉が出てきたり。


学校の教師という職業についているとどういうものの考え方をするようになるかが
、印象的に描かれています。


そういった考え方のほうが、ありふれた心理的コントロールのドラマよりも、よほど残酷で、悲しい、と思わされます。


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