風の谷通信

専業農家からの引退を画策する高齢者。ままならぬ世相を嘆きながらも、政治評論や文化・芸術・民俗などに関心を持っている。

値上げラッシュ

2007-12-05 20:04:52 | 世相あれこれ

風の谷通信 No.2-209

 12月になって値上げ・値上げの声が聞こえる。原油価格の
高騰が引き金になって、値上げ宣言には抵抗感が無くなった。
なんの遠慮もなく当然の如くに値上げ宣言できる。ガソリン・
灯油・プロパンガスの値段が生活に直結するが、更に食品関係
の値上げが多いという。これは、バイオエタノ-ル関連で穀物
価格が上昇したのが原因。

 そんな中で日本の百姓の作物だけが値下がしている。
なんで?・・・・・・ コメはダラダラ下がり。野菜も値下がり。

 生活に一番必要で、しかも一番身近な場所で採れる食べ物が
値下がりしている。そして、消費者は高い輸送費をかけて持ち
込んだ外国産物に高いカネを払っている。地元で取れる安いコメ
を食べずに、高い輸送費をかけて輸入した小麦・小麦粉を食べ
ている。コメの値段には文句を言うが、小麦粉のパスタ類が
高くても文句を言わない。それどころか高い価格の店を追いか
ける「グルメ志向」は衰えないし、ミシュラン格付けなんてものが
もてはやされる。
 はたまた、高い輸入小麦・大豆・トウモロコシを原料にした飼料
で育てた家畜の肉を食べている。「飼料効率」という視点から見る
とこんなムダな食べ物はない。

 同じ国内産の野菜でも遠くの産地から運ばれたものに高い値段
がつく。その一方で直売所の値段は下がる一方。 食品スーパー
でハクサイ1株が500円している時に直売所では1株200円。
足の太ももほどもありそうなダイコンが1本100円。バカみたい
な売値。百姓が自分を安売りしている。それも百姓同士が値下げ
競争している。農業を自らが侮辱している。

 この値上げの時期に、消費者には自らの生活第度を見直して
欲しいし、百姓には自らの価値を高める意欲を持って欲しい。
目指すは食養生の基本「身土不二」。