ここのところ、出社したときは地下街の飲み屋さん等がやっている、テイクアウトランチをオフィスで食べていたが、さすがに飽きてきた。
日中天気が良かったので、コンビニでおにぎり買ってビルの中庭でささっと食べ、ちょっと散歩してみた。
1月から来ている今のオフィス近辺、実は初めてじゃなくて、20年ほど前に数年間通ったことがある。もちろん違う会社で、今はもうない。1年半ほど勤めた後、別の会社に移り、その会社がこの辺りに移転したのでまた戻ってきた。1年ほどしたらまた移転になった。ぜんぜん腰が落ち着かない感じだが、あの頃はそうだったんだよね。若かったし。。
今で言えばブラック企業みたいなやつで、毎日夜中まで働いていた。夕方になると腹減ってくるので、コンビに行ってコロッケパンとかソーセージパンみたいのを買ってくる。支配人(スイス人)がそれ見て「・・ジャンクフード!」などと言っていたのを思い出す。外から見たらへろへろになって働いている、と思われたらしく、今から思うと周りからよく同情されていた。
ジャンクといえば、コンビニの近くにあった飲み屋さんのランチも好きだった。たしかメンチカツランチだったかな。
・・この辺り、表通りはすごいおっしゃれーな店とか多いし、ちょっと外れたところには小さな国の大使館とかあったりして、ひじょうにえくすくる~しぶな感じを漂わせているが、もうちょと奥に行って坂を降りていくと、ごく普通の、というよりもっと昔風の、住宅街が広がっている。
飲み屋さん、布団屋さん、薬屋さん、酒屋さんなどが狭い路地に並んでいる。そんな飲み屋でテレビ見ながらお昼食べているのは僕一人だったりして、非常にトリップ感が強かった。。
もうひとつ印象に残っている店はとんかつ屋だ。古い店構えの、十数人入ればいっぱいになってしまうような店だが、なぜか店の人は3-4人いて、男ばかり、洋食というより寿司屋の板さんのような人たちがやっていた。中で調理しているのは若い人なのだが、注文を取って給仕してくれる人は年配のごま塩頭(という印象があるが、違ったかもしれない)の人なのだ。
なにより強い印象として残っているのは、店内に流れていたBGMだ。’50年代の、ちょっと渋めのジャズが、いつ行ってもかかっていた。たぶん有線とかじゃなくて、自分でCDかなにかかけていたんだと思う。実際に何の曲かけてたか忘れたけど、印象としてはケニー・ドーハムの静かなケニー、ロータス・ブラッサム、みたいないわゆる四畳半ジャズが多かった気がする。。白木の、良く磨かれたカウンターと、むくつけき男たちの接客と調理、そしてロースかつ定食・。これが奇妙によく調和していた。
肝心の味だが、これがなかなか旨かったのだ。当時の自分には高かったので、そんなにしょっちゅうは行けなかったけど。。残念ながら、かなり前になくなってしまった。。
あの頃に比べると今は、そういう庶民的なところがなくなって、小じゃれて単調な街という印象が強まった。まあこれも世の流れだろう。。
それにしてもこの街のメルセデスの多さは異常だな。トヨタなんてほとんど見かけないぞ。メルセデスとポルシェ、たまにRRとキャディ。なんなんだ。。