
カタカナ語は英語の発音とずれが大きいので、英米人には通じないというようなことが言われます。
たとえばゼネラルは英語発音に近づけようとするなら、ジェネラルとすべきで、コンテストやコンファランスというのはカンテストとカンファランスにすべきだというのです。
しかしこれらは英語として英米人に伝えようとするのではなく、日本人に伝えようとするので日本人の感覚に合うようなものになっているのです。
日本人が英語の単語を借用したときの形がゆがんでいるというのですが、上の図のように、逆に英米人が日本語を借用したときの形の例を見ると、やはりもとの日本語とはズレがあることがわかります。
柔道はジュウドウでなくジュドウでアクセントの位置も違うのでわかりにくくなっています。
カラオケはキャリオウキですし、腹切りはハリキリ、将軍はショウガンですから日本人が聞いたら何のことか分らないでしょう。
上の例は日本語を聞いてその発音を英語風の綴りにしたものではなく、日本語をローマ字で表記して、それを英語風に読んでいるものです。
その点では日本で英語の言葉を借用するときに、英語の綴りを日本風に読んでいるのに通じますが、原語の発音とズレがあるという点でも共通しています。
英語に借用された日本語の数はわずかなので、発音がおかしいとか、日本人にとってわからないといっても問題にならないのですが、日本が借用した英語のほうは数が多いので問題がおきるのです。
最近では英会話が重視されてきたせいか、発音に近いカタカナ表記をしようとする傾向が出てきており、カタカナ語の表記はゆれてきそうで、しばらく混乱するかも知れません。
コンセンサスをカンセンサス、カメラをキャメラ、コンピューターをカンピュータ、ゼネラルをジェネラルというふうに表記するようになれば、「長島のカンピューター」などといったダジャレは成り立たなくなります。
それでもそうなったからといって、パソコンをパソカン、ゼネコンをジェネカンと言い直すわけにもいかないので、ジェネラルとゼネコンが両立するようなことにもなりかねません。
これまでにもグローブとグラブ、フックとホック、トラックとトロッコなどと同じことばが二通りに表記されている例があるので、そうなる可能性はありますからやっかいなことです。
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