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漢字単語を一目で読み取る

2007-12-01 23:15:39 | 文字を読む

 現代の日本文は漢字かな交じり文で、英語のように分かち書きになっていなくても単語の切れ目が分るので読みやすくなっています。
 上の図は長い漢字熟語の例です。
 使われている漢字自体は難しくないのですが、文字数が多くて長い単語になると一目で見ては意味が分かりにくくなります。
 「自動車部品」ぐらいは五文字程度なので瞬間的に意味が分かると思いますが、「横綱審議委員会」と七文字になれば、この単語を見慣れていなければ瞬間的に意味を読み取ることは困難です。
 「自動車部品」でさえも「自動車の部品」のように、間にひらがなが入って単語の構造をはっきりさせたほうが読み取りやすく、「横綱を審議する委員会」のほうが「横綱審議会委員会」より分りやすくなります。

 漢字は極端に言えば、組み合わせていけばいくらでも長い単語を造語することができるので、やたらと長い単語を作ってしまう人もいます。
 読むほうの立場から言えば、七文字を超える漢字単語はとても読みづらいのですが、書くほうはまとまりがよいので、つい漢字を羅列して読みにくい単語を作ったりします。

 「組織利益最優先主義」は「組織の利益を最優先する主義」、「特殊戦後型日本式経営方法」は「特殊な戦後型の日本式の経営方法」としたほうが長さは長くなっても読取りやすくなります。
 「高価格維持官民癒着談合体制」も、「高価格を維持する、官民が癒着して談合する体制」とでもしたほうが分りやすいのです。

 カナばかりの文や、漢字ばかりの文は切れ目が自然に判断できないので非常に読みにくいのに、適度に漢字が交ざっていると分りやすいのです。
 普通の文章では漢字の熟語というのは、長くても四字熟語ぐらいなので、読取に苦労するということはありません。

 ところが新しく作られ漢字た熟語というか、単語の中には長いものがあって、一目では意味が読み取りにくいものがあります。
 ニュースの中に出てくる「防衛装備品調達」とか「米原油先物市場」といった単語になると、これらの言葉に慣れていないとパッと見ても意味が頭の中に入りません。
 漢字が七文字も続くと一度に意味を読み取ることが難しいのは、すべての漢字を読み取った上で組み合わせた意味を解釈しなければならないからです。
 これが「防衛装備品の調達」とか「米国の原油の先物市場」というふうに表現されていれば、少し長くなっても意味が分かりやすく、文章は読みやすくなります。
 
 漢字をつなげすぎて長い漢字単語は読みにくいといっても、現実にはなくならないので、読むほうが練習して意味を読み取るしかありません。
 少なくとも七文字程度の漢字熟語は一目で読み取れる練習をしておくと便利です。
 七文字程度の漢字単語の読み取る能力ができれば、たいていの漢字単語は四文字以下なので、さらに読みやすくなり無駄にはなりません。


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