60歳からの視覚能力

文字を読んで眼が疲れない、記憶力、平衡感覚の維持のために

漢字のほうが覚えやすい

2006-05-25 23:34:42 | 言葉と文字

 漢字の大部分は形声文字と呼ばれるもので、意味を暗示する部分と発音を示す部分をあわせた合体字です。
 漢字の場合は文字であると同時に単語でもあるので、単語が何を表しているかがわからなければなりません。
 語の形と、読み方、意味を結びつけて覚えるのですが、語の数が多いので記憶に大きな負担がかかります。
 一つ一つの語が何の共通性もなく、ばらばらであればとても記憶できるものではありません。
 共通部分があれば、共通要素を統一した形で示すほうが覚えやすく、思い出しやすいので、組織的な表記法があったほうが便利です。
 形声文字は偏などによって意味の範囲を示し、旁などで読み方を示す合体字なので、ただ形と読みと意味を結び付けて覚えるより効率的なのです。

 子供に漢字を覚えさせるのに、絵カードなどを使って覚えさせる方法がありますが、子供は視覚的な記憶力がよいので、難しい字でも覚えられるとはいえ、組織だった覚え方をさせないとごちゃ混ぜの知識が詰め込まれるようになりかねません。
 子供のときは形を覚える力が強いので、難しい漢字でもそのまま覚えることができ、絵にかかれた意味と結び付けて覚えることができます。
 こういう方法だけに頼ると、ごのいみは浅いとらえかたに終わり、ほかの語との関連なしに有機性のない知識の詰め込みになりかねません。

 図の例では日本流の音読みで「カン」という読みの文字の一部です。
 この場合は「カン」と読まれる文字のうちの三ズイのものの一部です。
 「汗」という字を読み方が「カン」、形が「汗」、意味が「あせ」と覚えるよりも、左の偏が水の意味で、右の旁がカンという読み方を表すという風に覚えたほうが覚えやすく、体系的な知識となりやすいのです。

 漢字は同音異義語が多いのですが、それでも日本風の音読みに比べれば同じようでも違いがあるので、実際はもっと限定されます。
 日本読みでは同音のものが多いのですが、日本で使われるときは、単漢字が音読みで使われることは比較的少なく、多くは訓読みされます。
 日本で音読みされるときは二字熟語などが多く、二つの語の合成になるので、合成の仕方と一緒に語の意味を覚えれば記憶しやすくなります。
 英語などのアルファベット使用の語を覚える場合は、綴りと読み方、意味を覚えなければならない点では同じですが、意味を暗示する部分が少ないので、記憶に漢字以上に多く負担がかかります。
 日本語などに比べ覚えやすい文字のはずなのに、アメリカなどが日本にに比べ識字率が低いというのも実際は英語が覚えにくいということが原因だと考えられます。


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