60歳からの視覚能力

文字を読んで眼が疲れない、記憶力、平衡感覚の維持のために

集中力の衰えをカバーする

2006-10-01 22:04:05 | 視角能力

 埋没図形を見つけ出すテストは高齢者が若年者より成績が劣るとされていますが、子供も成績が劣ります。
 子供のうちは目的に注意を集中して、不要な部分を無視することが不得意だからですが、高齢者の場合は視力が衰えると同時に、集中力が衰えはじめるためです。
 図の例ではAよりB,Cが正解率が低くなっていますが、線が多くいりこんでいるほど正解を見つけにくいのが分かります。
 
 答えが見つけにくいのは余分な線があって紛らわしいからなのですが、線で分割された図形の部分を組み合わせて左の図形と同じものにしようとするからです。
 部分を組み立てて全体像を作るのは取り掛かりやすいのですが、途中でうまくいきそうにないとき前の段階にもどってやり直すため、非常に集中力が必要です。
 したがって、あまり集中力を必要としない方法で出来ればそのほうが賢明です。
 つまり集中力の低下を補うことを考えるべきなのです。

 この場合は目的の図形の形だけでなく大きさも決まっているのですから、左の図を右側に重ねようとすれば良いのです。
 細かく輪郭をたどるのではなく、全体の形を見てそのイメージを右に移して重ねればよいのです。
 Aの例では上半分がほぼ重なるので分かりやすいのですが、もう一つ逆さまにしたものも解となるので注意が必要です。
 
 Bの場合も素直に左の図のイメージを右の図の上に重ねれば正解が得られます。
 輪郭線を目で追っていくと途中で視線がスリップして間違えたりします。
 部分に注意を向けるのではなく、全体的な形をつかんでイメージを重ねればよいのです。
 この場合も180度回転すると同じ図形なので、上下逆さまのもう一つの解があります。

 Cのばあいは左の図の中に線があるので、このイメージをそのまま右の図の上に重ねてみようとするのは、線が入り組んでいて混乱してしまいます。
 そこで輪郭だけ(六角形)のイメージを右側に移して重ねて見れば、案外うまくいきます。
 この場合はaのような解だけでなくbのような解もありますし、さらにaを反転したcやbを反転した解もあります。
 
 「右側の複雑な図形の中から左の図形をさがす」という課題なので、右側の図形の中に注意をすべて向けてしまいがちですが、そうすると集中力が多く必要でうまくいかないのです。
 左の図を見てそのイメージを右に移すといった、全体的な見方をとることで集中力の衰えはカバーできるのです。
 


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