図の①を1~2秒見たあと、いくつの文字を思い出せるかという問題ですが、思い出せる数の平均は4~5文字程度だそうです。
たいていの人は文字をすべてはっきり見ているはずですから、4,5個しか思い出せないというのは、答えを思い出そうとしている間に忘れてしまったのか、それとも見たけれどもアタマに入らなかったのか分りません。
12個の文字をいっぺんに表示するのでなく、一つ一つを表示しては消していった場合も、文字ははっきり見えますがすべてを思い出せるわけではありません。
したがって視覚的に見たからといって、すべてを思い出せるわけではないのです。
ところで同じ12個の文字ですが、②のほうを見た場合はどうでしょうか。
たいていの人は②のほうが思い出せる文字の数が多いと思います。
これは日本人の場合、アルファベットの大文字に比べると、ヒラガナのほうがはるかに馴染んでいるためにアタマに入りやすく記憶しやすいということがまず原因として考えられます。
これがカタカナであれば文字の形はヒラガナより単純ですが馴染みが薄いので覚えにくく、漢字であれば形が複雑になるうえに、目にする頻度が低くなりますから、やはり覚えにくくなります。
アラビヤ語の文字とかビルマ語の文字とか、ほとんど馴染みのない文字であれば2,3個でも思い出せないかもしれません。
脳に対応するイメージが記憶されているほうが、すばやくアタマに入って記憶できるからです。
、もうひとつの原因は、ヒラガナの場合は1音節だということで、いくつかの文字をまとめて、すばやく音に変えられるためです。
たとえば①の一番上の行は「エフケイブイエイチ」ですが②のほうは「ねへそき」と半分以下になりますから、4文字程度でもひとまとまりの音に変えやすいので記憶しやすいのです。
「ねへそき」とか「かえぽす」とか「のろにも」などというのは無意味な単語ですがとりあえず記憶することができ、二つ覚えれば8個となり、アルファベットを覚えるより大幅に成績が上がります。
日本語の音は種類が少なく単純なため、同音異義語が多いといわれていますが、そのためかどうか、新しい言葉を受け入れやすく、その結果非単語とか無意味語に対する抵抗があまりありません。
そのため多少ムリな語呂合わせなども受け入れることが出来るので、2の平方根を「ひとよひとよにひとみごろ」と意味不明の語呂で覚えることが出来たりします。
数字を語呂で覚えるという方法は日本人の得意とするものなのです。
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