60歳からの視覚能力

文字を読んで眼が疲れない、記憶力、平衡感覚の維持のために

じっくり見なくても読み取れる

2007-01-28 22:37:12 | 文字を読む

 図の文字は点で描かれているだけでなく、モザイクがかかっているのでぶれています。
 点の集まりですから普通に見ている文字とは別物であり、厳密に比べれば文字とはいえませんから読めるのが不思議です。
 もし右脳がものをありのままに見るということであるならば、上の図は点で描かれた単なる図形で文字として読むということはないはずです。
 ひらがなや漢字、アルファベットを学習して記憶している人であれば、図形であるとか模様であるとみなさず、読める部分を読もうとします。
 記憶があれば自動的に記憶と照らし合わせて読もうとするのですが、簡単に読めるものとそうでないものがあります。
 ひらがなとか、画数の少ない形の簡単な漢字ならすぐわかりますが、少し込み入ったものだとぼやけて読みにくくなっています。
 
 いまこれらの文字を普通に見るとぼやけて見えるのですが、目を細めて見たりあるいはピンホールマスクのように小さな穴を通して見ると、ややはっきり見えるようになります。
 二行目の左から三文字は無理としても他の文字は何とか読めるのではないでしょうか。
 眼を細めたり、ピンホールを通して見たりするときは光の量がしぼられるので、視野は狭まりますが、ピントがあった感じになりくっきり見えるようになります。
 光の量が少なくなるので暗く見え、細かい濃淡の差はわからなくなりますが、ピントがあってぶれがすくなくなったように見えます。

 こうして見ると、普通に文字を読んでいるときには、文字の読み取りに必要な量以上の情報が眼に入ってきていることがわかります。
 眼を細めたり、ピンホールマスクで見たときは眼に入る光の量をしぼって少なくしているわけですし、離れた点のみでつくられた形でも文字が読み取れているわけです。
 同じようなことは文字を瞬間的に見た場合にもいえます。
 眼を閉じた状態から、パッと眼をあけ瞬間的に文字を見たとき、瞬間的に見えた文字のぼやけ具合は感じられません。
 瞬間的に見たときの視覚刺激の量は、じっくり見たときに比べれば少ないのですが、文字を読み取るのに必要な量は十分あるのです。
 問題は眼で受け取った視覚刺激を脳が処理するスピードで、脳の処理スピードが上がれば文字を必要以上に長く見続けることはないのです。

 よく知っている文字、見慣れている文字であればじっくり見なくてもちらと見ただけで読み取ることが出来ます。
 二行目の三文字は魑鬱巖という文字で意味なく単に複雑で込み入った文字を並べたものですが、なじみのない人なら読み取れませんし、これらの文字に常時接している人ならはっきり読み取れなくても見た感じから読み取れたりします。