設計事務所の裏窓

夫は建築士。設計事務所をやってます。
裏から眺めた感想、日々の独り言。
不定期便で頑張ります~!

見えない仕事  監理

2004年08月16日 11時40分43秒 | 独り言
我が家には「監理」という仕事もある。
この「監理」結構 何それ?と聞いて来る方が多い。

「監理」は「管理」ではない。
現場の工程が予定通り進んでいるか そういう事を
チェックするのではなく、現場が図面通りにきちんと
なされているか 施主に代わって チェックしていく。

これは全くの個人的考えだが 設計 施工 監理が
全て一緒の所でやると どうしても
「なあなあ」の雰囲気が生まれそうである。
勿論 こんな事は疑ったらキリがないし、きちんと仕事を
している所も いっぱいあると思う。
でも身内同士で第三者的にチェックは難しいのではと
素人ながら考える・・・・・・

設計契約は請負契約ではなく 依託契約。
だから お施主さんの代わりとして動く事が多い。
そういう意味では、「監理」の仕事は重要な仕事である。
そして素人ゆえに専門的な事が わからない お施主さん達に
とっては「監理」がどこでやるかも とても重要だ。

現場では、「監理者」である建築士と施工側とが ぶつかる事も
多々 あると聞く。
でも 結局皆が お施主さん家族の為に「いい物を造る!」
という気持ちが根底にあると そのぶつかり事は建設的な
論争に過ぎない。フタを開けてみれば そのぶつかり事は 
全てプラスになって お施主さん家族の「家」に跳ね返ってくる。
なんとなく 今回 個人住宅の仕事を見てそう感じた。

「見えない仕事程 大事」という言葉を どこかで読んだ事が
ある。
我が家は 正にその連続で成り立っているのかもしれない。
その連続は 今時 古くさいと言われてしまいそうだが
結局のところ「信頼関係」で生まれている。
ひょっとすると、こんな時代だからこそ どんな仕事でも
この古くさい「信頼関係」が重要な時代なのかもしれない。