だんだんと

だんだんと暗くなっていく時間
光り輝く月は　もう帰ろうとしている
冷たい風の中で　薄っぺらな雲の下で

風冷たく

風冷たく変わり　陽はゆっくりと沈む
今日を明日へと変えるために　いつも休まず
今日と明日と昨日の境目の中で　ふっと息を吐き出して

ときどき

時々春を待ちきれずに花をつける
雲が空にふたをして　暖かな日
いつか来るもっと寒い冬を越え　雪のような花を見つけに

あじみ

それはだんだん近づいてきて　日に日に削られていく
全部食べるにはもったいない　また明日も来よう
そんなことを言ってるのか　まだ見ぬ鹿が味見しながら

りりしく

りりしく玄関を見つめる　水仙の花
甘い香りに心揺られ　ほっと小さく息を吐き出す
凛とした冷たさの中で香る　そっと目を閉じた時間の中で

ねんがじょ

あけちゃいましてもう何日も経っちゃいましたので、
こっちでも年賀状公開！


なんだこりゃボタン

たぶん なんだか

たぶん　なんだか変わったような
少し　寂しくなってしまった縁日の陰
時代なのか　あのころと違い
なんだか行き交う人がまばらで

雫

雫の中にもう一つの世界
さかさまに移り込むどんよりとした空
息を吹きかければ壊れてしまう　そんなあやふやな世界

冬の

冬の暖かな日差しと　柔らかな風を受けて
雲のない空の下で　ゆっくりと乾いていく
陽は暖かくとも　季節は巡るもので

過ぎ去っていった

いつの間にか過ぎ去っていった正月
鏡餅がまだその形を保も　橙の葉がしおれ
久しく見ていない　正月の顔たちを思いながら