くもわたるそら

雲渡る空はどこまでも空で
風渡る空の下で　雲を見上げる
いつか振り返る　この空を眺め

静かに

静かにざわめく海を眺め
空の上には細かな雲たち
すっきりとしない　もやもやと晴れる湿った風の中で

あじさい

ずっとまえからいつものこの時期に花をつけて
いつまでも変わらない　これからも変わらない
思い出と　季節の入り交じる今日の日に

ならんで

並んで咲く花は　今日の雨にもめげず
しっとりと曇る空の下で　雨の香りを知りながら
時流れる　近づく夏を前にして

ふとそんなことをおもう

　君が集めた夢のカケラはどれくらい大きくなったんだろうね。
　ふとそんなことを思った。今日の夏の日、夏の暑さが身にしみて湿った風が留まりながら崩れていく。
　あの日二人で一つずつ積み上げていった小さな小さなカケラもいつか大きくなり、それはもっと大きくなるはずだった。
　どちらが先に夢をあきらめ、どちらが先に夢に向かったのか？
　今となってはわからないことなのかも知れない。
　いつの間にか終わりを告げる楽しい日々。それは何の前触れもなく、音もなく、影もなく。
　いつの間にか夜が来る。星上がりでは弱すぎて前を見失う。月明かりでは明るすぎて、振り返ることを忘れてしまう。
　もう何年経つんだろうか。あの日手を伸ばして、いつか掴もうとした星はもう目に見えるところにはないのかも知れない。
　今しかできないこと、あの時しかできなかったこと。
　夢のカケラを集めて、積み上げて、夜空の星に手を伸ばす。届くはずもないと知りながら、ただその先に何があると信じて

　あの人は今どうしているんだろうか。夢は叶ったんだろうか。もうあきらめてしまったんではないだろうか・・・・・・
　ふとそんなことを思う



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はね

大きな羽根はいつからかそこに
空を飛ぶため作られた形と軽さ
磨きぬかれた進化の結晶

光は沈む

光は沈む　その先は山の奥へ
だんだんと遠くなっていく今日の日は　山の向こうへ
夜の気配が　ゆっくりと音も立てずに空に広がって

流れゆく景色

流れゆく景色は　夕の装い
静かに進んでいく車たちは　どこへ向かうのか
立ち止まることなく通り過ぎ　いつかたどり着く場所へ

雨去ったあと

雨去ったあと　残ったものは冷たい空気
涼やかに洗われた空の下に広がる景色
始まる梅雨の時間　草木伸び　見上げて顔で雨を受けて

噴火口

いつの間にか出来上がった噴火口
せっせと運ぶアリの姿が見えてくるようで
ただ　近くにアリはなく　それだけがいくつも連なって