小さな

小さな花と　それに止まる小さな虫
暖かで冷たい風の吹く今日の日
春を待つように咲き　見つめる冬の終わり

晴れていた空

朝　晴れていた空の下は近い春の音
雨上がりの澄んだ空気と　朝のにおい
ふと振り返る　昨日洗った車に　残る雨の記憶

けむる

煙る街は湿った風の中に
色を無くすほどに白く　風は少し重く
青空が懐かしいほどに　届く光は淡く揺れて

続く

続くライトと　響く音の先
暗い空の下で　明かりのないトンネルの先
進み続け　その先にある明日へと

そら

あたたかな空は冬であることを忘れるほどに
聞こえてくるような春の足音は　日に日に近く
強まる日差しに　花はつぼみをふくらませ

色を失う

色を失っていく赤い実は　砕けていく冬のかけら
風のない日差しは　春のように暖かく
通り過ぎていく　知らぬ間に季節は変わろうとして

遠くへ

遠くへ続いていく電線の向こう
誰も知らない場所と　誰も知らない街へ
世界を駆けめぐり　今日の明かりと成り

光指す

光指す海は　あたたかな光
消えていく冬の影と　揺れて見える春の香り
日々移り変わる空　目指すものの　その先も知らず

しろときいろ

白と黄色の花は　よく晴れた冷たい空の下で
風の中に少しだけかすかな春を感じるように
長くなり始めた夕の色と　移り変わる季節へ

空の影

空の下に出来る影は　電信柱に影を作り
流れていく白い雲の下で　過ぎゆく人々を見送る
聞こえてくる街の音とともに