久遠の絃

-くおんのいと-
since 2003/9/1
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留まる

2006年08月26日 22時04分18秒 | 久遠
ずっとそこにとどまり まるで夜を待つように
時々降る雨と 大きな雷の下で
雨宿り ふさふさとした体をぬらさぬように

撮影:プライヤアオシャチホコ(シャチホコガ科)
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ときおりざわめくなみのおと

2006年08月26日 00時19分59秒 | ことばのうみ
月がいつの間にか地球に近づいていることがわかった。
でも、ぼくらにはそんなことどうだってよかった。
手を伸ばしても届かない、空を見上げても変わらない。
だからぼくらはただ空を眺める。丸い月の昇った星のない暗い空を。
”君は見ているかな?”
小声で小さくつぶやいた。あの空の向こう、月のもっと先にいるあの人へ


月が近づいてきている。誰が始めに言い出したんだろう。
いつのまにか、誰も知らないうちに、離れていた月と地球は引き合っていた。
ここからではどうしようもない。私にはなにも出来ない。
ただ見守り、ただ小さく祈るだけ。
”あの人は見てるのかな?”
空に浮かぶ地球の眺める。青く白く光り続ける大きな星。
空を見上げ 手を伸ばした先のあの人へ


聞こえることのない声が聞こえ、ただぼくは空を見上げる。
見えることのない面影を見つけ、ただわたしは空に手を伸ばす。

そっと空にふれる瞬間。波紋のように広がっていく柔らかな波。
ゆらりゆらりと空を漂いながら、私はその奥に手を伸ばす。

波の音が聞こえる。引いていった潮が柔らかな海岸を造り出している。
そっと砂を手に取り、静かに海の中へ返す。
波の中に、手のひらからこぼれ落ちる砂。月の明かりの中でゆらりゆらりと漂うように。

私たちが歩いた道は少し違ったものになった。
けれどもまたどこかで出会うのだと思う。
あの人がそこにいて ぼくがここにいて
あの人があの場所にいて 私がこの場所にいて

月と地球がだんだんと近づく
また私たちも近づいていくのかもしれない。

時折ざわめく波の音を聞きながら


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