みなよか日記

NPO法人UDくまもとが発信するユニバーサルな観光情報です。
写真の無断転用は厳禁です。必ずご連絡下さい。

介助犬のお話

2009-11-14 09:14:07 | うんちく・小ネタ
こんにちは

みなさんは補助犬をご存じですか?
良く知られている盲導犬も補助犬の一つです。補助犬にはそのほかにも聴導犬と介助犬があります。
今回は、介助犬についてご紹介します。
 
介助犬は手や足に障害がある人をサポートする犬のことで、盲導犬が目の不自由な方の目となって障害物や曲がり角の存在を知らせるように、介助犬は肢体不自由者の手足となり、日常生活における動作の補助をします。

たとえば、落としたものを拾ったり、ドアの開閉をしたり、衣服の着脱を助けたり。
 
そんな介助犬のデモンストレーションが熊本県庁でありましたので、早速行ってきました。

今回はわざわざ横浜から来て下さいました。ユーザーの川津さんとシェリーちゃん。
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説明のあとは、実演です。落としたキーを拾ってくれたり、上着を脱ぐのを手伝ってくれたり。
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なかでもびっくりしたのは、隠した携帯を自分で探して持ってきてくれる事!車いすから落ちたり、助けが必要な時、携帯は命綱になることもありますので、とても心強いですね。

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今回のお話の中で、特に印象深かったのは介助犬の存在で、身体的な負担の軽減はもちろんですが、精神的な変化も大きかったということ。
一人で行動する事の不安が減ったり、介助犬がいることで人との関わりが増えて社会性が増したり。ユーザーさんの人生に大きな変化をもたらす効果があるということですね。
また、人にお願いして手伝ってもらうことと違って、介助犬にサポートしてもらったことは「自分でできたこと」として感じることが出来るというお話も印象的でした。実はこの感じはとても大切なことなんですよね。
 
現在、全国で活躍している介助犬の数は50頭弱。まだまだ全然足りてません。川津さんと同じような喜びを、もっと多くのみなさんに感じてほしいと思います。
残念な事に九州にはまだ1頭も介助犬がいません。僕たちも微力ではありますが紹介や啓発のお手伝いをしていきたいと思っています。
犬にできないことは自分が手伝って、自分に出来ない事を犬に手伝ってもらって。「お互いに補い合う関係」だ、という川津さんの言葉は、障害を持つ多くの方々にとって、希望につながる素晴らしいキーワードだと思います。
 
興味のある方は、下記のホームページを参照してください。
http://www.s-dog.jp/ 社会福祉法人 日本介助犬協会


さて、県庁のイチョウ並木もそろそろおしまい。秋の彩りから冬支度と季節は移りつつありますね。みなさんも秋のなごりを惜しんで外に出てみませんか?
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スパタラソ天草 タラソテラピー体験!

2009-11-12 10:56:02 | 天草
こんにちは
今回は、タラソテラピーの体験をしてきましたので、ご紹介します。
以前ご紹介した、スパタラソ天草にある施設で、健康増進を目的とした海洋療法が体験できる国内でも数少ない施設です。

足腰などの痛みに対するリハビリにもなりますし、なにより不感温度といわれる「熱くもぬるくもない」海水の中で、ゆったり体を動かすだけでもリラックスできます。

普段車いすを使っている人でも、暖かな海水の中で負担を少なくしながら運動できますよ。
今回は、代表の永野もいっしょにスタッフ4人全員で伺いました。

館内はすべてバリアフリーです。車いすで移動に困る事はありません。多目的トイレは1階になりますので、事前に準備を済ませておきましょう。
エレベーターで2階に上がって、受付をします。専用ロッカーのカギを受け取ったら更衣室へ。
水着を持っている人は運動しやすいものを準備しましょう。持っていなくても、レンタルできますので大丈夫です。バスタオルはレンタルもありますが、多めに持参した方がいいでしょう。車いすユーザーは、車いすに敷く分と、体に使う分と2枚は必要です。基本的にプールに行く準備をする、ということですね。
ロッカールームからプールへ向かいます。ここもゆるやかなスロープです。
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早速中へ入ります。施設内には目的別に13の設備が一つのコースとしてプールになっています。なんだかジャングルジムみたいでワクワクしますね。
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プールの入口は手すり付きのゆるやかなスロープです。
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水面近くまで来たところで、車いすから降りて、専用のボードを使います。このボードを・・・・

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こんな風に体に巻きつけるようにすると、下肢が不自由な人も施設を楽しめます。
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水に入ると、本当にちょうどいい温度です。海水のせいか、体がとても軽くなりますので、両膝が悪い僕でも静かに立っていられます。
コースは1番から順に13番までありますので、一つ一つ、効果を感じながら体験していきました。足首からふくらはぎ、太もも、腰、背中と順番にジェットでほぐしたり、背中や首を刺激したりしながら、わずかに流れに逆らいながら回ります。普段足を動かす事のない永野代表も、この日ばかりは、海水にふんわり浮かびながら、出来る範囲で関節を動かして気持よさそうでした。

コースの内容は以下の通りです。1番のところが写真のスロープがあるところです。11、12、13を利用するには階段を数段登る必要がありますが、水面から水面への移動ですので、座位が安定している人なら座った状態で移動していく事も可能です。今回、永野代表も一人のお手伝いで移動する事が出来ました。
13へは水路で繋がっていて、露天のバブルバスを楽しみました。ここは眺めも素晴らしく、おススメですよ。
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ついつい夢中になって楽しんでしまいますが、実は結構な運動量ですので、45分に一度は水分の補給などの休憩をはさむようにしてください。施設には無料で水分補給ができるよう準備もしてありますので、安心です。

さて、僕らは一通りコースを楽しんだり、水泳用のプールで運動したりして楽しんでいましたが、あっという間に2時間近く経ってしまいました。気がつけばお腹もぺこぺこです。

プールから上がって、1階に降りるとおいしい食事処がありますので、みんなでいただきました。窓一面に海が広がるオーシャンビューです。
車いすでも何の問題もなく食事を楽しむ事が出来ますので、仲間や家族といっしょに安心して利用できますよ。
 
女性陣はさらに、アロママッサージを体験してきました。
ここからは大川さんの情報。最初にカルテを作ります。体の状態を簡単に問診。その後、3種類のアロマオイルの中から好きな香りを選んで、お部屋に入ります。
専用のベットに乗りますが、永野代表の車いすからの移乗も少しのお手伝いで出来たそうです。あとは夢心地の時間を過ごすだけ。女性の車いすユーザーのみなさん、いかがですか?

午前10時ごろ、スパタラソ天草に入りましたが、気がつけば3時。一日ゆっくり楽しみました。
レジャー施設ではないので、利用している皆さんもそれぞれ健康増進のために目的を持って来訪されています。だからでしょうか、スタッフの皆さんも利用者のみなさんもとてもやさしく、親切に接して下さいます。車いすユーザーも、なにも抵抗なく利用できる雰囲気があって、リラックスして楽しめました。
 
あまりハードな運動をした覚えはないのですが、プールから上がると体がポカポカ。しばらくは汗が止まりませんでした。スポーツをした後のような、心地よい疲労感が体を包みます。
体に無理な負担を強いずに、ゆったりと楽しみながら健康増進を図ることができる、素晴らしい施設です。まだまだ認知度が低いようですが、体の状態に合わせた楽しみ方ができそうです。スポーツの秋。天候を気にせず、運動を楽しんでみてはいかがですか?

<お問い合わせ>
 
上天草市交流センター「スパ・タラソ天草」
〒869-3602 熊本県上天草市大矢野町上732番地14
[TEL] 0964-56-1126
営業時間
温泉:10:00~22:00 (受付21:30まで) プール:10:00~22:00 (受付21:00まで)
休館日は、毎月第2・第4火曜日です。(祝日の場合は、営業します)
 
 

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神戸 ユニバーサルツーリズムの取り組み

2009-11-09 11:05:27 | うんちく・小ネタ
こんにちは

11月5日、神戸で行われた「第1回 ユニバーサルツーリズム推進地域間連絡協議会」に参加してきました。
この会議は簡単にいえば、全国で活動している、私たちと同じユニバーサルツーリズムの取り組みをされている団体が、お互いに協力し合って、障害を持つ人や、サポートを必要とする人達の旅行の手助けをしていこうという枠組み作りです。
 
熊本からは僕たちUDくまもとが参加したのですが、とても有意義な、モチベーションの上がる会議でした。
 
神戸の須磨で会議は行われたのですが、まずびっくりしたのが交通手段の便利さです。
会議へは僕(矢ヶ部)と事務局長北山さんの二人で参加しました。熊本から飛行機で伊丹空港へ。そこからモノレールと電車を乗り継いで、公共の交通機関のみで現地のホテルまで行きました。
とにかく、乗り継いでも乗り継いでも、車いすでの移動の困らないよう配慮がされていました。すべての駅にはエレベーターが設置してあり、もちろん多目的トイレがあり、自動改札には点字ブロックと車いす用の幅の広い改札口があり、介助者が1名いれば、なんの問題もなく広範囲を移動できます。

残念ですが、熊本では考えられない交通機関の整備状況です。もちろん人口の違いや都市の規模の差がありますが、こういうやさしい街を目指したいものです。


会議直前。めずらしく仕事をしているように見えますね。
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さて、肝心の会議は僕らにとっても参考になることばかり。みんなの熱い思いが胸に響きました。
ハンディがあってもなくても、旅行を安全に安心して楽しめる環境を作っていく。そのために、全国の団体がゆるやかに連携していく。
様々な団体の方々が、それぞれ工夫をこらして運営をされていて、僕たちにとっても、素晴らしく有意義な会議でした。
僕たちは熊本県の仕事をしているので、ついつい県内での移動を主眼に置きがちですが、県外からの受け入れについて、来年度はもっと力を入れていかなければと、強く感じました。課題も多いですが、やりがいのある目標を得ることが出来ました。
 
ここからはおまけですが、僕たちが宿泊したのはシーパル須磨という国民宿舎です。バリアフリールームを利用したのですが、随所に配慮が感じられて、とても楽に過ごす事が出来ました。特筆はバスルーム。

広い脱衣所とトイレがあって・・・・

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浴室の外で車いすから移乗できるように床が上げてあります。
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気持のいい木製の床と浴槽の縁の高さをそろえてありますので、座ったまま利用できますし、介助の必要な方にとっても楽な姿勢で利用できそうです。
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夜は美しい夜景が窓から望める素晴らしい浴室でした。みなさんも神戸にお泊りの時は是非利用されてみてください。

この国民宿舎は海浜公園に面していますので目の前はビーチです。
と、いうことで、こんな素敵な物も準備されていました。
 
なんと砂浜用の車いすです。これでビーチを移動して海水浴を楽しむ事が出来るんですよ!

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熊本にも1台でいいから欲しいですね。県内には比較的施設の整ったビーチもありますので、これさえあればもっと楽しめます。
見た感じではそれほど高価なものにも見えませんでしたので、なんとか手に入れたいなあ、と二人で指をくわえてひとしきり眺めていました。
 
今回の出張では、交通インフラの重要性や今後の課題など、多くの事を学ぶ事が出来ました。モチベーションもぐっと上がってますますやる気が出てきました。
これからも、僕らが作る旅行ガイドを手にした人の笑顔を目標に、元気いっぱいがんばります!

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五家荘 紅葉

2009-11-04 11:23:08 | 八代
こんにちは

今回は、楽しみにしていた五家荘の紅葉をご紹介します。
最近「なごみ紀行」の調査業務で取材がご無沙汰でしたが、五家荘の紅葉はタイミングを待って残していたんです。
おかげで期待通りの素晴らしい景色を楽しむ事が出来ました。

市内方面から五家荘へ向かうときは、トイレの準備に気をつける必要がありますので、そこだけは注意して下さい。高速道路を使って御船インターまで行くとするなら緑川のPAを使うといいでしょう。一般道路を使うと「公共」のトイレは目的地までほとんどありませんので注意が必要です。
市内から目的地まで、2時間強はかかります。ご自身の体調に合わせて準備して下さい。

さて、僕たちは御船から美里町砥用を経由して五家荘へ入りました。途中からはいい感じの紅葉がちらほら・・・・
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紅葉狩りも楽しみながらの道中になりました。

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二本杉峠の展望台を過ぎると急に開けてお店がありました。シーズンという事もあり、結構なにぎわいです。店先にはいい匂いが漂っていて、例によって引き寄せられる人が・・・・

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地鶏の炭火焼やさまざまな田楽など体が温まりそうなメニューが店先に並んでいます。この日はとにかく寒かったので、田楽を二品。豆腐とこんにゃく。つける味噌も味が数種類ありますが、今回はお店のおススメの組み合わせでゆず味噌とピリ辛の味噌。注文してから揚げ直してくれるので、アツアツで頂きました。
 
写真を撮ろうと思ったらすでに大川さんがかじっていたという悲劇の写真がこちら
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さて、一行はさらに進んで五家荘へ。梅の木轟公園吊り橋に到着しました。今回の一番のおススメポイントです。駐車場に車を置くと、売店の横から吊り橋へ進めます。
通路幅がちょっと狭い場所がありますので、念のため。一番狭い場所で72cmです。段差を落ちないように慎重に。
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通路を過ぎると吊り橋の入口です。車止めのポールがありますが、ここがもっとも幅が狭い場所です。僕の車いすは一般的な自走車いすのサイズですが、写真の通り、ギリギリです。幅が60cmですので、ここが一番の難所でしょう。

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ここを過ぎれば、あとは快適。素晴らしい景色を楽しむことができます。ご覧の通り、幅もゆったり。コンクリート製なので、思ったほど揺れませんよ。怖がらずに渡れます。

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ここからの景色はまるで絵ハガキです。緑、黄色、オレンジ、深紅と多様な色合いが不規則に並んでいるにもかかわらず、「美しい」と感じるのは、人間も自然の一部だからでしょうか。ただ、ため息だけが漏れるのです。

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深い渓谷に美しい橋がかかっています。遠くから見ても紅葉との調和を感じる事が出来ます。
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僕らも橋の真ん中へ。かなりの高さがありますが、その分景色の素晴らしさも増していきます。路面はコンクリートなので、ガタつきや、不安を感じることはありません。

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今回のベストショットがこれ。本当にパンフレットのような景色です。

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下を見下ろすと、深紅に色付く森の上に僕らの影が映ります。贅沢な時間をため息と感嘆の声で過ごしました。
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吊り橋横の売店では、お昼を頂く事も出来ます。車いすでの利用も問題なく、お店の方も親切に対応して下さいます。メニューのシカ肉カレーが気になって仕方なかったのですが、時間の都合で移動しました。残念・・・・

ところで、ここまで長い道のりですが、周辺のトイレとしてはここからもう少し進んだところにある「平家の里」の第2駐車場に車いす用トイレが設置されています。アコーディオンドアの比較的古いタイプのトイレですが、付近には他に車いすに対応するトイレはありませんので助かりますね。
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平家の里は、この時期素晴らしい紅葉を間近で楽しめるスポットです。ここで隠れて暮らした方々の暮らしを思うと、紅葉が美しいがゆえに胸に迫るものがあります。

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実際の家を移築してあるので、暮らしぶりが伝わってきて何とも言えな風情です。茅葺の屋根と紅葉は、どうしてこうも調和するんでしょう。日本人の原風景なんでしょうね。切なく感じるのはなぜでしょう・・・・・あ、歳のせいですかね。

こちらは資料館。ここを先に見ておくと景色が違って見えてきます。
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この平家の里に関しては、傾斜が厳しいことや落ち葉による滑りやすさもありますから、車いすユーザーや歩行に不安がある方についてはおススメできませんが、それ以外の方については是非足を運んでもらいたい場所です。
五家荘は神秘的というには、あまりに切ない歴史を持つ、特別な場所です。自分の郷土にこんな場所がある、ということを知っておくのは大切なことだと感じました。

途中の道のりは大変険しく、離合の難しい狭さの道路を通ります。二本杉の茶店など、休憩をはさみながらゆったりとした気分で出かけて下さい。

紅葉の時期を地元ホームページなどをチェックしながら、寒さ対策を万全にして楽しんでくださいね。
季節を楽しむ、という言葉がぴったりな五家荘でした。


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