浜岡を止めるだけで各界から批判を受けた菅政権。
御前崎市長は交付金が止まらないと聞いて
「菅首相の苦悩の選択を支持する」だと。
原子力利権に埋没する日本。
バラまきの原資は独占企業が我々から徴収する電気代だ。
その電気代も原発を停廃止すると大幅に上がると脅される。
本当か。
電気事業連合会発表の発電コスト
1KW当たり原子力5・3円、火力6・2円、水力11・9円。
これに対して国民負担の実績8有価証券報告書)に基づいた計算(立命館大の大島堅一教授)では
火力9・8円、原子力8・64円、水力7・08円。
さらに税金負担分を加えると、
原子力10・68円、 火力9・9円、水力7・26円。
税金とは電源開発促進税。
1KWにつき37・5銭。
出処は電気代。一般家庭で毎月約108円が上乗せ徴収されている。
使い道は「青森・六ヶ所村の文化交流プラザ」の交付金として32億。
「福井・敦賀市のきらめき温泉リラポート」の24億等々。
地元対策費だ。
この外に電事連や電力各社による広告費。
年間5000億ともいわれるが、この多くが原発推進のメディア対策費用だろう。
東大に5億円みたいな推進学者育成費。
これには今回の事故による損害額は入っていない。
廃炉のコストや汚染水の浄化費用。
一説によるとアレバはトン当たり2億円を要求しているとか。
これだけで何十兆か。
そして補償費用。
使用済み核燃料、下水の汚泥、海洋汚染という後世へのプレゼントもコストに算入されるべきだ。
つまり「原発は安い」は粉飾。
「自然再生エネルギーは採算に合わない」はデマということだ。
福井島事故で画期的な変り身を見せたのがドイツ。
ドイツは地震も無いのに即刻旧式原発17基をすべて停止した。
このメルケルの判断と今後の脱原発政策を金属労組が正式に支持表明。
東電労組出身の元連合会長が影響力を行使する日本の民主党とは大分違うな。
メルケルは福島以降、ドイツにはもう核エネルギーのオプションにはなりえない、
と再生可能エネルギーへの転換を表明した。
2050年までに電力需要の80%を太陽熱、オフショア風力などの再生可能エネルギーで
賄うという野心的な計画だ(現在既に17%、これに対し水力を除くと日本は1%だったか)。
保守的で産業界の支持をバックとするキリスト教民主同盟だから驚きだ。
もともと原発に対しては寛容でチェルノブイリはソ連という非効率な社会だからこそ
起きたと主張していたメルケルさん。
東独出身の理科系だ。
社会主義国の非効率性、閉鎖性を熟知している。
しかし、今回日本のような近代国家でも起きた大事故が西ドイツで起きない保証はないと考えた。
シーメンやBOSCHなどが積極的に再生可能エネルギー技術に取り組んでシェアと雇用を
生み出している背景もある。
政府が積極支援、国民も電気代増の負担を求めこの分野で世界をリードしようという発想だ。
国民は負担を受け入れるか。
環境相は「石油や石炭は皆んなが消費すると値段が上がる。でも自然再生エネルギーは使うほどコストが下がりますよ」
となかなかうまいことを言う。
「エネルギー資源の輸入先にお金を払うより自国の技術者等にお金を使おう」。
送配電網整備には多額の資金がかかる。
アスパラガスのような風力タービンが外観を損なうと反対する人も多い。
しかし様々な困難があるとしても英断だ、と評価する声が内外から上がっている。
ベルリンの日本大使館からも「事故が起こっていないドイツが大胆な政策に踏み込んでいる時に、
日本の政権は原発推進維持。それってどうよ」。
Germany’s Unlikely Champion
Of a Radical Green Energy Path