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ぶどう

2021年09月25日 10時45分43秒 | Weblog
「葡萄うるはし まだ一粒を 損なはず」
と言う高浜虚子の俳句の通り、
つやつやと輝く宝石のように麗しいぶどう。
そのまま食べても、
ワインやドライフルーツなどに加工してもおいしい、
秋を代表する果物です。

甘くて栄養たっぷりのぶどうは、
古くから健康と豊穣のシンボルとして大切にされてきました。
ぶどうの原種は、
人類が登場する遥か以前から地上に繁茂していたそうです。
このぶどうの実が地面に落ちてつぶれ、
天然の酵母によって発酵する、
という偶然から生まれたとされるお酒こそ、
今も世界中で愛されているワインです。

特にヨーロッパでは、ワインは食事に欠かせないもの。
現在、地球上で栽培されているぶどうは約一万品種以上に上りますが、
その約8割はワインの原料になると言うのですから驚きです。

19世紀のイギリスで活躍し、
「モダンデザインの父」と呼ばれたデザイナーで詩人のウィリアム・モリスは、
壁紙のモチーフなどにぶどうを多用しました。
現在も人気の「ヴァイン(ぶどう)」という呼び名のデザインは、
モリスが壁紙用に制作した作品。
風に揺れるぶどうの房に蔓を絡めて、
渦巻く流れのような更紗模様に仕立てています。

モリスはデザイン理論にまつわる著作で、
「繰り返しを数えないように構造を隠し、
その一方でパターンを辿りたくなるような好奇心をそそる」
必要を述べています。
ぶどうの実と蔓が織り成す造形の美しさは、
モリスに多くのインスピレーションを与えたようです。

ぶどうの皮には、
よく見ると白い粉がついていることがあります。
あの白い粉は汚れや薬品などではなく、
「ブルーム(果粉)」と言う、
ぶどう果実の表面から分泌される天然の蝋物質。
ワックスのような働きをして、
雨露など果実表面に着く水を弾き、
ぶどうが病気になるのを防ぎながら、
果実内部から水分が蒸発してしまわないように守っています。
ブルームは、
新鮮でおいしいぶどうである、と言う証でもあります。

畑のミルクとも呼ばれるほど、栄養価が高いぶどう。
その名の通り、ブドウ糖がたくさん含まれています。
体内で素早くエネルギーに変わるので、
疲労回復のおやつにぴったりです。
脳の働きをサポートするエネルギー源としても優秀です。

そして、
ぶどうの皮や種はポリフェノールの宝庫。
アントシアニンやタンニンなど、
美容や健康に役立つ貴重な栄養素が含まれています。
最近は皮ごと食べられる品種が増えていますが、
ぶどうの皮も種も丸ごといただくのは、
実は理にかなった食べ方なのです。

フレッシュな実をそのまま食べるのはもちろん、
サラダの具材として他の野菜や果物と組み合わせるのも良いですね。
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