適当に快適

の~~んびり、充実した日々を過ごしたいなぁ。

先人たちの「涼み」の知恵

2022年07月28日 23時01分29秒 | Weblog
今、朝顔を育てています。
小学校以来のことですが、
記憶では種を植えたらあとは水やりだけ!
だったと思っていたところ、
調べてみると
「種を削って芽を出やすくする」
「種まき前に一晩水につける」
「本葉が生えてきたら間引く」
「本葉が5〜6枚になってきたら摘心する」などなど、
大きな花を咲かせるには手がかかるものだと改めて気づきました。
今は朝の涼しい時間帯に水やりをして、
しばし眺めるのが日課になって心落ちつくひとときです。


全国的に平年より厳しい暑さになるという令和4年の夏。
暑さのピークは7月後半と8月後半にくる予報だそうです。
今でこそ電力のおかげで室内では快適に過ごすことができますが、
昔の人はどのように暑さをしのいでいたのでしょうか?
先人たちの知恵は、
現代を生きる私たちにも涼をもたらしてくれます。
いくつかご紹介しましょう。

打ち水
打ち水は道や庭先などに水をまいて涼を得る方法で、
安土桃山時代に成立した“茶の湯”では、
礼儀作法のひとつとして行われていたそうです。
気化熱の働きで周囲がすっと涼しくなり、
見た目も涼やかになります。
もちろん道は舗装されていませんから、
舞う土ぼこりを抑える目的もありました。
打ち水のポイントは「朝の早い時間や日陰で行なう」ことです。
日光で熱くなったアスファルトに打ち水をすると、
水がすぐに蒸発して蒸し暑くなるのでご注意を。

すだれ・よしず
すだれは細く割った竹、
よしずは葦(あし)で造られた天然素材のカーテンのようなもの。
すだれは上から垂らし、
よしずは立てかけて使います。
日差しの当たる窓の外に取り付けると直射日光を防ぎ、
室内の温度上昇を抑えてエアコンのきき目を高める効果が期待できます。
なお、歴史としてはすだれの方が長く、
万葉集に収録された和歌に登場します。

風鈴
風に揺れる風鈴は夏の風物詩。
涼やかな音色が涼を感じさせてくれます。
ガラス製の風鈴が作られるようになったのは江戸時代に入ってからのこと。
当時は季節を問わず軒先につるしていました。
風鈴の起源は仏教とともに古代中国から渡ってきた風鐸(ふうたく)です。
風鐸は青銅製で、風に揺れてカランカランと響く音が魔よけになると伝えられており、
現在も寺院建築の四隅にみることができます。
涼やかさ+疫病退散の願いを込めて、
今年はひとつ風鈴をつるしてみては?

川床(かわどこ)
川床とは、京都の川沿いの料理店が“納涼”のために河原に張り出して設けた桟敷のことです。
単に「ゆか」とも呼ばれます。
歴史は意外にも古く、
安土桃山時代にはすでに存在していたそうです。
特に有名なのは鴨川納涼床、
貴船の川床、
高雄の川床で、
コロナ禍でなければこの時期は多くの観光客が訪れます。
少し前までは、
京料理を味わう敷居の高い場所でしたが、
最近はレストランやカフェもあり、
手ごろな料金で川床体験ができます。

ひやしあめ
関東ではあまり馴染みのない「ひやしあめ(冷やし飴)」。
琥珀色をした飲み物で、
関西では夏の滋養飲料の定番です。
私も旅先の自販機で見るまで知りませんでした。
麦芽や米を原料とした水あめをお湯で溶き、
生姜のしぼり汁をたっぷりと入れて、
氷で冷やせばできあがり。
製氷技術がない頃は「あめゆ」として親しまれ、
その昔は心斎橋に屋台が並んだのだとか。
先日、京都の神護寺を参拝したおり、
境内の茶屋でいただきました。
歩き疲れた体に、すっきりした甘さと、
生姜のほどよい刺激が体に沁みわたりました。

甘酒
甘酒の起源は今回登場するなかで最も古く、
古墳時代まで遡るそうです。
現在の甘酒はというと、
「米麹」と「酒粕」の2種類があります。
米麹の甘酒は水分・塩分・糖分のバランスがよく、
近年熱中症の予防効果が注目されて「飲む点滴」と呼ばれています。
材料は米麹と水のみ。
米の優しい甘みが特徴で、
飲みやすくクセがありません。
私の実家では、甘酒といえば酒粕でした。
深いコクのある酒粕の甘酒は、
市販の酒粕をちぎって沸騰したお湯に入れ、
酒粕が溶けたら砂糖を加えてできあがり。
アルコール成分を含むため、
お酒が苦手な方は加熱時間を長くして成分を飛ばすと安心です。
こちらは肌のキメを整える効果あるとかで、
「飲む美容液」と呼ばれています。
氷でキリッと冷やした甘酒、
飲みたくなりました。


いかがでしたか?
今の日本の暑さではエアコンが必要不可欠。
でも昔は五感で味わう、
風情ある涼がありました。
これから暑さ本番。
熱中症警戒アラートが出ている日は、
くれぐれも無理な外出をならさず、
室内で涼しくお過ごしください。
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