今回は遺伝子のお話です。
新型コロナウィルス感染症のワクチン接種のために開発されたmRNAワクチンは、遺伝子を用いた新しい仕組みのワクチンとしても話題になりましたね。
そもそも遺伝子とはなんでしょう。
私たち人間を含むすべての生物は、体内にその生物を形作るための「設計図」のようなものを持っています。
その設計図に相当するものが遺伝子です。
遺伝子の正体は、DNAと言う化学物質であり、
A(アデニン)、T (チミン)、G(グアニン)、C(シトシン)と呼ばれる4種類のパーツ(塩基)が連なった二重螺旋構造になっています。
螺旋階段のようなDNAの模式図を、一度は目にしたことがある方も多いのではないでしょうか。
二重螺旋上の塩基の並び方(塩基配列)が遺伝情報であり、その一つ一つの単位が遺伝子です。
人の遺伝子は2万個以上もあると言われています。
塩基配列は、人同士ではなんと99.9%が同じ。
わずか0.1%の差異が私たち一人ひとりの違いを生むのです
このDNA差異から体質などの遺伝的傾向を解析するのが「遺伝子検査」です。
遺伝子研究は、主にマウスやゼブラフィッシュといった「モデル生物」を用いて行われ、未知の遺伝子を発見した研究者は、自分で名付けることができるそうです。
中にはユニークな名前の遺伝子もあります。
例えば、
精子と卵子を結びつける働きがある遺伝子「Izumo」は、
縁結びのご利益で知られる出雲大社にちなんで命名されました。
その他、
人気キャラクターのピカチュウからヒントを得た電気信号型遺伝子「Pikachurin(ピカチュリン)」や、
「macho-1(マッチョ)」「atsugari(暑がり)」「bonsai(盆栽)」「shugoshin(守護神)」等々。
難しそうな遺伝子研究の世界が、なんだかちょっぴり身近に感じられますね。
遺伝子と言う概念を初めて示したのは、
オーストリアの植物学者グレゴール・ヨハン・メンデルです。
エンドウマメの研究を通して、遺伝学の基礎となる「メンデルの法則」発表したのは、1865年のこと。
それから遺伝子についての研究が進み、
遺伝子に関する技術・情報は、医療や農業など様々な分野で応用されています。
そして現在は美容分野でも、肌について遺伝子レベルで考察されるようになりました。
特に注目されているのが、2017年のノーベル賞で話題となった、体内時計を司る「時計遺伝子」です。
昼夜で発現量が変化する時計遺伝子「PERIOD1(ピリオドワン)」「BMAL1(ビーマルワン)」。
発現リズムの関係性、酸化ストレスの影響についてなど検証をしています。
そのほか、
200以上もの美肌関連遺伝子を活性化させるタンパク質、nrf2(ナーフツー)に着目したりして開発をしています。
美容業界における遺伝子の技術・情報の活用にはまだまだ可能性が広がっているようです。
活発に勧められている研究の結実を、これからも楽しみにして参りましょうね。
新型コロナウィルス感染症のワクチン接種のために開発されたmRNAワクチンは、遺伝子を用いた新しい仕組みのワクチンとしても話題になりましたね。
そもそも遺伝子とはなんでしょう。
私たち人間を含むすべての生物は、体内にその生物を形作るための「設計図」のようなものを持っています。
その設計図に相当するものが遺伝子です。
遺伝子の正体は、DNAと言う化学物質であり、
A(アデニン)、T (チミン)、G(グアニン)、C(シトシン)と呼ばれる4種類のパーツ(塩基)が連なった二重螺旋構造になっています。
螺旋階段のようなDNAの模式図を、一度は目にしたことがある方も多いのではないでしょうか。
二重螺旋上の塩基の並び方(塩基配列)が遺伝情報であり、その一つ一つの単位が遺伝子です。
人の遺伝子は2万個以上もあると言われています。
塩基配列は、人同士ではなんと99.9%が同じ。
わずか0.1%の差異が私たち一人ひとりの違いを生むのです
このDNA差異から体質などの遺伝的傾向を解析するのが「遺伝子検査」です。
遺伝子研究は、主にマウスやゼブラフィッシュといった「モデル生物」を用いて行われ、未知の遺伝子を発見した研究者は、自分で名付けることができるそうです。
中にはユニークな名前の遺伝子もあります。
例えば、
精子と卵子を結びつける働きがある遺伝子「Izumo」は、
縁結びのご利益で知られる出雲大社にちなんで命名されました。
その他、
人気キャラクターのピカチュウからヒントを得た電気信号型遺伝子「Pikachurin(ピカチュリン)」や、
「macho-1(マッチョ)」「atsugari(暑がり)」「bonsai(盆栽)」「shugoshin(守護神)」等々。
難しそうな遺伝子研究の世界が、なんだかちょっぴり身近に感じられますね。
遺伝子と言う概念を初めて示したのは、
オーストリアの植物学者グレゴール・ヨハン・メンデルです。
エンドウマメの研究を通して、遺伝学の基礎となる「メンデルの法則」発表したのは、1865年のこと。
それから遺伝子についての研究が進み、
遺伝子に関する技術・情報は、医療や農業など様々な分野で応用されています。
そして現在は美容分野でも、肌について遺伝子レベルで考察されるようになりました。
特に注目されているのが、2017年のノーベル賞で話題となった、体内時計を司る「時計遺伝子」です。
昼夜で発現量が変化する時計遺伝子「PERIOD1(ピリオドワン)」「BMAL1(ビーマルワン)」。
発現リズムの関係性、酸化ストレスの影響についてなど検証をしています。
そのほか、
200以上もの美肌関連遺伝子を活性化させるタンパク質、nrf2(ナーフツー)に着目したりして開発をしています。
美容業界における遺伝子の技術・情報の活用にはまだまだ可能性が広がっているようです。
活発に勧められている研究の結実を、これからも楽しみにして参りましょうね。