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月あかりの予感

藤子不二雄、ミュージカル、平原綾香・・・好きなこと、好きなものを気の向くままに綴ります

作画が「混ざる」現象について

2006年09月17日 19時06分38秒 | 藤子不二雄
まあ「現象」ってほどでもないんですけど(笑)。「チンプイ作画研究 (2)」で、生野さんのことを書いていて思い出したことを少し・・・

2005年 4月より「ドラえもん」が全面リニューアルされ、キャスト一新のみならず、スタッフも全面交代になりました。それまで26年間描き続けられていたアニメ「ドラえもん」=「大山ドラ」のキャラクターデザイン(※)は全て破棄され、渡辺歩さんデザインによる新しいデザインの「ドラえもん」=「わさドラ」が始まったのです。

(※)もちろん、26年間の間には何度もマイナーチェンジされています。同じ大山ドラでも、初期、中期、末期で、それぞれデザインはかなり異なっています。ただし、初期の作画不安定期は別として、中期以降は、基本的なラインは最後まで統一されていました。しずかちゃんを中心にデザイン無視の作画を行ったのは、渡辺歩さんなど一部の方だけです(^^);

さて、その後それまでの「ドラえもん」の作画の中心であった富永貞義さん、中村英一さんが、「わさドラ」#8 で作画監督として復帰したのですが、以前の「ドラえもん」と作画が「混ざっている」現象が見られました。つまり、「わさドラ」のはずなのに、キャラクターの絵柄が「大山ドラ」風になっていたわけです。

これについては否定的な意見をあちこちで見ました。この際お二人に(ドラえもんの作画監督の)「退任」を、という声さえ聞いたのですが、こればかりは仕方ないなぁと思ったものです。いや、「退任」がじゃなくて「絵が混ざる」ことが、ですよ。そりゃもちろん混ざっちゃいけないんですよ(^^); だけど、お二人のこれまでの仕事を考えたら、仕方ないんじゃないかな、そこを責めるのは酷なんじゃないかなと・・・

だって、お二人とも26年間、それぞれご自身が中心になってキャラクターを作り、ご自身のデザインによる「ドラえもん」を描き続けてきたわけですよ。他のアニメならともかく、わずか数ヶ月程度の間隔しかない状態で、それまでと全く同じキャラクターを別の絵で描くのですから、最初のうちは慣れないのは、いくらプロと言っても当然のことだと思います。キャラの絵柄が全く違う、しずかちゃん、ジャイアンなどは、別に混ざってはいなかったんですよね。ちゃんと新デザインで作画されていました。でもドラえもんは、あのシンプルなデザインのキャラであるが故だと思いますが、やはり結構混ざってしまっていました。

それでも、何も大山ドラ時代のまんまの絵を描こうとしていたわけではないわけですし、どうにか「わさドラ」のデザインに合わせて描こうという努力は垣間見えます。この程度の「混ざり」は、26年間ずっと担当されていたという重みを考えると、これくらいは仕方ないというより、当然のことのような気がしました。むしろ責めるとすれば、これまで長期間担当されていたお二人に、こんな短期間で新デザインで描かせようとした制作側なのではないかと・・・

もっともお二人とも、相当に年季の入ったプロ中のプロですから・・・今では作画が混ざったりすることなどなく、しっかり「わさドラ」を描いておられます。もちろん、それぞれの個性は出ていますけど、少なくとも大山ドラになったりはしていません。そのあたりは、やっぱりさすがプロだなぁと思わされます。今となっては、26年間もの間、アニメ「ドラえもん」を支えてきてくれた有能なアニメーターが、お二人とも新たな「ドラえもん」のスタッフに残留してくれたこと自体に、感謝しているほどです。

それよりも「ココス」のCMが・・・いまだに大山ドラの絵のままっていうことの方がダメなんじゃないかと(^^);


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