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月あかりの予感

藤子不二雄、ミュージカル、平原綾香・・・好きなこと、好きなものを気の向くままに綴ります

私の好きな藤子アニメ (3) エスパー魔美

2006年08月19日 04時32分48秒 | 藤子不二雄
☆「私の好きな藤子アニメ (2) チンプイ」の続きです

さて、私的第2位の藤子アニメ「エスパー魔美」について・・・

この作品、全話レビューをやると宣言しちゃったわけですが、その前に作品
の大まかな概要などを書いておきたいと思いました。

あらすじ

主人公の佐倉魔美は14歳の中学2年生。普段はドジでおっちょこちょいな
普通の女の子ですが、一つだけ違う点・・・彼女はエスパーなのです。

彼女はフランス人の血を引いていて、その見事な赤毛は隔世遺伝。ご先祖は
ヨーロッパの魔女狩りで火あぶりにされたとされており、魔美の超能力もその
遺伝なのでしょうか。

魔美は、自身の超能力が故に、他人が発する「思考波」をキャッチしてしまい、
困ったことが起きている人から、日夜助けを求めるベルが鳴らされます。魔美
は自分の生活の合間に、人助けをしなければならない、大忙しの毎日です。

最初は自分こそがエスパーだと勘違いしていたクラスの秀才・高畑和夫も、今
は魔美の秘密を知る唯一の親友であり、良きアドバイザー。魔美は彼の助けを
借りながら超能力を磨いていくのです。

原作について

「エスパー魔美」は、1977年より小学館の雑誌「マンガくん」で連載されました。
原作は掲載誌の売上低迷による休刊のあおりで、1978年の「サマー・ドッグ」で
一旦終了しますが、後継誌となった「少年ビッグコミック」で不定期連載。1983年
まで続けられ、「パパの絵、最高!!」で事実上の最終回を迎えるのです。

この作品のプロトタイプは、1974年に「少女コミック」に掲載された短編「赤毛の
アン子」(現在は「アン子大いに怒る」と改題され、各種SF短編集などに収録)
だと言われています。フランス人の血を引き赤毛、画家の父親、たまにアン子を
モデルに・・・といった設定は、そのまま「魔美」に受け継がれています。

しかし何と言っても、この作品で有名なのは・・・魔美が父親の絵のヌードモデル
を務めていること
でしょうか(笑)

これは、この作品を知った小3の頃には、さすがに小さすぎて、そこまで意識しては
いなかったんですが、高学年になってからアニメ化される頃までの多感な時期には、
まだ純情だった私をドキドキさせるに充分なファクターでした(^^);

正直にいいますと、放送当時、アニメの方は恥ずかしくて観てません(笑)
後半あたりから少しずつ観るようになって、あとは再放送とかで観ていました。
全話通してみたのは、テレ朝チャンネルの放送が初めてでした(^^);

この設定はアニメ放送当時、小学生だった元妻も、クラスの女子の間で物議を醸し
出したらしく(笑)、「お父さんの前で裸になるなんてありえない」という結論だった
とか(^^); そりゃそうでしょう(笑)

なんでこんな、一見突拍子もない設定になったかというと、確かに対象年齢が高め
の雑誌の連載だし、お色気という要素もあったかもしれませんが、当のF先生が
まんだらけ社長との対談で晩年に語ったところによりますと、「裸の日常化」を
目指したのだそうです。ちょっとその時の対談が載っている「まんだらけ」の本が、
いま手元にないので、またいずれソースを確認の上で書きたいと思います。

※参考資料: NEO UTOPIA 第30号

原作単行本
単行本は、小学館「マンガくんコミックス」「少年ビッグコミックス」
「てんとう虫コミックス」、中央公論社「藤子不二雄ランド」と、
色々なレーベルで発売されていますが、いま普通に新刊書店で
購入出来るのは、小学館コロコロ文庫版のみです。どれを購入
しても、全話収録されています。

藤子・F・不二雄 著
エスパー魔美 (1)
小学館
詳細


アニメについて

「エスパー魔美」のアニメ版は、1987年 4月 7日~1989年10月26日の間、
テレビ朝日系で放送されました。当初は「藤子不二雄ワイド」枠内で放送、
第28話以降、単独枠での放送となりました。全119話+SP1話。のちに
「チンプイ」の本郷監督同様に「クレヨンしんちゃん」で有名になる原恵一氏
のCDデビュー作です。

本作のキャラクターデザインと総作画監督を務めたのが、それまで長い間、
映画ドラえもん、パーマン、オバケのQ太郎などでキャラクターデザイン、
作画監督を務めてこられた富永貞義さん。

「魔美」は、それまでの藤子アニメと異なり、キャラクターの頭身も高く、
主人公が中学生であるなども考慮してか、新たな画風の開発等、たいへん
試行錯誤していた跡が見えます。最初は富永さんを支える作画監督補として
入られた堤 規至さんも、途中から総作画監督としてご活躍されます。その他、
なかじまちゅうじさん、ファンの間で人気の高い高倉佳彦さん、IGタツノコ
(のちのProduction I.G)の創設者のひとり・後藤隆幸さんらが作画監督を
担当しています。

「魔美」は作画レベルが非常に安定しており(ごく一部を除く・笑)、大変質の
高いアニメであると、藤子ファンの間での評価も高いです。

演出は、「ドラえもん」などを手がけている、パクキョンスンさん、塚田庄英さん、
「プロゴルファー猿」などの須永 司さん(初期のみ)、後に「チンプイ」などでも
活躍する本郷みつるさん、高柳哲司さん、貞光紳也さんらが担当しています。

脚本は富田祐弘さん、もとひら了さんのお二人が序盤から終盤までメインで
担当、シリーズ構成を務めていた桶谷 顕さんが途中から脚本でも参加し、
最終話も手がけます。「ドラえもん」を担当していた水出弘一さんも途中から
参加されました。最終回間際では、演出の原さん、本郷さん、塚田さんも脚本
を手がけられています。スタッフの皆さんにとっても、大変思い入れの深い
作品であったことが窺えます。

声優さんについては、ドラミちゃんを担当していた横沢啓子さんが魔美役を、
高畑役を柴本広之さん、コンポコ役がキャプテン翼などの小粥よう子さんが
担当しています。

この3人は、揃いも揃って改名されまして(笑)、それぞれ、よこざわけい子さん、
柴本浩行さん、日比野朱里さんとして活躍されています。

ほか、魔美のパパ役にマスオ役でおなじみの増岡弘さん、魔美のママ役を
榊原良子さんが担当しています。

※参考サイト: テレビアニメ放映リスト

アニメ版の感想、印象、特色

つい先程、来るべき怒濤のレビューのために(笑)、既に観た最初の方のお話を
見返しておりましたが、やっぱりこの作品、スタッフの皆様の並々ならぬ研鑽と
努力の跡が垣間見えてきました。

まず1~2話の作画ですが、魔美の顔がその後と違います。厳密にいうと、まず
目の処理が異なっていて、それまでの藤子アニメとも、3話以降の「魔美」とも
異なる形をしています。目だけではなく、ふとした表情など、後の絵柄に慣れて
しまうと、この髪型でなければ「アンタ誰?」と言いたくなるほど(笑)、ちょっと
変わった顔をしているんです。

ちょうど、テレ朝チャンネルのこちらのページにある画像が、ちょうど第2話の
ラスト近くのシーンなのですが、その後の「魔美」と絵柄が若干異なってる
ことが、わかる人はわかると思います(^^);

DVD-BOX付録の「設定集ミニブックレット」より
画像が粗くて申し訳ないけど、鮮明なものを見たい方はDVDを買ってください(笑)


一般的に、それまで、または「魔美」以降の「チンプイ」「21エモン」もそうなん
ですが、藤子アニメの場合、作画を外注に出す場合には、作画監督の作業も、
そちらのスタジオに所属する方が、最初から担当しているケースが多いです。

たとえば「チンプイ」なら、原画がトミプロなら富永さん、じゃんぐるじむなら
高倉さん、亜細亜堂なら生野さん、IGタツノコなら川崎さん、担当の作画監督
がいない場合+シンエイならば堤さん、というように。

しかし「魔美」に関していえば、最初の6話は全て富永さんが作画監督を担当
しています。のちに総作画監督を一緒に務める堤さんの補佐を受けながらとは
いえ、まるで世界名作劇場のような体制です(笑)。

それにまた、本当によく動いてるんです。
高畑家に舞い込んでくる桜の花びら、魔美の肩にとまる蝶々。さらっと流すなら
こんなものまで描かなくたって良いんです。そこをしっかりと描き込んでいる・・・

でも、この時期は、絵柄が富永タッチとも言い切れない、微妙なテイストを醸し
出しています。なんと大ベテランの富永さんが、描きながら迷っているんです。
迷っているというと語弊がありますかね・・・試行錯誤してるんです。

※追記 - 2006年8月25日
 レビューの方でも触れていますが、この辺は私の誤認識の可能性もあります。
 クレジットは確かに富永さんなんですが、3話以降、明らかに富永さんの絵と、
 堤さんの絵が混在しています。また、1~2話の作画は、富永さんの作画かと
 いえば、かなり微妙なタッチです。まだまだ研究の余地がありそうです(^^);

第3話以降で目の処理が、下の部分が切れていないものに変わり、だんだんと
後の作画に近づいていきます。オープニングのアニメは、たぶん第3話の作画
作業よりも後に作られたんじゃないかと思っています。

スタッフには、原 恵一監督や別紙プロデューサーをはじめ、原作のファンだと
公言されている方がたくさんおられます。自分たちの愛している作品を、どんな
風にアニメ化するかということを、本当に真剣に切磋琢磨して築いていかれたん
だなぁと、藤子ファンとして嬉しくなってしまいます。

内容についての感想がないのは、これからレビューで書いていくためです(^^);


アニメ版DVD

このブログでも何度となく紹介していますが、
満を持して、ようやく発売された DVD-BOXです。
これを元にしてレビューを書いてます。
左のイラストは富永さんの描きおろし!
下巻は12月発売予定。

エスパー魔美 DVD-BOX 上巻
ジェネオン エンタテインメント
詳細

サントラCD

「魔美」の音楽は非常に素晴らしいものが多いです。
音楽は田中公平さんが担当。「魔美」の劇伴は、
2/3以上が心情的な音楽になっているそうです。
数年前、サントラの「完全版」が奇跡の発売!!

「エスパー魔美」オリジナル・サウンド・トラック-完全盤-
コロムビアミュージックエンタテインメント
詳細

おまけ

NHKで、こんなドラマも作られたんですけど・・・・
えっと・・・これは・・・えっと(^^);

ノーコメントとさせてください(笑)

エスパー魔美(1)
キングレコード
詳細


久しぶりに、めっちゃ長くなってしまった・・・7000文字を超えました(笑)

なんで好きな藤子アニメ1位の「チンプイ」より長いんだって?(^^);
そりゃ DVD-BOX が出たから火がついたんですよ(笑) 「チンプイ」も出して

さてと・・・もうちょっとしたら怒濤のレビュー、始めます(^^);

この項の次回は「ドラえもん」の予定です。これは・・・大変そうだなぁ(^^);
いつ書くかわかりませんが、気長にお待ちください・・・軽く10000字こえそう(笑)

(つづく)

エスパー魔美11話まで鑑賞

2006年08月18日 07時41分44秒 | 藤子不二雄
やっとDVDの2枚目が、もうすぐ終わるってところです(^^);

観ていたら色々と発見したこともあったり、昔この話の原作が好きだったな
とか、怖かったなとか、なんだか懐かしい気分にもひたれます。

あらかじめ DVD-BOXが出るってわかってたら、テレ朝チャンネルの放送は
観なかったんだけどなぁ(笑)。観てなかったら、ますます楽しめたのに・・・

若手声優時代の山寺宏一さんが、部下A/生徒B/(TVの)ディレクター/男Cと、
これでもかというほどのチョイ役で度々出演してるのも、要チェック(笑)

近日、全話レビュー開始・・・するかも(笑)
既に何本か書いてるんですが、もし続けられそうだったら、開始します(^^);

ネオユー到着

2006年08月15日 21時03分21秒 | 藤子不二雄
事務所から帰って郵便受けを見たら届いてました。
うひゃあ、マニアだねぇ(笑)

ご存じない方のために解説しますと、藤子不二雄ファンクラブの会誌です。
「ネオ・ユートピア」っていいます。ホームページはこちら

入会してから、かれこれ・・・15年近くになるのかな。
ほとんど投稿したこともないんですけど、ずいぶん長い間、読者でいます。

入会して最初に届いたのが、私の大好きな「チンプイ」特集で、大喜びした
のを覚えてるんですが、よりによってその号だけを紛失・・・なんでやねん

藤子A先生のインタビューとかが載ってるもんだから、とてもやめられません。

しかし読む時間がない・・・明日期限の仕事のため、今日も徹夜なのでありました。

映画 怪物くん 怪物ランドへの招待

2006年08月13日 18時55分16秒 | 藤子不二雄
昨日、テレ朝チャンネルで放送されたので、久しぶりに鑑賞・・・

※追記: 下記日時に、テレ朝チャンネルでリピート放送されます。
 DVD化されてない貴重な作品です(昔ビデオは出てましたが)。

 8/20(日) 19:00-20:30
 8/24(木) 24:00-25:30

 もうひとつの映画「デーモンの剣」も、下記日時に放送されます。
 8/20(日) 20:30-21:30
 8/31(木) 16:00-17:00

作品概要

1981年公開(同時上映作品「ドラえもん のび太の宇宙開拓史」)
制作: シンエイ動画/小学館/テレビ朝日
配給: 東宝

映画「ドラえもん」の併映作って、30分程度の短いものが多く、どうしても
「ドラえもん」の「オマケ」的な性格が強いと思っていたのですが、この作品
はたっぷり74分もあり、藤子A先生ご自身が共同脚本も書いていて、映画と
して充分楽しめる作品に仕上がっていました。

監督は福富博さん、作画監督は本多敏行さんと、テレビアニメ「怪物くん」や
映画「のび太の恐竜」を手がけた、後に「あにまる屋」の中核となるコンビです。

さらに設定レイアウトを、後に「のび太の海底鬼岩城」以降、映画「ドラえもん」
の監督を長年務めることになる芝山努さんが担当しています。

あらすじ+雑感

(注) ネタバレが含まれます

この映画は、子どもの頃に劇場で観た記憶があります。
以前、元妻(同い年)と話していた時、彼女もこの作品を劇場で観ていて、
ヒロシくんが石像にされてしまうシーンに衝撃を受けたと言っていましたが、
私も同じシーンが強烈に印象に残っていました。

物語は、怪物大王が病気だから、怪物くんに怪物ランドへ帰ってこいという
手紙が届いたところから始まります。

怪物くんは、怪物大王の病気なんて嘘で、自分に帰ってきて欲しいための
口実だと見抜いた上で、怪物ランドへの帰郷を決めます。

その頃、春休みなのにどこへも連れて行ってもらえないヒロシくんが訪ねて
きます。このうえ怪物くんもいなくなっては、寂しい思いをするだろうという
彼の気持ちを察して、一緒に怪物ランドへ行こうと誘うのです。

怪物ランドには人間を入れてはいけないという掟があって、それを破って
入ってきたヒロシくん(実際には怪物くんが周囲の反対を押し切って強引
に連れてきたんだけど)は、怪物大王に睨まれて、あっという間に石像に
されてしまいます。

なんとか元に戻してあげて欲しいと懇願する怪物くんの願いを、掟は掟だと
はねつける怪物大王に対して、怪物くんはブチ切れます。

もう、親でもなければ子でもないやーい!
やいバカ親父!お前なんかもう勘当だ!!

と、父親である怪物大王に向かって、息子の怪物くんが叫ぶ訳ですよ(笑)
怪物大王、あっけにとられます。

さて、その石像にされたヒロシくんを助けるためには、怪物たちと敵対して
いる「戦怪族」が住む山のてっぺんにある花から「命の水」を取って来なきゃ
ならない、と、このあたりはRPG的な展開が続きます。

途中、氷づけになってしまった怪物くんたちを助けるために、全身氷の
「アイスマン」なる怪物が出てきます。この声を「パーマン」でのサブ
(千葉繁さん)とカバオ(鈴木清信さん)が担当していて、どこの方言だか
わからない怪しい言葉で会話するのが、個人的にはツボでした(笑)

でまあ、ラスボス・ゴーレム(ますますドラクエみたいだ)との対決に勝って、
怪物くんたちは、戦怪族を力で屈服させる・・・いいんかい(^^);;

紆余曲折の末、怪物大王は、自分を勘当だと言い切って、ヒロシくんを
助けるために奮闘した息子の成長に感動して、涙を流します。その涙が
実は「命の水」と同じ成分で・・・まあ、この辺はよくある展開ですが(笑)

元に戻ったヒロシくんと一緒に、怪物くんたちはその夜パーティを開きます。

ドラキュラ、フランケン、オオカミ男たちは、それぞれの息子たちと、
怪子ちゃんも両親と、家族団欒のひとときを過ごしています。もともと
父親である怪物大王と会うためにやって来た怪物くんも、それは同じです。

ヒロシくんはそんな様子を見るうち、いたたまれなくなって、外へ出ます。
彼は幼い頃に両親を亡くしていて、お姉さんと二人暮らしなのです。

席にヒロシくんがいないことに気付いた怪物くんは、外に出てきて、彼に
どうしたんだと訪ねます。

みんな・・・パパがいて良いなあって・・・ふと思っただけ

ヒロシくんは寂しそうに呟きます。
その後、花火が上がり、ややあって、怪物くんは彼の気持ちを察して言います。

ヒロシ、明日帰ろう!

えっ!? ダメだよ怪物くん!久しぶりでやっと帰った来たばかりじゃないか!

いいんだよ。親父にも顔を見せてやったし、怪子ちゃんにも会ったし
 それに・・・ヒロシの姉さんの顔が見たくなったんだ

怪物くん・・・

このシーンがあるから、単なるRPG的にドンパチするだけの映画には
とどまらず、余韻としてジーンと心に残るんです。

テレビシリーズを観ていても思いますが、怪物くんって、ヒロシくんが
好きで好きでたまらないんですよ(^^)

ほかの藤子作品と違っていて、怪物くんにはお母さんがいませんし、
ヒロシくんには両親がいないという、どちらも少し辛い境遇にいるんです。

だからこそ何か友情を超えた兄弟みたいなものを、この二人には感じます。
まるで藤子不二雄先生のお二人みたいです(笑)

おまけ

藤子アニメ私的ベスト5に「怪物くん」は入ってませんが、5位の「パーマン」
と同じくらいに好きで、結局「原作好き度の差」で「パーマン」が勝ちました(^^);

そういうわけで「怪物くん」のアニメは、それなりに好きなのです。

ただ、絵柄は少し藤子Aタッチから離れていて、藤子A先生ご自身は「怪物くん」
のオリジナリティが強すぎる作画があまりお気に召さなかったらしいですが(^^);
(NEO UTOPIA 第39号 藤子不二雄A先生インタビュー)

1994年に「のび太と夢幻三剣士」の併映として、F先生の「ウメ星デンカ」が
アニメ映画化されましたが、この作品の雰囲気は少し「怪物くん」と似ています。
絵柄もちょっとFタッチとは離れています。もしテレビシリーズ化されていれば
「怪物くん」的なオリジナリティをもった作品になっていたかもしれません。

※「ウメ星デンカ」の監督・やすみ哲夫さん、作画監督・木上益治さんは、お二人
 とも「怪物くん」にも参加されています。

ああ・・・ちょっとしたレビューにとどめるつもりが・・・また長くなっちゃった(^^);
肝心の「怪物くん」は、残念ながらDVD化されていないので・・・CDをご紹介。

怪物くん 全曲集
コロムビアミュージックエンタテインメント

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こちらはついでに(^^);
映画2112年ドラえもん誕生
ドラミちゃん 青いストローハット
ウメ星デンカ 宇宙の果てからパンパロパン!


ポニーキャニオン

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私の好きな藤子アニメ (2) チンプイ

2006年08月13日 03時05分12秒 | 藤子不二雄
☆「私の好きな藤子アニメ (1)」の続きです

前回、私の好きな藤子アニメ上位5作品を挙げましたが、今回から1つずつ
ご紹介していきたいと思います。

せっかくなので私のマニア心を発揮して(笑)、作品の背景やスタッフ等も
少しだけ触れていきます。

あんまりやりすぎると、平原綾香ファンやミュージカルファンの訪問者様から
ドン引きされそうなので、軽くやっておきます(^^);

それではまず、私的第1位の藤子アニメ「チンプイ」から・・・

あらすじ

地球人の女の子・春日エリと、マール星レピトルボルグ王家第一王子である
ルルロフ殿下との結婚をまとめるため、マール星から派遣されたチンプイと
ワンダユウがおりなす大騒動・・・といったストーリーです。

チンプイたちマール星人は、科学が発達した星に住んでいるため、「魔法」
ならぬ「科法」を使い、不思議なパワーでエリちゃんたちを助けます。

エリちゃんは、宇宙人のお妃になるつもりなど全くなく、クラスに好きな男の子
内木くんがいます。でも、ルルロフ殿下の猛烈のアタックに心を動かされることも
しばしば。チンプイはルルロフとの結婚をまとめなければならない立場ですが、
エリちゃんの気持ちも尊重したいという微妙な心境です。

さて、エリちゃんは、ルルロフ殿下のお妃になるのでしょうか?それとも地球に
残るのでしょうか?

原作について

「チンプイ」は、1985年より「藤子不二雄ランド」の巻末にて連載されました。

当初は藤子A先生の「ウルトラB」と交互の連載でしたが、藤子・F先生の
ご病気により不定期連載となってしまいました。それでも、他の作品の連載が
途中終了を余儀なくされる中、この作品だけは「藤子不二雄ランド」完結まで
描き続けられ、1991年発売の「UTOPIA 最後の世界大戦」に掲載された
第58話が最後となりました。

その時点で単行本は4巻まで発売されていて、「藤子不二雄ランド」完結後
に2話が描きおろされた上で、第5巻として発売され、完結を迎える予定に
なっていましたが、F先生のご体調などの問題で実現せず、一時は版元の
中央公論社が少年誌を発行して連載を継続する等も検討されたようですが※
結局実現しないまま、F先生のご逝去により未完となってしまいました。

F先生没後の1997年、それまでの4巻掲載分と単行本未収録分をあわせて
再編集され「完全版チンプイ」全4巻として発売されました。

※「NEO UTOPIA」第15号/嶋中行雄氏(当時・中央公論社副社長)の
 インタビューより。嶋中氏は現在、嶋中書店の代表取締役です。


原作単行本

残念ながら、現在ちょっと入手困難です。
アマゾンでもユーズドでしか買えないようです。
小学館か嶋中書店あたりから復刊してくれないかなぁ・・・

藤子・F・不二雄 著
チンプイ―完全版 (1)
中央公論社 (現・中央公論新社)
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アニメについて

「チンプイ」のアニメ版は、1989年 11月 2日~1991年 4月 18日の間、
テレビ朝日系で毎週木曜日19:30より放送されました。全56回+SP1回。
のちに「クレヨンしんちゃん」で有名になる本郷みつる氏のCD(チーフ
ディレクター)デビュー作です。

主要スタッフは、前作「エスパー魔美」から引き継いで担当された方
も多く、富永貞義さん、堤 規至さん、高倉佳彦さん、生野裕子さんら
が作画監督を担当しています。

演出は、高柳哲司さん、貞光紳也さん、原 恵一さん、小林常夫さん、
安藤敏彦さんらが担当しています。

アニメファンの間では、よく「Production I.G の前身 IGタツノコが
制作協力していた」と言われます。それは事実で、「エスパー魔美」
から引き続き演出~仕上までをグロス請けしていたようです。但し、
IG担当回の作画レベルは、ちょっと・・・私的には今イチです(^^);
うーん、作画レベルというより、キャラクターの造形の方が(^^);
まあ、いずれ全話レビューでも書くことがあれば、詳しく・・・(笑)

脚本も「エスパー魔美」から引き続き、桶谷 顕さん、もとひら了さん、
水出弘一さんらに加え、志村多穂さん、西村昌子さんら女性脚本家も
参加しています。

声優さんについては、堀絢子さん、八奈見乗児さんといったベテランから、
当時まだ若手だった林原めぐみさん、佐々木望さん、中村大樹さんらが
多数出演しています。

アニメ版の感想、印象、特色

漫画作品のアニメ化というのは、原作のエッセンスを大切にしつつ、
いかにアニメ独自の特色を出せるかが鍵だと考えているのですが、
この「チンプイ」は、その意味で大成功していると思います。

初期の頃、原作になるべく忠実に作られていたのですが、オリジナル
脚本(原作なし)のものなど特に、少し弱い、おとなしい印象でした。

ところが10回前後から、どんどん演出のテンポがアップして、原作を
大切にしつつも、チンプイとワンダユウの絡みなど、独自の面白さを
出してくるようになりました。

第17回「勇士レビと勇士エリ」あたりになってくると、本郷さんの演出
も冴え始めて、これは原作付きの話なのですが、オリジナル要素も多数
加わって、原作の持ち味を一歩進めたような味わいになりました。

後半にいたっては、もう完全に本郷ワールド(笑)。本郷さん、安藤さん、
高柳さんたちのテンポの良い演出とあいまって、堤さん、高倉さんの
生き生きとした作画が炸裂し、第46回「エリさまがいっぱい」では、
8人に分裂したエリちゃんたちが元気いっぱいに繰り広げる騒動を
楽しく描ききってくれました。

声優さんの力も大きいと思います。エリちゃんのママ(鈴木弘子さん)や、
ワンダユウ(八奈見乗児さん)が、原作を超えた面白キャラクター化
してしまうなど(笑)、オリジナル要素+アドリブ的なやり取りなどが、
どんどん面白くなってきました。林原さんら当時若手の声優さんたちも
ものすごく良い芝居をしてくれていたと思います。

後半はかなりオリジナル要素が強くなっていたにもかかわらず、原作
の持ち味は全然損なっていないところが、さすがだと感じました。


劇場版チンプイ

「のび太とアニマル惑星」の併映作として 1990年に公開されました。
これは「チンプイ」では現在ソフト化されている唯一の作品です。
大塚周夫さん、富山敬さん、岡本麻弥さんらがゲスト出演。
高倉佳彦さんの生き生きとした作画と、本郷さんのテンポの良い
演出が冴えてます。

映画ドラミちゃん ハロー恐竜キッズ!
チンプイ エリさま活動大写真
ポニーキャニオン
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おまけ

どことなくチンプイと造形が似ていると話題の(笑)、
ロシアの人形アニメ「チェブラーシカ」です。
まあ、似てるのは偶然だと思いますけど(^^);

ワニのゲーナとのやり取りがほ微笑ましくて良いです。
ウラララーィィィ!!(笑)

チェブラーシカ
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おっと・・・5000字を超えるところでした(^^);
長くなってしまったので、この辺で・・・

チンプイについては、また機会があれば全話レビューなど(^^);
何らかの形で取り上げていきたいなと思っています。

次回は「エスパー魔美」の予定です。

つづく

私の好きな藤子アニメ (1)

2006年08月11日 17時27分25秒 | 藤子不二雄
昨日の記事で、「一番大好きな藤子アニメ」として「チンプイ」を、その
「次に好きな作品」として「エスパー魔美」を、それぞれ挙げました。

ちょっと誤解を招く表現だった気がしたので、補足しておきたいと思います。

これらの「好きな作品」というのは、あくまで「藤子アニメ」としてのもので
あって、原作の「藤子漫画」についてのものではありません。

「藤子漫画」で一番好きな作品を挙げるなら・・・メジャーすぎる作品である
「ドラえもん」は、なるべくなら挙げたくないのがファン心理なのですが(笑)、
藤子・F先生の様々なエッセンスや魅力が詰まった作品という意味で考えると、
どうしても「ドラえもん」に軍配が上がってしまいます。

その下に、F先生/A先生混在で、「エスパー魔美」「まんが道」「パーマン」
「T・Pぼん」「チンプイ」「新オバケのQ太郎」「魔太郎がくる!!」「黒ベエ」
「プロゴルファー猿」「SF短編」「異色短編」「ブラックユーモア短編」など
の作品が、優劣つけがたく、ずらっと並びます。

もっとも、SF/異色/ブラック短編の中でも、特に好きな作品はあったり
しますが、その辺はまた別の機会に・・・

ところが「藤子アニメ」となると、これは好きな作品が上位5作品くらいまで
わりとハッキリと並びます。
  1. 「チンプイ」
  2. 「エスパー魔美」
  3. 「ドラえもん」
  4. 「キテレツ大百科」
  5. 「パーマン」

アニメに関しては、見事にA作品が入ってません(笑)

ただ「怪物くん」は、久しぶりにテレ朝チャンネルで全話観ましたが、これは
結構面白かったです。「ハットリくん」などは・・・話によってバラつきが(笑)
帯アニメの宿命でしょうね。全694回・・・・お疲れ様でした、スタッフ様(^^);
全体的に声優さんが妙にハイテンションで面白かったです(笑)

「21エモン」は、放送当時は好きで、3人(エモン/ゴンスケ/モンガー)の
キャラクターなど、面白い点も多々あるのですが・・・テレ朝チャンネルで
全話観返した結果、ちょっと上位5作品に入れることは出来ませんでした。

さて、私的上位5作品について、1つずつ簡単に好きな点などを挙げていきたい
と思いますが・・・長くなりそうなので、また後ほど改めて(^^);

つづく

エスパー魔美DVD

2006年08月10日 09時32分12秒 | 藤子不二雄
なんか、いきなり濃い話題になっちゃいましたが(笑)
ごく最近の藤子関係ネタといえば、やっぱりこれでしょう。

エスパー魔美DVD-BOX 上巻発売

実際のところ、テレ朝チャンネルで全話録画してあったのですが(笑)
発売が決まったと聞いた瞬間、ついアマゾンで予約してしまいました。
いわゆるアニメの DVD-BOX というものを買ったのは初めてのことです。

次回予告がないとか、色々と問題はあったんですが、私としては、一番
大好きな藤子アニメである「チンプイ」の DVD-BOX化を切望してまして、
これが売れないと、たぶん「次」がないぞと(^^);

「次」が出てくれる期待をこめて、ちょっと奮発してしまいました(笑)

もちろん「魔美」というアニメ自体、「チンプイ」の次に好きな作品
ですので、毎日1~2本ずつ、楽しんで観ています。

本編の感想などは、おいおい書いていきたいと思います。

※追記: テストを兼ねてアマゾンにリンクしてみました。宜しければどうぞ

エスパー魔美 DVD-BOX 上巻

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