☆「私の好きな藤子アニメ (1)」の続きです
前回、私の好きな藤子アニメ上位5作品を挙げましたが、今回から1つずつ
ご紹介していきたいと思います。
せっかくなので私のマニア心を発揮して(笑)、作品の背景やスタッフ等も
少しだけ触れていきます。
あんまりやりすぎると、平原綾香ファンやミュージカルファンの訪問者様から
ドン引きされそうなので、軽くやっておきます(^^);
それではまず、私的第1位の藤子アニメ「チンプイ」から・・・
あらすじ
地球人の女の子・春日エリと、マール星レピトルボルグ王家第一王子である
ルルロフ殿下との結婚をまとめるため、マール星から派遣されたチンプイと
ワンダユウがおりなす大騒動・・・といったストーリーです。
チンプイたちマール星人は、科学が発達した星に住んでいるため、「魔法」
ならぬ「科法」を使い、不思議なパワーでエリちゃんたちを助けます。
エリちゃんは、宇宙人のお妃になるつもりなど全くなく、クラスに好きな男の子
内木くんがいます。でも、ルルロフ殿下の猛烈のアタックに心を動かされることも
しばしば。チンプイはルルロフとの結婚をまとめなければならない立場ですが、
エリちゃんの気持ちも尊重したいという微妙な心境です。
さて、エリちゃんは、ルルロフ殿下のお妃になるのでしょうか?それとも地球に
残るのでしょうか?
原作について
「チンプイ」は、1985年より「藤子不二雄ランド」の巻末にて連載されました。
当初は藤子A先生の「ウルトラB」と交互の連載でしたが、藤子・F先生の
ご病気により不定期連載となってしまいました。それでも、他の作品の連載が
途中終了を余儀なくされる中、この作品だけは「藤子不二雄ランド」完結まで
描き続けられ、1991年発売の「UTOPIA 最後の世界大戦」に掲載された
第58話が最後となりました。
その時点で単行本は4巻まで発売されていて、「藤子不二雄ランド」完結後
に2話が描きおろされた上で、第5巻として発売され、完結を迎える予定に
なっていましたが、F先生のご体調などの問題で実現せず、一時は版元の
中央公論社が少年誌を発行して連載を継続する等も検討されたようですが※
結局実現しないまま、F先生のご逝去により未完となってしまいました。
F先生没後の1997年、それまでの4巻掲載分と単行本未収録分をあわせて
再編集され「完全版チンプイ」全4巻として発売されました。
※「NEO UTOPIA」第15号/嶋中行雄氏(当時・中央公論社副社長)の
インタビューより。嶋中氏は現在、嶋中書店の代表取締役です。
アニメについて
「チンプイ」のアニメ版は、1989年 11月 2日~1991年 4月 18日の間、
テレビ朝日系で毎週木曜日19:30より放送されました。全56回+SP1回。
のちに「クレヨンしんちゃん」で有名になる本郷みつる氏のCD(チーフ
ディレクター)デビュー作です。
主要スタッフは、前作「エスパー魔美」から引き継いで担当された方
も多く、富永貞義さん、堤 規至さん、高倉佳彦さん、生野裕子さんら
が作画監督を担当しています。
演出は、高柳哲司さん、貞光紳也さん、原 恵一さん、小林常夫さん、
安藤敏彦さんらが担当しています。
アニメファンの間では、よく「Production I.G の前身 IGタツノコが
制作協力していた」と言われます。それは事実で、「エスパー魔美」
から引き続き演出~仕上までをグロス請けしていたようです。但し、
IG担当回の作画レベルは、ちょっと・・・私的には今イチです(^^);
うーん、作画レベルというより、キャラクターの造形の方が(^^);
まあ、いずれ全話レビューでも書くことがあれば、詳しく・・・(笑)
脚本も「エスパー魔美」から引き続き、桶谷 顕さん、もとひら了さん、
水出弘一さんらに加え、志村多穂さん、西村昌子さんら女性脚本家も
参加しています。
声優さんについては、堀絢子さん、八奈見乗児さんといったベテランから、
当時まだ若手だった林原めぐみさん、佐々木望さん、中村大樹さんらが
多数出演しています。
アニメ版の感想、印象、特色
漫画作品のアニメ化というのは、原作のエッセンスを大切にしつつ、
いかにアニメ独自の特色を出せるかが鍵だと考えているのですが、
この「チンプイ」は、その意味で大成功していると思います。
初期の頃、原作になるべく忠実に作られていたのですが、オリジナル
脚本(原作なし)のものなど特に、少し弱い、おとなしい印象でした。
ところが10回前後から、どんどん演出のテンポがアップして、原作を
大切にしつつも、チンプイとワンダユウの絡みなど、独自の面白さを
出してくるようになりました。
第17回「勇士レビと勇士エリ」あたりになってくると、本郷さんの演出
も冴え始めて、これは原作付きの話なのですが、オリジナル要素も多数
加わって、原作の持ち味を一歩進めたような味わいになりました。
後半にいたっては、もう完全に本郷ワールド(笑)。本郷さん、安藤さん、
高柳さんたちのテンポの良い演出とあいまって、堤さん、高倉さんの
生き生きとした作画が炸裂し、第46回「エリさまがいっぱい」では、
8人に分裂したエリちゃんたちが元気いっぱいに繰り広げる騒動を
楽しく描ききってくれました。
声優さんの力も大きいと思います。エリちゃんのママ(鈴木弘子さん)や、
ワンダユウ(八奈見乗児さん)が、原作を超えた面白キャラクター化
してしまうなど(笑)、オリジナル要素+アドリブ的なやり取りなどが、
どんどん面白くなってきました。林原さんら当時若手の声優さんたちも
ものすごく良い芝居をしてくれていたと思います。
後半はかなりオリジナル要素が強くなっていたにもかかわらず、原作
の持ち味は全然損なっていないところが、さすがだと感じました。
おっと・・・5000字を超えるところでした(^^);
長くなってしまったので、この辺で・・・
チンプイについては、また機会があれば全話レビューなど(^^);
何らかの形で取り上げていきたいなと思っています。
次回は「エスパー魔美」の予定です。
(つづく)
前回、私の好きな藤子アニメ上位5作品を挙げましたが、今回から1つずつ
ご紹介していきたいと思います。
せっかくなので私のマニア心を発揮して(笑)、作品の背景やスタッフ等も
少しだけ触れていきます。
あんまりやりすぎると、平原綾香ファンやミュージカルファンの訪問者様から
ドン引きされそうなので、軽くやっておきます(^^);
それではまず、私的第1位の藤子アニメ「チンプイ」から・・・
あらすじ
地球人の女の子・春日エリと、マール星レピトルボルグ王家第一王子である
ルルロフ殿下との結婚をまとめるため、マール星から派遣されたチンプイと
ワンダユウがおりなす大騒動・・・といったストーリーです。
チンプイたちマール星人は、科学が発達した星に住んでいるため、「魔法」
ならぬ「科法」を使い、不思議なパワーでエリちゃんたちを助けます。
エリちゃんは、宇宙人のお妃になるつもりなど全くなく、クラスに好きな男の子
内木くんがいます。でも、ルルロフ殿下の猛烈のアタックに心を動かされることも
しばしば。チンプイはルルロフとの結婚をまとめなければならない立場ですが、
エリちゃんの気持ちも尊重したいという微妙な心境です。
さて、エリちゃんは、ルルロフ殿下のお妃になるのでしょうか?それとも地球に
残るのでしょうか?
原作について
「チンプイ」は、1985年より「藤子不二雄ランド」の巻末にて連載されました。
当初は藤子A先生の「ウルトラB」と交互の連載でしたが、藤子・F先生の
ご病気により不定期連載となってしまいました。それでも、他の作品の連載が
途中終了を余儀なくされる中、この作品だけは「藤子不二雄ランド」完結まで
描き続けられ、1991年発売の「UTOPIA 最後の世界大戦」に掲載された
第58話が最後となりました。
その時点で単行本は4巻まで発売されていて、「藤子不二雄ランド」完結後
に2話が描きおろされた上で、第5巻として発売され、完結を迎える予定に
なっていましたが、F先生のご体調などの問題で実現せず、一時は版元の
中央公論社が少年誌を発行して連載を継続する等も検討されたようですが※
結局実現しないまま、F先生のご逝去により未完となってしまいました。
F先生没後の1997年、それまでの4巻掲載分と単行本未収録分をあわせて
再編集され「完全版チンプイ」全4巻として発売されました。
※「NEO UTOPIA」第15号/嶋中行雄氏(当時・中央公論社副社長)の
インタビューより。嶋中氏は現在、嶋中書店の代表取締役です。
原作単行本 残念ながら、現在ちょっと入手困難です。 アマゾンでもユーズドでしか買えないようです。 小学館か嶋中書店あたりから復刊してくれないかなぁ・・・ 藤子・F・不二雄 著 チンプイ―完全版 (1) 中央公論社 (現・中央公論新社) このアイテムの詳細を見る |
アニメについて
「チンプイ」のアニメ版は、1989年 11月 2日~1991年 4月 18日の間、
テレビ朝日系で毎週木曜日19:30より放送されました。全56回+SP1回。
のちに「クレヨンしんちゃん」で有名になる本郷みつる氏のCD(チーフ
ディレクター)デビュー作です。
主要スタッフは、前作「エスパー魔美」から引き継いで担当された方
も多く、富永貞義さん、堤 規至さん、高倉佳彦さん、生野裕子さんら
が作画監督を担当しています。
演出は、高柳哲司さん、貞光紳也さん、原 恵一さん、小林常夫さん、
安藤敏彦さんらが担当しています。
アニメファンの間では、よく「Production I.G の前身 IGタツノコが
制作協力していた」と言われます。それは事実で、「エスパー魔美」
から引き続き演出~仕上までをグロス請けしていたようです。但し、
IG担当回の作画レベルは、ちょっと・・・私的には今イチです(^^);
うーん、作画レベルというより、キャラクターの造形の方が(^^);
まあ、いずれ全話レビューでも書くことがあれば、詳しく・・・(笑)
脚本も「エスパー魔美」から引き続き、桶谷 顕さん、もとひら了さん、
水出弘一さんらに加え、志村多穂さん、西村昌子さんら女性脚本家も
参加しています。
声優さんについては、堀絢子さん、八奈見乗児さんといったベテランから、
当時まだ若手だった林原めぐみさん、佐々木望さん、中村大樹さんらが
多数出演しています。
アニメ版の感想、印象、特色
漫画作品のアニメ化というのは、原作のエッセンスを大切にしつつ、
いかにアニメ独自の特色を出せるかが鍵だと考えているのですが、
この「チンプイ」は、その意味で大成功していると思います。
初期の頃、原作になるべく忠実に作られていたのですが、オリジナル
脚本(原作なし)のものなど特に、少し弱い、おとなしい印象でした。
ところが10回前後から、どんどん演出のテンポがアップして、原作を
大切にしつつも、チンプイとワンダユウの絡みなど、独自の面白さを
出してくるようになりました。
第17回「勇士レビと勇士エリ」あたりになってくると、本郷さんの演出
も冴え始めて、これは原作付きの話なのですが、オリジナル要素も多数
加わって、原作の持ち味を一歩進めたような味わいになりました。
後半にいたっては、もう完全に本郷ワールド(笑)。本郷さん、安藤さん、
高柳さんたちのテンポの良い演出とあいまって、堤さん、高倉さんの
生き生きとした作画が炸裂し、第46回「エリさまがいっぱい」では、
8人に分裂したエリちゃんたちが元気いっぱいに繰り広げる騒動を
楽しく描ききってくれました。
声優さんの力も大きいと思います。エリちゃんのママ(鈴木弘子さん)や、
ワンダユウ(八奈見乗児さん)が、原作を超えた面白キャラクター化
してしまうなど(笑)、オリジナル要素+アドリブ的なやり取りなどが、
どんどん面白くなってきました。林原さんら当時若手の声優さんたちも
ものすごく良い芝居をしてくれていたと思います。
後半はかなりオリジナル要素が強くなっていたにもかかわらず、原作
の持ち味は全然損なっていないところが、さすがだと感じました。
劇場版チンプイ 「のび太とアニマル惑星」の併映作として 1990年に公開されました。 これは「チンプイ」では現在ソフト化されている唯一の作品です。 大塚周夫さん、富山敬さん、岡本麻弥さんらがゲスト出演。 高倉佳彦さんの生き生きとした作画と、本郷さんのテンポの良い 演出が冴えてます。 映画ドラミちゃん ハロー恐竜キッズ! チンプイ エリさま活動大写真 ポニーキャニオン このアイテムの詳細を見る | |
おまけ どことなくチンプイと造形が似ていると話題の(笑)、 ロシアの人形アニメ「チェブラーシカ」です。 まあ、似てるのは偶然だと思いますけど(^^); ワニのゲーナとのやり取りがほ微笑ましくて良いです。 ウラララーィィィ!!(笑) チェブラーシカ このアイテムの詳細を見る |
おっと・・・5000字を超えるところでした(^^);
長くなってしまったので、この辺で・・・
チンプイについては、また機会があれば全話レビューなど(^^);
何らかの形で取り上げていきたいなと思っています。
次回は「エスパー魔美」の予定です。
(つづく)