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創造性の開発 新規商品を企画しよう

新規商品企画の成功学
求むる所第一義
随時随所楽しまざるなし

モデル論議の思い出

2010-01-12 14:20:50 | ビジネス実用

こんにちは。

 中村洋四郎さんからたくさんのことを教えて貰いました。中でも記憶に残るのはシステム開発モデル論です。通常、システムの概要はブロック図で表されます。ブロック図は分かりやすいシステムのモデルと言えるでしょう。作る目的は、設計者が定義した構造をプログラマーに理解させること。システムの構造は複雑なため、ブロック図も複雑になりがちです。乱暴に言えば、モデル化の目的も単純化ではなく、可視化と言えるでしょう。

「システムを建物で比喩すると、全体を具体的にイメージできる。身近な建造物へ比喩すると、システム構造を単純化できる。単純化すると、システム開発に成功する。」と教えてもらいました。私はすぐ、通信機能は道路とエレベータ、個々の階はサブシステム、部屋はサブサブシステムになり、入居前確認会は立会いテストになるため、素晴らしいと思いました。残念ながら、この手法を用いた経験はありません。遅まきながら、高等学校の情報教育に使えないか考慮中です。

 私が経営者や営業責任者を説得したプレゼン資料にはたくさんの絵がありました。多くは概念のポンチ絵です。具体的に存在する物や人の絵はキーワードを陰喩するために使います。PowerPointで作ればシステムが勝手に挿入してくれます。PowerPointでは面倒ですので、手書きにしか使いませんが、幾何学的な図形で概念を隠喩するのも有効です。本の挿絵に最適かもしれません。また、図表もモデルと言えるでしょう。自分の考えを他人に植え付けるために、2次元グラフは特に有効です。目的に応じて、円グラフや棒グラフ、折れ線グラフに細工します。官僚や新聞がたびたび用いている手法です。顧客を嗜好特性で分類するなら、平面上に、母集団の大きさを円の直径で表現するのが有効です。以上、ベテランの商品企画なら身に着けている手法です。

 一般的に、経済モデルや市場モデルは線形代数の範囲で扱われています。代数が経済予測に使われています。代数学は比例で物事を捉える学問です。しかし、経済予測が当たらないのは毎度です。今回のプライムローンの破綻、バブルの崩壊など、線形代数に依存する限り必ず起きます。変化が予想できない、市場予測の評価項目は分かりやすいために、私は中村さんに、抽象的な平面で系の特性を捉える手法を提案しました。これもモデルと私は考えていると言いました。今でも有効だと信じています。

 私はいつもシステムの要因は4つしかないと割り切り、単純化して物事を考えるようにしているからです。2つでも3つでもありません。もちろん7つも8つも要件が出てきて、なかなか捨てられませんが、割り切って4つまで選びます。泣いて馬蜀をきるです。私の小論文の書き方と同じですので、小論文の書き方のページを参照してください。これは私オリジナルの手法のはずです。利点はたくさんあり、後日とします。

今日はここまでにします。


中村洋四郎さんの構想

2010-01-11 12:35:00 | ビジネス実用

おはようございます。

 正月、ゆっくり資料整理をしました。大量の紙を資源ごみとして捨てました。資料の山の中から、中村さんから数年前に頂いた資料を見つけました。さらにその10年以上前、今から20年ほど前、中村さんは富士通高専の校長をしていました。そのとき、毎年、新入生に話していた内容です。10ページほどですが、今、数日、私は読んで楽しんでいます。

 私がシャープ奈良工場から柏の研究所に転勤したのは20年ほど前。移動を伝えようと、富士通川崎工場に電話をしました。そのとき初めて、中村さんが体調を壊し、第一線から退かれ、富士通高専の学校の校長になられたと教えてもらいました。退職時の非礼を詫びるため、私は電話を繋いでもらいました。中村さんはすぐ電話口に出られ、「懐かしい、よく覚えている」「一度、会おう」と言ってくれました。私は早速、オフィスを訪問しました。大変懐かしい建物。英会話を勉強し、高専生に先端技術ゼミを教えた所。今は知りませんが、20年前は、私の新人時代とほとんど変わりませんでした。そのビルの1階に中村さんのオフィスがありました。それ以来、毎年2度ほど面談し、教えて頂いています。その話は以前ブログに書きました。

 私は再会したとき、パソコン組立の実践教育を提案しました。中村さんは実践が大事だと賛成してくれたのを良く覚えています。しかし、校長として最初の講演で全員に渡す資料を頂いたのは私が定年になった頃の、数年前です。その資料はとにかく20年前に書かれたもの。しかし、今も時代に遅れでいません。前回のブログにあらましを説明したように、2005年の変革まで説明していました。

 この説明の中に、流通関係企業中心の中堅企業に対するSEサポートをする上でのアドバイスがありました。素晴らしい内容です。当時も素晴らしいと思ったのですが、今、私に感銘を与えてくれます。それは情報センタ設置を関係ソフト会社に提案すべきと言うストーリーだからです。昨年暮れに、私が高等学校の理事長に提案した骨子とほとんど同じ。情報センタを作るべしの中村さんの目的は、ノウハウ蓄積の仕組みを作るため。コールセンターやサポートセンターのためでなく、社員レベルの向上のためです。

 要件は、再利用の仕組み、パッケージ企画の仕組み、人材育成の仕組み、プロジェクトマネージャー発掘の仕組みです。私はこの資料を参考にせず、理事長に提案し、企画案を渡したつもりでした。頂いた資料を失念していたわけです。理事長から改善したプレゼン資料をいただき、整理の為に中村さんの資料を眺めていたら、全く同じコンセプト。私は自分で考えたのでなく、教えていただいた内容を私は理事長に提案したと、納得させられました。

 以下は自己弁護です。中村さんは競争企業の社員の私に、推進の仕方に関して全くアドバイスしていません。即ち、具体的プロセスは教えてもらっていません。中村さんは実働部隊から離れていましたので、具体的案をいろいろな立場の人から吸収していたのだと思います。むしろ、私にいろいろ質問され、聞き役に徹していました。私はパソコン組立を最初に提案しました。マーケティングの手法も説明しました。中村さんの推進案に合致した所があったのかもしれません。大いに賛同されました。

 未だ、中村さんから具体的な推進方法は教えてもらっていません。具体的な推進案は自分で考えろ、と言うのが師の理念なのでしょう。法則から具体案は、商品企画が得意なこと、ますます新年度が楽しみです。

今日はここまでにします。