今日の「お気に入り」は、山本夏彦さん(1915-2002)のコラム集から。
「 むく鳥のように、雀のように親子は同じものだから、
子が一人前になったら、親はいらないのである。」
( 山本夏彦著「かいつまんで言う」所収 )
「 スープのさめない近所に住んで、若夫婦は老夫婦を見舞うのが理想とされている
が、老夫婦から何か得る見込みがあるうちは訪ねるが、何ものもなくなれば訪ね
なくなる。そしてその時、初めて老人というものは醜いものだと、若夫婦は発見
する。貰うものがあるうちは発見しないで、なくなると発見するとは勝手だが、
それが我々の常である。以前は世間がそれを許さなかったが、今は許す。」
( 山本夏彦著「変痴気論」所収 )
「 あれ、老衰の兆なんですよ。年とってから一番避けなくちゃならないのは、人生
の師匠になりたがることと説教すること。年とったからって自動的にひとの師匠
になれるなんて、とんでもない誤解ですよ。」
( 山本夏彦著「意地悪は死なず」所収 )
「 人生教師になるなかれと私は思っているが、口に出しては言わない。人は年を
とると教えたがる、教える資格が自動的に生じると思うらしいが、むろん誤り
である。」
( 山本夏彦著「世間知らずの高枕」所収 )
「『 年寄りのバカほどバカなものはない 』ということわざ、大好きです。」
( 山本夏彦著「『豆朝日新聞』始末」所収 )
米国ワシントンのとある中華料理店でフォーチュン・クッキーという焼菓子が
いくつかお皿に盛られ出てきまして、たまたま取り上げたクッキーの中に入っ
ていた御神籤にこう書かれていました。40歳の頃のことです。
” A Fool at forty is a fool, indeed ."