「今日の小さなお気に入り」 - My favourite little things

古今の書物から、心に適う言葉、文章を読み拾い、手帳代わりに、このページに書き写す。出る本は多いが、再読したいものは少い。

人生教師になるなかれ 2005・03・14

2005-03-14 07:00:00 | Weblog

  今日の「お気に入り」は、山本夏彦さん(1915-2002)のコラム集から。

 「 むく鳥のように、雀のように親子は同じものだから、
      子が一人前になったら、親はいらないのである。」

  ( 山本夏彦著「かいつまんで言う」所収 )


 「 スープのさめない近所に住んで、若夫婦は老夫婦を見舞うのが理想とされている
  が、老夫婦から何か得る見込みがあるうちは訪ねるが、何ものもなくなれば訪ね
  なくなる。そしてその時、初めて老人というものは醜いものだと、若夫婦は発見
  する。貰うものがあるうちは発見しないで、なくなると発見するとは勝手だが、
  それが我々の常である。以前は世間がそれを許さなかったが、今は許す。」

  ( 山本夏彦著「変痴気論」所収 )


 「 あれ、老衰の兆なんですよ。年とってから一番避けなくちゃならないのは、人生
  の師匠になりたがることと説教すること。年とったからって自動的にひとの師匠
  になれるなんて、とんでもない誤解ですよ。」

  ( 山本夏彦著「意地悪は死なず」所収 )


 「 人生教師になるなかれと私は思っているが、口に出しては言わない。人は年を
  とると教えたがる、教える資格が自動的に生じると思うらしいが、むろん誤り
  である。」

  ( 山本夏彦著「世間知らずの高枕」所収 )


 「『 年寄りのバカほどバカなものはない 』ということわざ、大好きです。」

  ( 山本夏彦著「『豆朝日新聞』始末」所収 )

  米国ワシントンのとある中華料理店でフォーチュン・クッキーという焼菓子が
 いくつかお皿に盛られ出てきまして、たまたま取り上げたクッキーの中に入っ
 ていた御神籤にこう書かれていました。40歳の頃のことです。

  ” A Fool at forty is a fool, indeed ."







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