「今日の小さなお気に入り」 - My favourite little things

古今の書物から、心に適う言葉、文章を読み拾い、手帳代わりに、このページに書き写す。出る本は多いが、再読したいものは少い。

2009・08・31

2009-08-31 09:10:00 | Weblog



今日の「お気に入り」。


まるまると まるめまるめよ わが心
        まん丸丸く 丸くまん丸  (木喰上人)
    
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2009・08・30

2009-08-30 09:50:00 | Weblog



今日の「お気に入り」は、梨木香歩さん(1959- )の小説「西の魔女が死んだ」から。

 「一番大切なのは意志の力。自分で決める力。自分で決めたことをやり遂げる力です。」
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2009・08・29

2009-08-29 09:30:00 | Weblog




今日の「お気に入り」は、山本周五郎(1903-1967)著「彦左衛門外記」から。


「人間は一生にいちどは断乎たる行動をとるべきだ。」

  
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2009・08・25

2009-08-25 09:00:00 | Weblog



  今日の「お気に入り」は、藤沢周平さん(1927-1997)の小説「父(ちゃん)と呼べ」の一節。

  「 突然夥(おびただ)しい鳥の啼(な)き声が徳五郎を愕(おどろ)かした。いつの間にか上空に無数の鰺刺(あじさ)しが群れて

   いて、やがて徳五郎の眼の前で、水中の小魚を啄(ついば)みはじめた。鰺刺しの白い躰は、石を投げおろすように真直ぐ水

   面に落下し、高い飛沫を上げた。次々と落下し、一瞬の間に小魚を咥(くわ)えて空に駆け上がる。水面が騒然とした感じに

   なり、その中にきらりと腹をひるがえす魚の影が見えた。

    空を覆う眩しい光の中で、黒っぽく不吉に舞い狂う鳥の姿が、徳五郎の気持ちを落ちつかなくした。」


                    (藤沢周平著「闇の梯子」文春文庫所収)
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2009・08・17

2009-08-17 09:00:00 | Weblog




 今日の「お気に入り」。


  鳥羽殿へ五六騎いそぐ野分哉 (与謝蕪村)
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2009・08・10

2009-08-10 08:00:00 | Weblog




 今日の「お気に入り」。


 汗入(いれ)て身を仏躰としる夜哉 (与謝蕪村)  
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2009・08・07

2009-08-07 08:00:00 | Weblog




今日の「お気に入り」は、加島祥造さん(1923- )が訳された『タオ――老子』の第一章です。

  これが道(タオ)だと口で言ったからって、
  それは本当の道(タオ)ではない。
  これが道(タオ)だと名付けたからって、
  それは本当の道(タオ)ではない。
  なぜって、それが道(タオ)だと言ったり、
  名付けたりする君自身が、
  道(タオ)にふくまれるからだ。
  人間が名付けるすべてのものや、
  ものを知ったと思う人間たちの向こうに、
  名のない道(タオ)の領域が、はるかに広がっている。

  その名のない領域から、
  まず天と地が分かれ、
  天と地のあいだから
  数知れぬ名前がうまれてきたというわけなんだ。

  だから、この名のない領域を知るためには、
  欲を捨てなければならない。
  欲をなくすことで
  はじめて真のリアリティが見えるのだ。
  人は名のあるものに欲をおこす、そして
  名のついた表面だけしか見えなくなるのさ。

  名のない神秘の世界と、
  そこから出た数知れぬ名のあるもの――
  このふたつは、同じみなもとから出てくる。
  名がつくことと、つかぬことの違いがあるだけさ。
  名のつかぬ領域。
  それは、闇に似て、
  暗く、はるかに広がっている。
  その向こうにも、暗く、はるかに広がっている。
  その向こうにも……
  それを、宇宙の神秘と呼んでもいい。
  その神秘を分けていくとき、人は本物のいのち、
  Life Force の入り口に立つのさ。

  (加島祥造著「老子と暮らす」光文社知恵の森文庫)



  
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2009・08・05

2009-08-05 08:20:00 | Weblog



 今日の「お気に入り」は、アイルランドの詩人W.B.イエーツの詩「薄明かりの中へ」(加島祥造さんの翻訳)。

  疲れた時代の疲れ果てた心よ、さあ
  善悪正邪の編み目をぬけ出て
  ここにこないか
  夜明けの光のなかで
  ふたたび笑わないか、心よ、
  朝霧のなかでまた
  深い息をしないか

  毒舌中傷の火に焼かれ
  君の希望は消え去り、愛はくずれさるとも
  君の母なる故郷はまだ若いのだ、つねに
  朝霧は輝き、薄明かりは銀色なのだ

  心よ、ここにこないか、ここでは
  丘に丘が重なり
  神秘の愛に満ちて
  陽と月と森と川が互いに
  いつくしみあっているのだ

  そして神は彼の淋しい角笛を吹き
  時代と時間はひたすら遠くへ飛び去るが
  ここでは薄明かりは愛よりも優しく
  朝霧は希望より貴重なのだ

   (加島祥造著「老子と暮らす」光文社知恵の森文庫 所収)
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2009・08・03

2009-08-03 09:30:00 | Weblog



今日の「お気に入り」は、藤沢周平さん(1927-1997)の小説「鷦鷯(みそさざい)」から。

 「 今日は一日中薄ぐもりで、昼過ぎからはほんの少し日射しがちらついたりして

  いるが、昨日、一昨日の二日間は、時雨が降ってはやみ降ってはやみする陰鬱

  な空模様で、ことに昨日は、日暮になるとそれまで降っていた雨がとうとう霰

  から霙に変わった。背中のあたりがいやに冷えると思いながら板戸を閉めに立

  つと、薄暗い地面を打ち叩いているのは霰まじりに雨だったのである。

   二日つづいたつめたい雨は、領国の境いにある山山ではおそらく雪になってい

  て、頂きを白い冬の姿に変えたに違いなかった。雲が晴れればそれがわかるだ

  ろう。しかし雨こそやんだものの、空はまだ灰色の雲に覆われ、庭には昨日ま

  での底冷えする空気が残ったままだった。その片隅で、また鷦鷯が鳴いた。」 

」    (藤沢周平著「鷦鷯」文春文庫)
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2009・08・02

2009-08-02 08:00:00 | Weblog





 今日の「お気に入り」は、藤沢周平さん(1927-1997)の小説「玄鳥」の一節。


 「 つばめのおとずれは季節の風物詩だった。そして長くつめたい冬のあとに

  来る春が、野山にいっぱい花を咲かせながらまだどこかに油断のならない

  寒さをひきずっていたのとは違い、つばめのおとずれは、少しの曖昧さも

  なく夏の到来を告げる出来事でもあった。」

                  (藤沢周平著「玄鳥」文春文庫)
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