「今日の小さなお気に入り」 - My favourite little things

古今の書物から、心に適う言葉、文章を読み拾い、手帳代わりに、このページに書き写す。出る本は多いが、再読したいものは少い。

未病(みびょう) 2016・06・30

2016-06-30 04:04:00 | Weblog




   今日の「お気に入り」。


 Maintaining order rather than correcting disorder is

 the ultimate principle of wisdom.

  To cure disease after it has appeared is like digging

 a well when one feels thirsty, or forging weapons

 after the war has already begun.

          ( Huangdi Neijing , 2nd century BC )





  筆者註:出典である " Huangdi Neijing " は 、中国語表記では

     「 黄帝内経 」(黄帝内剄 、こうていだいけい 、こうてい

      だいきょう 、こうていないけい )。現存する中国最古

      の医学書だそうです 。

      この「 黄帝内経 」という書物 ( 一部写本のみ現存 )の

      中に「 聖人は 既病 ( きびょう ) を治すのではなく 、

      未病 ( みびょう ) を治す 」という表現があるそうです 。

       既病( きびょう )は 、既に症状が出ている状態をさす

      用語で 、未病( みびょう )は 、病気( 病原体 )は体

      内にあるのに、 症状が体表面に出ていない 、しかし治

      療しなければ早晩発症が必至な状態をさす用語だそう 。

       ( フリー百科事典「 ウィキペディア 」)

      
     上記の英文の大意は「 治療を必要とする状態になる前に 、日頃から

   心身の健康を維持するのが究極の賢者の知恵 。 

    病気の症状があらわれてからそれを治すというのは 、のどの渇 ( かわ )

   きを覚えてから井戸を掘ったり 、戦争が始まってから武器を鍛錬したり 

   するようなものだ 。」てなところでしょうか 。



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いいこと言うねえ、昔の人は 2016・06・29

2016-06-29 04:30:00 | Weblog



  今日の「お気に入り」。


     The chief function of the body is to carry the brain around.

                         ( Thomas A. Edison )










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バター vs マーガリン 2016・06・28

2016-06-28 07:50:00 | Weblog


   健康に良くない「トランス脂肪酸」てんこ盛りの、腐りを知らない人造バター「マーガリン」が食料品スーパーの商品陳列棚の

  大きなスペースを占めています。

   その一方で、「生乳100%」、純粋な乳製品である「バター」は売り場の片隅に肩身狭く置かれて、高値で「お一人様一品

  (ひとしな)のみお買い上げください」などという注意書きが添えられ、何やら品薄らしき状況が続いているかのようにも思えます。

   (女性の)世界一の長寿国日本にあって、とくに健康志向が衰える気配のない女性が「マーガリン」を購入し続けるのを胡乱

  (うろん)・怪訝(けげん)に思うのは筆者だけでしょうか。


   「バター」と比較して「マーガリン」の値段が段違いに安いのが理由?

   子供の頃からズーッと食べ馴れてていて、パンに塗って食べたら美味しくて、幸せいっぱいの気分になれるから?

   「マヨネーズ」とおんなじで、アヘンのように「癖」になって止められないから?

   冷蔵庫に長くいれてあっても「バター」のように固くならず、ソフトで塗りやすいから?

   それとも植物性脂肪が体にいいという都市伝説みたいなものが21世紀の日本にいまだにあるから?


   
   「バターの原料となる牛乳の供給不足」が品薄の理由だなんて信じられますか。



   「いい油」と「悪い油」の関係が「バター」と「マーガリン」の間にもみられるということですよ。
   
   日本でも「マーガリン」が「発禁」になる時代がやって来ると考えた斯業界の知恵者が、

  「バター」の「品薄からくる高値状況」を演出しているのでしょうか。





   TPPが実施されると「バター」は60%も安くなるといいますよ。ホ・ン・ト。

   それが理由?

   単純すぎて信じらんなーい。





   上に書かれた「理由」の数々、「バターの原料となる牛乳の供給不足」を除いて、すべて当たっているとしたら、ト・ホ・ホ





   「バター」より「マーガリン」の方が健康的でヘルシーなどという大嘘がまかり通る日本国。

   ダイエットに熱心で、ソフトな「パン」に塗るソフトな「マーガリン」に目のない日本人。

   国民の健康と生命を手玉に取る「食品産業」。



No diet will remove all the fat from your body because the brain is entirely fat.

    Without a brain, you might look good, but all you could do is run for public office.


                         (George Bernard Shaw)

    もうすぐ参院選。


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嗅球(きゅうきゅう) 2016・06・27

2016-06-27 07:07:00 | Weblog


  今日の「お気に入り」。


  「脳は食べるものに敏感である。」

       ("Our brains are sensitive to what we eat.")






   ラジオ放送で耳にした「嗅球(きゅうきゅう)」という言葉をフリー百科事典「ウィキペディア」で検索してみました。


  「 嗅球(きゅうきゅう、英: olfactory bulb、羅: bulbus olfactorius)は、嗅神経入力を受け、嗅覚情報処理に

     関わる、脊椎動物の脳の組織。終脳の先端に位置する。」


   この説明文の意味するところはこうです。


   「嗅球」は、われわれの脳の「神経細胞」の中で、唯一体の外に露出している「神経細胞」だということ、

  鼻の孔(あな)の奥の方で、ひっそりと。



   においに敏感なひとは、この部分の脳の「神経細胞」のはたらきが、犬並みとまではいかないまでも、冴えている

  ということでしょうか。


   においに鈍感になってきたら、脳が弱ってきた兆しかもしれませんね。

   
   食べるものに気を遣うだけでなく、嗅覚にはたらきかけるのも大事なようです、脳に直接届きますものね。






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既得権益の強大な壁 2016・06・25

2016-06-25 18:10:00 | Weblog



  今日の「お気に入り」。


    At every crossway on the road that leads to the future,

       each progressive spirit is opposed by a thousand men assigned to guard the past.


                         (Maurice Maeterlinck)


                       





 
  「青い鳥」の作者でベルギーのノーベル文学賞受賞者、モーリス・メーテルリンク(1862-1949)の言葉を、

「100歳までボケない101の方法」で有名な白澤卓二さんは、つぎのように、心優しく、訳されています。

  「未来へ通じる道のどの十字路でも、進歩的な精神は、過去を守ろうとする千もの凡庸な心に反対される。」


  




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適法だが不適切 2016・06・23

2016-06-23 06:06:00 | Weblog


 今日の「お気に入り」は、フリー百科事典「ウィキペディア」にある「ある時の人」の略歴と著作の数々です。

   非の打ちどころがない立派な経歴ですね。

   

略歴


1948年11月29日 - 福岡県八幡市(現在の北九州市八幡東区)で生まれる。
1967年3月31日 - 福岡県立八幡高等学校卒業。
1971年 6月30日 - 東京大学法学部第3類(政治コース)卒業。
7月1日 - 東京大学法学部政治学科助手に着任。

1973年9月 - パリ大学現代国際関係史研究所客員研究員に着任(1975年6月退任)。
1976年9月 - ジュネーブ国際研究大学院客員研究員に着任(1978年6月退任)。
1979年4月 - 東京大学教養学部政治学助教授に着任(1989年6月退任)。
1989年7月 - 舛添政治経済研究所所長に就任(2007年7月退任)。
1993年 - 岐阜森林愛護隊に参加。
1999年 2月 - 国際大学グローバルコミュニケーションセンター主任研究員・教授に着任(2001年8月退任)。

4月11日 - 1999年東京都知事選挙に無所属で立候補し、3位で落選。

2001年7月 - 第19回参議院議員通常選挙に自由民主党公認で比例区から立候補し、参議院議員に初当選。
2005年11月 - 参議院外交防衛委員長に就任(2006年9月退任)。
2006年10月 - 参議院自由民主党政策審議会長に就任(2007年8月退任)。
2007年 7月 - 第21回参議院議員通常選挙に自由民主党公認で比例区から立候補し、参議院議員に再選。
8月 - 第1次安倍改造内閣で厚生労働大臣に就任。
9月 - 福田康夫内閣で厚生労働大臣に留任。

2008年 8月 - 福田康夫改造内閣で厚生労働大臣に留任。
9月 - 麻生内閣で厚生労働大臣に留任。


2010年4月 - 自由民主党を離党し、新党改革代表に就任。
2013年 6月7日 - 第23回参議院議員通常選挙への不出馬を表明。
7月22日 - 新党改革代表を辞任。
7月28日 - 任期満了に伴い参議院議員を退職。

2014年 1月21日 - 新党改革を離党。
2月11日 - 2014年東京都知事選挙に無所属で立候補し、東京都知事に当選。

2016年 3月1日 - レジオンドヌール勲章コマンドゥールを受章。



著書

単著
『日本人とフランス人――「心は左、財布は右」の論理』(光文社、1982年)
『赤いバラは咲いたか――現代フランスの夢と現実』(弘文堂、1983年)
『1990年自民党が野党になる日 中道革新政権の科学的根拠』(光文社カッパ・ホームス 1984年)
『現代国際政治入門――世界力学地図の読み方』(PHP研究所、1986年)
『90年代の世界力学地図――「米ソの時代」から「日本の世紀」へ』(PHP研究所、1988年)
『日本人のための幸福論』(講談社、1988年)
『賤業としての政治家』(飛鳥新社、1989年)
『舛添要一の「日本を問う」』(実業之日本社、1991年)
『舛添要一のこれが世界の読み方だ――新しいナショナリズムの世紀が始まる』(PHP研究所、1991年)
『舛添要一の先見対談 時代を創る11人のキーパーソン』テレビ東京編(フットワーク出版、1992年)
『危ない日本を救う20の知的武装 この核心を知らずにことの真相は見えてこない』(青春出版社、1993年)
『政界大再編 鬼才・舛添要一が説く“政治-日本の道"』(サンドケー出版局、1994年)
『戦後日本の幻影<オウム真理教>』(現代書林、1995年)
『国連とはなんだ! あなたは国連のことをどれだけ知っていますか?』(サンドケー出版局、1995年「世界を読む!」と改題、学研M文庫)
『舛添要一の競馬改国論』(サンドケー出版局、1995年)
『いま甦れ日本経済 税制・株・情報通信・エネルギー』(財経詳報社、1995年)
『舛添要一の6カ国語勉強法――体験に裏づけられた上達への近道』(講談社、1997年)
『学校で教えない時事・タブー この一冊で、現代が見える、明日が読める』(ベストセラーズ、1997年)
『日本再生への道 直言・行財政改革 舛添要一対論集』(税務経理協会、1997年)
『母を思い国を想う』(読売新聞社、1998年)
『母に襁褓をあてるとき――介護闘いの日々』(中央公論社、1998年/中公文庫、2000年)

『20世紀エネルギー革命の時代』(中央公論社、1998年)
『介護で後悔しないための、お金と心得がわかる本』(PHP研究所、1999年)
『少子高齢化ニッポン 大胆予測!これからどうなる』(PHP研究所、1999年)
『完全図解日本のエネルギー危機――データで読む「国民の常識」』(東洋経済新報社、1999年)
『変える! 東京大改造計画と問題解決の具体策』(中経出版、1999年)
『実践!介護サービス 快適な高齢社会を創る』(PHP研究所、2000年)
『舛添要一の40代は老後の分かれ道 いまから年金・介護・お金・健康を考える』(フットワーク出版、2000年)
『学び心 時代を勝ち抜く言葉を持とう』(ブレインキャスト、2000年)
『舛添要一の税金のことが面白いほどわかる本 ここがヘンだよ日本の税金』(中経出版、2000年)
『映画で学ぶアメリカ大統領 舛添要一のおもしろ国際政治学講座』(スクリーンプレイ出版、2000年)
『新聞・テレビの政治ニュースがわかる本』(池田書店、2001年)
『定年後実は第二の人生が楽しい事典』(講談社、2001年)
『舛添のどうなる日本?どうする日本!――国民で考えるエネルギー問題』(東京書籍、2001年)
『痴呆の母を看取って』(佼成出版社、2001年)
『ビジネスマンのための実践男の介護』(ブレインキャスト、2001年)
『構造改革で得する人、損する人』(幻冬舎、2001年)
『チェンジ! 日本が変わるべき50のこと』(ダイヤモンド社、2002年)
Keeping the Lights On in Japan (2002), Japan Echo Inc.
『「新しい戦争」と日本の貢献』(小学館文庫、2002年)
『日本脳内開国――直面している問題がおもしろいほどわかる』(リヨン社、2002年)
『内閣総理大臣――その力量と資質の見極め方』(角川oneテーマ21、2002年)
『今どこにある危機』(スクリーンプレイ、2004年)
『マスゾエ式定年後極楽生活入門――50代からの「生活設計を楽しむ法」』(小学館、2005年)
『永田町vs.霞が関 最高権力を奪取する者は誰か』(講談社、2007年)
『私の原点、そして誓い―遠距離介護五年間の真実』(佼成出版、2008年1月)
『舛添メモ――厚労官僚との闘い752日』(小学館、2009年)
『厚生労働省戦記 日本政治改革原論』(中央公論新社、2010年)
『日本新生計画 世界が憧れる2015年のジパング』(講談社、2010年)
『舛添要一・39の毒舌』おちまさとプロデュース(扶桑社、2010年)
『よくわかる政治』(講談社、2010年)
『孫文 その指導者の資質』(角川oneテーマ21、2011年)
『日本政府のメルトダウン 2013年に国民を襲う悲劇』(講談社、2011年)
『憲法改正のオモテとウラ』(講談社現代新書、2014年)

共著
プロジェクト3D『1995年・日本と世界はこう変わる』(PHP研究所、1986年)
プロジェクト3D『日本と世界これからどうなる――90年代への8つの視点』(PHP研究所、1988年)
『世界のことは、マスゾエに聞け 舛添要一先生(特)講義』(幸田シャーミン共著、協和発酵広報部編、協和発酵工業、1991年)
プロジェクト3D『十年後の衝撃 2001年・日本と世界に何が始まる』(PHP研究所、1992年)
『闘論 政治はこう動く』(栗本慎一郎共著、講談社、1994年)
『日本経済復活へのファイナルアンサー』(森永卓郎共著、広済堂出版、2002年)

訳書
エズラ・ヴォーゲル、クライド・プレストウィッツ他『危険な依存』(監訳、騎虎書房、1990年)
ジュディス・ミラー、ローリー・ミロイエ『サダム・フセイン』(飛鳥新社、1990年)
ゲイル・シーヒー『フセインとゴルビー 王の明暗』(飛鳥新社、1991年)
ケン・グロス『ロス・ペロー 合衆国大統領に挑んだ男』(飛鳥新社、1992年)
シモン・ペレス『和解――中東和平の舞台裏』(飛鳥新社、1993年)
ジャンマリ・ゲーノ『民主主義の終わり』(講談社、1994年)

論文
「変革への模索――1974年フランス大統領選挙」『比較文化研究』15号(1976年)
「安全と強制――フランスの安全とブリアン(1921年1月-1922年1月)」『社會科學紀要』26号(1977年)
「現代フランス社会論序説――暴力をめぐって」『社會科學紀要』28号(1978年)
「フランス第五共和政における政権交代」『国際問題』235号(1979年)
「80年代の世界と安全保障問題--安全保障論義によせて」『経済評論』1981-12(日本経済評論社、1981年)
「フランス第五共和制の政治過程」日本政治学会編『年報政治学』(岩波書店、1983年)
「安全・防災・平和」『地域開発』226号(日本地域開発センター、1983年)
「国力の測定--独仏対抗試合審判始末記」『通産ジャーナル』1983-9(1983年)
「保護主義強める欧州--その背後にあるもの」『現代季刊経済』(現代経済研究会、1983年)
「東西交渉と欧州の立場」『国際問題』313号(1986年)
「フランスの政治潮流」『租税研究』469号(日本租税研究協会、1988年)
「戦争なしに国際システムを変えられるか」『通産ジャーナル』1988-5(1988年)
「フランスの外交政策」『講座国際政治3 外交政策』(東京大学出版会、1989年)



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2016・06・19

2016-06-19 05:55:00 | Weblog




  今日の「お気に入り」は、三好達治(1900-1964)の詩集「測量船」から。


 「 乳母車

    母よ―――――

    淡くかなしきもののふるなり

    紫陽花(あぢさゐ)いろのもののふるなり

    はてしなき並樹のかげを

    そうそうと風のふくなり


    時はたそがれ

    母よ 私の乳母車を押せ

    泣きぬれる夕陽にむかって

    轔轔(りんりん)と私の乳母車を押せ


    赤い総(ふさ)ある天鵞絨(びろおど)の帽子を

    つめたき額(ひたひ)にかむらせよ

    旅いそぐ鳥の列にも

    季節は空を渡るなり


    淡くかなしきもののふる

    紫陽花いろのもののふる道

    母よ 私は知つてゐる

    この道は遠く遠くはてしない道   」
    







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2016・06・18

2016-06-18 06:40:00 | Weblog


  今日の「お気に入り」は、結城昌治(ゆうき・しょうじ)さん(1927-1996)の「死もまた愉し」から。


  「十七、八年前ですから、私が五十になるかならないかのころです。ある人の年譜を調べ

  ているうちに、いろいろな人の享年が気になってしようがない。思いつくままに調べはじ

  めたら、あれもこれもで際限なく広がってしまいましたが、意外な発見もあって、けっこ

  う楽しみました。メモが残っているので、主だった人を紹介します。

   二十代では樋口一葉、立原道造が二十四、北村透谷二十五、石川啄木二十六、吉田松

  陰、小林多喜二が二十九。三十代に入って、三十一が中原中也とシューベルト、坂本龍馬

  三十二、近藤勇三十四。正岡子規三十五―――よく知られている子規の写真を見ると、病身

  のせいか六十か七十くらいに見えます。子規がいなかったら、現在の俳句があるかどうか

  疑問です。三十五までに、それだけの業績を残したというのは脱帽するしかありません。

  芥川龍之介は自殺ですが、やはり三十五歳です。尾崎紅葉、モーツァルト、モジリアニも

  三十五。ロートレック、マリリン・モンロー三十六。太宰治三十八、ショパン、キューバ

  革命のチェ・ゲバラ三十九。

   四十歳にはポー、カフカ。」







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遊びをせんとや 2016・06・12

2016-06-12 14:55:00 | Weblog



  今日の「お気に入り」は、結城昌治(ゆうき・しょうじ)さん(1927-1996)の「死もまた愉し」から。


  「よく、何のために生きるかといわれますが、私は、何のためもヘチマもないと思っています。

  人間、だれでも親を選ぶことができません。いやおうなしに生まれてくるわけです。この世に

  顔を出したからといって、とたんに、目的が生まれるわけもないんです。目的なんぞもつ必要

  はないんですよ。なまじ変な目的をもつから、ガリ勉をして、人を蹴落とすのを何とも思わな

  い人間になってしまう。あるいは、選挙のたんびに『お願いします』と土下座するのも平気な

  人間ができあがる。『遊びをせんとや……』(*)で、もともと人間は、そういうふうにはでき

  ていないはずなんです。

   人それぞれに生き方がありますから、目的をもって生きることがわるいと決めつけるつもり

  はありませんけれど、目的がないからといって、悩む必要もないと思います。とくに、もう自

  分の行き先が見えたと思っている人は、無理に目的をもたなくてもいいんじゃないでしょうか。

  目的がないと不安だというなら、身近なところで見つければいいんです。孫の顔を見るまでは

  生きていたいとか、勤めていた会社に厭な重役がいたら、あいつが死ぬまでは絶対に死にたく

  ないとか、何でもかまわない、ふだん考えていることでもいいわけです。その程度の目的なら、

  むきになる必要もないでしょうから、遊んで楽しむことを優先させることもできます。

   毎日、楽しく遊んでいれば、いつのまにか年をとり、いつかは死ぬときがやってくる。どう

  せ死ぬことはわかっているんですから、もっと楽しまなきゃ損だという気になればいいわけで

  す。そうすれば、しぜんに死にたいする心構えもできてきます。多少、気取っていえば、人生

  の暮れ時が見えてくるということです。」



  (*)筆者註:「遊びをせんとや生(う)まれけむ、戯(たはぶ)れせんとや生(む)まれけん、遊ぶ

         子供の声聞けば、我が身さへこそ動(ゆる)がるれ」  (梁塵秘抄)




  渾沌より汐泡(しほなだ)の如く浮び出でまた渾沌に戻るなるべし

                            (福永武彦)


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ここは東京 2016・06・09

2016-06-09 09:55:00 | Weblog


 今日の「お気に入り」は、三好達治(1900-1964)の「ここは東京」。


 「 私はあなたに教へてあげたい

  ここは東京 焼け野つ原のお濠端(ほりばた)です

  こんなに霧のかかつた夜ですが 女のひとよ

  ここは北京(ペキン)ではありません また巴里(パリ)でもありません

  あなたはどちらへゆかれるのでせう

  あなたは路(みち)にまよはれたのです

  私はあなたに教へてあげたい

  あなたはそんなにもの思はしげに外套(がいとう)の襟(えり)に顎(あご)をうづめて

  うすらつめたいこんな夜霧にぬれながら

  どちらへお帰りのおつもりでせう

  まあ一度額をあげてごらんなさい

  その鈴懸(すずかけ)の並木のぐあひをごらんなさい

  枯木のままの骸骨(がいこつ)どもをごらんになつてはどうでせう

  幾年ぶりで昔の主人にめぐり会った飼犬のやうな直感で

  またその家畜のやうなもどかしさで

  私はあなたにあなたの見うしなはれた遠いお住ひを教へてあげたい
 
  あなたはいちづな性分です

  あなたは路をいそがれます

  霧の中に消えてゆくあなたの跫音(あしおと)をききながら

  私はかうして街燈のかげにひそんでゐるつまらぬ秘密探偵ですが

  考へてもごらんなさい

  追剥(おひはぎ)どもの待伏せするこんな夜路をあなたはごぞんじのはずはない

  はやく夢からおさめなさい 女のひとよ

  その外套のかくしの中で あなたの手はかたくかたく

  つめたく握りしめられてゐる

  実はたぶんそれがあなたの夢なんですよ

  ふしぎに淋(さび)しく遠ざかつてゆくあなたのうしろ姿にむかつて

  私は警笛でも吹いてあげたい

  ああそらあなたはまたそんな街角を一つ曲つてどちらへゆかれるおつもりでせう

  こんなに霧のふかい夜ふけですが 女のひとよ ここは東京

  焼け野つ原のお濠端です

  あなたは路にまよはれたのです

  女のひとよ 」






  舛添さんよ。




  将棋なら「待ったなし」、「もう詰んでますよ、舛添さん」。




  投票率を上げるより、被選挙人の質を引き上げてほしいもの。

  選ばれたとたんに馬脚をあらわすような人が、最高の得票率を得た人だなんて。

  選挙民に被選挙人並みの眼力、見識しかなかったということではありませんか。





  政治資金でクレヨンしんちゃんもサザエさんもどらえもんも購入してはなりません。

  政治資金の公私混同利用、あからさまな流用はNGになりました。

  議員候補、大臣候補を選ぶ時の身辺・下半身や政治資金収支報告書など点検項目がまた増えました。

  マスゾエさんほどやりすぎた、東大出の冷徹な合理主義者は珍しいとは思いますが、

  甘利流やりすごし術を見習うか、過去の多くの政治家のように心労を理由に入院するしかない

 かも知れませんネ、

  参院選の公示前に。




  「母に襁褓をあてるとき―介護 闘いの日々– 1998/1」、「母と子は必ず、わかり合える 遠距離介護5年間の真実 – 2014/6/20」

 の著者が厚生労働大臣や都知事を何年もつとめていたのですよ。

  吐く息すべて声、嘘八百、はったりの人生。

   化けの皮はがれてみればただのひと

   欲の皮つっぱりとおし職を辞す


  一敗地に塗(まみ)れる梅雨の朝………、

  夏至のきわみ。


  
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