「今日の小さなお気に入り」 - My favourite little things

古今の書物から、心に適う言葉、文章を読み拾い、手帳代わりに、このページに書き写す。出る本は多いが、再読したいものは少い。

馬鹿は百人集まると百倍馬鹿になる 2005・03・13

2005-03-13 07:00:00 | Weblog
 今日の「お気に入り」は、山本夏彦さん(1915-2002)のコラム集から。

 「私はすべて巨大なもの、えらそうなものなら疑う疑わしいところがなければ巨大になれる道理がないからである。大デパート、大会社、大新聞社は図体が大きい。よいことばかりして、あんなに大きくなれるはずがない。総評や日教組は組織が大きい。もっとも大きいのは世論で、これを疑うのは現代のタブーである。だから私は疑う。世論に従うのを当然とする俗論を読むと、私はしばしば逆上する。」

  (山本夏彦著「変痴気論」所収)


 「大新聞はいま正義の権化になって、やましいところはひとつもなくなってしまいました。ついこの間まで『羽織ゴロ』だったことを忘れてしまいました。むかしの新聞記者は心中ひそかに恥じていました。自分はやましくなくても、自分の仲間、同業者がやましいことをしているなら恥じないわけにはいかないと、みな内心忸怩としていました。いまはしません。忸怩としなくなると、人はみな増長すること新聞記者に限りません。」

  (山本夏彦著「つかぬことを言う」所収)


 「汚職は国を滅ぼさないが、正義は国を滅ぼす。」

  (山本夏彦著「やぶから棒」所収)


 「どんな組織も十年たてば腐敗する。百年続いた国鉄を見よ、全逓を見よ。」

  (山本夏彦著「良心的」所収)


 組織の名前のところを取り替えてみると、官であれ民であれ、多くのところに当てはまってしまいそうです。


 「大ぜいが異口同音にいうことなら信じなくていいことだ。」

  (山本夏彦著「かいつまんで言う」所収)


 「同類は何百人集まっても一人である。」

  (山本夏彦著「不意のことば」所収)


 「馬鹿は百人集まると、百倍馬鹿になる。」

  (山本夏彦著「かいつまんで言う」所収)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする