今日の「 お気に入り 」は 、最近 目にしたどなたかの文章 。
時代の先行きを占う上で 目を離せない国は 、米中露印 。
何度も読み返すため 、スクラップ 。
引用はじめ 。
「 『 死 』とは何か 。死はかならず 、生きている途中にやって来る 。
それなのに 、死について考えることは『 やり残した夏休みの宿題 』
みたいになっている 。死が 、自分のなかではっきりかたちになって
いない 。私たちの多くは 、そんなふうにして生きている 。しかし 、
世界の大宗教 、キリスト教 、イスラム教 、ユダヤ教などの一神教は
もちろん 、仏教 、神道 、儒教 、ヒンドゥー教など 、それぞれの宗
教は『 人間は死んだらどうなるか 』について しっかりした考え方を
もっている 。」
「 ・ヒンドゥー教が大事にしているもの
ヒンドゥー教は 、一神教とどう違うのか 。学校では 、ヒンドゥー教
は多神教で 、一神教の反対です 、と教わります 。神の人数が違う 。
間違いではないが 、神の人数は実は 、問題の本質ではありません 。
ヒンドゥー教は 実は 、神よりもっと大事なものがあると考えている 。
それは 、真理です 。真理 。Truth 。ダルマといってもいい 。
この世界の根底には 、永遠不変の真理がある 、と考えるのです 。
この世界の出来事はすべて 、真理( 法則 )に従っている 。それは 、
因果律です 。原因があれば 、結果がある 。原因も出来事 。結果も出
来事 。出来事と出来事のあいだに 、規則性がある 。それは見ればわ
かる 。合理的な考え方です 。 原因には 、原因の原因がある 。結果
には結果の結果がある 。この因果の連鎖には 、果てがありません 。
世界は 、原因と結果の連鎖によって覆い尽くされている 。これがイ
ンドの人びとの 、もっとも基本になる考え方です 。」
「・ 真理を覚ることに価値がある
神と真理は 、どう違うか 。一神教の神には人格があります 。神は
生きている 。人間のように考え 、行動する 。ものごとを認識し 、
言葉を話す 。人間と交流できる 。人間と契約を結ぶこともできます 。
その契約が 、宗教の中身です 。いっぽう 、真理はただの法則で 、
生きていないし 、人格も意思もない 。言葉を話さないし 、人間と
交流もできない 。契約も結べない 。ヒンドゥー教の考えをとるなら 、
一神教は成り立ちません 。インドでも契約はあるけれど 、それは人
間が人間と結ぶ世俗社会でのこと 。世界の出来事は 、契約など結ば
なくたって 、はじめから法則に従っている 。というのが 、ヒンドゥ
ー教です 。ヒンドゥー教では次のように考えます 。
[ ヒンドゥー教の考え ]
・出来事は、原因と結果の法則性に従ってつぎつぎ起こる。この法則
性は不変で、人間の意思によってはビクともしない。
・人間は逆に 、この法則性に支配されていて 、それに従って考えたり 、
行動したりしているに過ぎない 。
・この法則性を理解しないと 、欲望にとらわれて苦しんだり悩んだり
することになる 。
・この法則性を理解すれば 、そうした間違った欲望から解き放たれ 、
真実に目覚めて 、平和に幸せに暮らせる 。
・真理( 法則性 )を覚ることには 、価値がある 。ヒンドゥー教では、
真理を覚ることが 、人間にとっていちばん素晴らしいことです 。」
「 ・インドの現在
真理を覚るにはどうするか。精神集中して 、瞑想します 。じっと座っ
ているので 、働けません 。もしも インドの人びと全員が じっと瞑想
するなら 、誰も働かないので 、死に絶えてしまいます 。じゃあどうする 。
一部の人びとだけが 、瞑想してよいことにした 。バラモンです 。
バラモンは宗教活動をしてよい 。残りのカーストの人びとは 、バラ
モンやほかのカーストの人びとの生活を支えるために 、それぞれ割り
当てられた労働に従事しなければならない 。
こうして 、バラモン( 宗教 )/ クシャトリヤ( 政治・軍事 )/ ヴァイ
シャ( ビジネス )/ シュードラ( サーヴィス )/ ダリット( アウトカ
ースト )、のカースト制 ができあがります 。
カースト制は 、この世界の真理( 法則性 )を背景にした秩序なので 、
変更できません 。不合理な身分秩序です 。 でも 、人びとは輪廻する
( 死んだらまた生まれる )と考えられているので 、来世で上のカース
トに生まれるかもしれない 。輪廻の法則の前では 、人びとは平等なの
です 。仏教も 、真理を覚ることを重視する点は 、ヒンドゥー教と同じ
です 。ただ 、バラモンでなくても誰でも 、修行して覚りをめざすこと
ができるとする 。それには 出家すればよい 。出家修行者の生活は 、
在家の人びとが支えます 。古代からのカースト制をいまに残すインドは 、
近代化に苦労していました 。でもいま 、英語と英米法と教育熱と安定し
た社会秩序を足場に 、グローバル世界に飛躍しつつあります 。インド
から目が離せません 。」
引用おわり 。