「今日の小さなお気に入り」 - My favourite little things

古今の書物から、心に適う言葉、文章を読み拾い、手帳代わりに、このページに書き写す。出る本は多いが、再読したいものは少い。

優しさと柔らかさ 2005・03・04

2005-03-04 07:00:00 | Weblog



 今日の「お気に入り」は、加島祥造著「タオ――老子」(筑摩書房)から。

 「第七十六章 優しいものは上にあって

  人というものは

  生まれたときは柔らかく、弱々しくて

  死ぬときはこわばり、突っぱってしまう。

  人ばかりか、

  あらゆる生き物や木や草も

  生きている時はしなやかで柔らかだが

  死ぬと、

  枯れてしぼんでしまう。

  だから、固くこわばったものは

  死の仲間であり、

  みずみずしく、柔らかで弱くて繊細なものは

  生命(ライフ)の仲間なのだ。

  剣もただ固く鍛えたものは、折れやすい。

  木も、堅くつっ立つものは、風で折れる。

  元来、

  強くこわばったものは

  下にいて、

  根の役をすべきなのだ。

  しなやかで柔らかで

  弱くて繊細なものこそ

  上の位置にいて

  花を咲かせるべきなのだ。」


  原文は:

 「第七六章〔戒強〕人之生也柔弱、其死也堅強。萬物草木之生也柔脆、其死也枯槁。

  故曰、堅強者死之徒也。柔弱者生之徒也。是以兵強則滅、木強則折、故強大居下、

  柔弱居上。」



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