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日本酒のこと / 鈴鹿山脈の山歩きのこと

日本酒の品質表示がいい加減なこと

2015年05月24日 | 日本酒 - 品質表示
稀に製造年月欄が空白とか、奇妙な品質表示の日本酒(清酒)に出合うことがある。
食品産業センターが運営する「食品事故情報告知ネット」で、品目分類を「酒類」、掲載月は最大範囲である「2014年5月~2015年5月」で検索すると32件がヒットする。さらに、品名「ニホンシュ」で絞り込むと半数の16件となった。
予想はしていたが、酒類における日本酒のシェアを考えると多過ぎると思う。

日本酒に係わる事故情報の告知理由16件は次のとおり。
(1) 異物の混入:ガラス片や金属等硬質異物 1件
(2) 期限表示の誤記:印字不明瞭 1件
(3) 期限表示の誤記:設定期限より前に誤記 1件
(4) 不適切な表示:誇大表示、優良誤認 2件
(5) 不適切な表示:その他 11件
「不適切な表示」が大半を占めており、告知者は大手から地方の中小蔵元まで網羅されている。

例えば、苗場酒造(新潟県)は、
『ラベルに原材料名を、米(新潟県産)、米こうじ(五百万石・新潟県産米)と記載致しました。米こうじは、100%新潟県産米の五百万石で間違いではないのですが、掛け米が五百万石ではなく、全体の原料米の内、五百万石の米こうじの使用割合は全体の20%程度です。
たとえ米こうじの欄であっても、使用米の銘柄名を書く場合は、掛け米を含めた全体 50%を超える場合にのみ表示できるものでしたが、こうじ米に五百万石を 100%使用していたため米こうじ欄であれば記載できると誤認して(米こうじ 五百万石・新潟県産米)と表示していました。
誤表示 → 原材料名 米(新潟県産)、米こうじ(五百万石・新潟県産米)、醸造アルコール
正表示 → 原材料名 米(新潟県産)、米こうじ(新潟県産米)、醸造アルコール』

表示には複雑なルールがあるらしいが、誤認を誠実に説明しており悪意は感じない。

信州銘醸(長野県)は、
『この度、弊社が販売いたしました下記の商品において、ラベルの表記内容誤り及び表示事項の一部が表示されていない商品がございました。(中略)
対象となる商品は次の通りです。
アルコール分の表示がないもの
品目(省略)
特定名称の表示誤り(長野県産酒造好適米の一部等級検査を受けず使用した為)
品目(省略)
未成年者飲酒防止の表示がないもの
品目(省略)』

大丈夫なのか?アルコール分の表示がないとはシッカリして欲しいものだ。

沢の鶴(兵庫県)は、
『このたび、弊社商品の「純米酒 山田錦1.8L瓶」におきまして下記の対象商品に本来アルコール度数15.5度のところを14.3度と1.2度低い酒質を充填し、出荷したことが判明しましたので回収させていただく事といたしました。』
このあとには事務的文章が続くばかりで、瓶詰めを間違えた原因の説明はない。中央会の幹部を務める大手業者だが良い印象は受けなかった。何か足りないモノがあるね。

EH酒造(長野県)は、
『弊社が製造販売をしております清酒の一部にラベル表示事項の誤りがあることが判明いたしました。(中略)
対象商品
製造時期の記載漏れ商品(品名省略)
原料米名の後に使用割合「100%」と記載されていない商品(品名省略)
「清酒の製法品質表示基準」の規格外商品に原酒と誤表示した商品(品名省略)』

やはり出た。製造年月の記載漏れなんてシッカリして欲しい。

富士錦酒造(静岡県)は、
『去る平成26年6月に製造出荷した「富士錦 純米酒 720ml(バーコード4933926422617)」の製品の一部につきまして、製造年月欄に「平成26年6月」ではなく「平成6年6月」と、誤って記載して出荷した製品がございました。』
この事例は「期限表示の誤記:設定期限より前に誤記」とされている。

山根酒造場(鳥取県)は、
『日置桜 純米酒一部 特定名称酒・原料米表示に誤り(中略)
「日置桜 純米酒(9号酵母) 1800ml/720mlびん詰品」及び「日置桜 先祖帰り強力 純米酒 720mlびん詰品」で、特定名称酒の表示、原料米の品種名及び精米歩合の表示に一部誤りがあったことから、回収し、返金または正規表示のものと交換する。製品自体に異常はない。』

「不適切な表示:誇大表示、優良誤認」に分類されている。税務署に指摘されたのだろうか。誤り内容の説明がないところは誠実さに欠けるという感想を持った。

以上は「不適切な表示」の一部。氷山の一角だろうか。これら日本酒の品質表示の不正確さは、認識不足による事故なのか、意図的な不正行為だったものか判断しかねる。日本酒の表示制度には業の深いものを感じてならない。

国税庁:「清酒の製法品質表示基準」の概要
https://www.nta.go.jp/shiraberu/senmonjoho/sake/hyoji/seishu/gaiyo/02.htm
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平成26酒造年度全国新酒鑑評会の結果

2015年05月23日 | 日本酒
酒類総合研究所から、平成26酒造年度全国新酒鑑評会の入賞酒一覧表が公表された。
5年分について、近隣県の受賞数(金賞数)も拾ってみた。

年 出品点数  入賞    金賞    岐阜  愛知  三重  滋賀
22   875   437(50%)  244(28%)   7(4)  10(5)  9(4)  5(2)
23   876   427(49%)  246(28%)   4(4)  9(4)  5(3)  5(3)
24   864   426(49%)  233(27%)   7(3)  12(5)  8(2)  5(2)
25   845   442(52%)  233(28%)   4(0)  14(8)  8(5)  6(2)
26   852   415(49%)  222(26%)   5(3)  10(4)  9(2)  7(3)
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空き瓶集合 10

2015年05月18日 | 日本酒 - 空き瓶集合


左から、
◯陸奥八仙 赤ラベル 特別純米 生原酒 八戸酒造(青森県)
◯美濃紅梅 特別本醸造酒 熟成貯蔵十二年原酒 武内合資会社(岐阜県)
◯白老 若水特別純米酒 澤田酒造(愛知県)
◯醸し人九平次 純米大吟醸 ランデブー 萬乗醸造(愛知県)
◯尊皇 氷点下貯蔵生酒 山崎合資会社(愛知県)
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劣化した日本酒 04

2015年05月12日 | 日本酒
2015年5月11日、イオン四日市北店の酒売り場にて日本酒を買うか迷う。
低温棚にある日本酒は久保田の原酒(製造2015.01)数本のみ。残りはすべて常温の棚にある。かなりの種類の銘柄が置かれているが、地元酒蔵の清酒があるところが良い。その中から、「宮の雪」と地元某酒蔵のそれぞれ純米生貯蔵酒(300ml)を買った。いずれも2015.04製造だ。

「宮の雪」の生貯蔵酒・淡麗純米は、僅かにオフフレーバーのアタックを感じたが、飲んでしまえば気にならない。ただ、淡麗というより希薄の方が表現としては適切な感じ。アルコール分13-14度なので、そのように感じたのだろうか。
某酒蔵の純米酒は劣化が激しく、とても飲めない。先月の「製造」なのだが。大差ない価格で美味い酒を飲めることを思うと許せないモノがある。
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空き瓶集合 09

2015年05月11日 | 日本酒 - 空き瓶集合


左から、
◯無濾過生原酒 奈良萬 純米吟醸中垂れ(福島県)
◯純米あらばしり生原酒 中埜酒造(愛知県)2本
◯純米吟醸 夢吟香 DREAM 32号 山崎(愛知県)
◯純米吟醸 五条川桜 勲碧酒造(愛知県)

資源ゴミの日が近いので、空き瓶の整理。
美味い、或いは合格(Fair)と思った酒の記念写真です。
品質が劣化している酒などは記念撮影なしで処分です。
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栄養成分表示がある酒 「上撰鬼ころし」 小山本家酒造

2015年05月10日 | 日本酒


コンビニで栄養成分表示がある日本酒を見つけた。酒での表示は初見。小山本家酒造(埼玉県)の普通酒だ。蔵元は埼玉県の課税移出数量を押し上げている企業だったはず。
商品は清酒180ml。税込み100円。
アルコール分:15度
原材料名:米(国産)、米こうじ(国産米)、醸造アルコール
製造年月:2015.04
「糖類無添加」とも書かれている。

栄養成分表示は100ml当たり
エネルギー:106kcal
タンパク質:0.4g
脂質:0g
炭化水素:4.4g
ナトリウム:1.4mg。

日本食品標準成分表2010」に記載された「上撰」と比較すると炭水化物が少なめだ。「糖類無添加」なのだろう。
食品表示法が施行され、酒類も同法に従う必要がある。栄養成分表示は任意だが、表示されるなら飲む側としては歓迎したいところ。
国税庁のサイトに平成27年4月付けで「食品表示法における酒類の表示のQ&A」が掲載されている。経過措置期間があるだろうが、問21「清酒に『糖類不添加』と表示することはできますか。」は不可としていることが気になる。
いずれにせよ、1個飲むなら充分な味。老香がする高い吟醸酒や純米酒より100万倍は良い。「老香あります」という公平な表示が欲しいところだ。
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澤田酒造 in JR東海高島屋

2015年05月08日 | 日本酒
名古屋駅の高島屋地下の酒売り場に立ち寄ると、常滑市の澤田酒造が試飲販売をやっていた。
まだ生酒を出しており、2種類試飲して青ラベル1本を購入した。夢吟香を使ったピンクのラベルがあったそうだが、もうないとのこと。知らなんだ。
老香やら、カビ臭やら、正体不明の異臭がする酒を購入するリスクがないので、試飲販売は有難い。
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鈴鹿:御在所岳

2015年05月06日 | 山歩き - 鈴鹿山脈






2015年5月6日、御在所岳アカヤシオはさっぱり。良く咲いている株もあるのだが、全体に低調。あまり咲かなかったようだし、大方は散っていた。
下山後、菰野富士周辺では先週同様に朱色のヤマツツジが良く咲いていた。
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鈴鹿:油日岳 余野公園

2015年05月04日 | 山歩き - 鈴鹿山脈
2015年5月3日、鈴鹿山脈の南端、油日岳に奧余野森林公園から登り、余野公園(三重県伊賀市)のツツジを楽しんだ。朱色のヤマツツジと赤紫のモチツツジが自生している。

余の公園・ヤマツツジ

余の公園

余の公園・モチツツジ

余の公園・ヤマツツジ

ここは鈴鹿国定公園の特別地域。毎年、5月第2日曜日はつつじ祭とのこと。

山行記録 鈴鹿:油日岳・余野公園 (鈴鹿山脈/登山日記
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劣化した日本酒 03

2015年05月03日 | 日本酒
滋賀県・油日岳からの帰路、また老香(?)のする酒をつかんでしまった。飲む気になれない。

道の駅・あいの土山(滋賀県)にて、製造が27年4月であることを確認して本醸造と特別純米酒を各1本(2社分)購入した。要冷蔵の生酒(製造27年3月)が常温で放置してあるので迷ったのだが。
結局、2本とも駄目だった。
これでは日本酒が嫌われ、造り酒屋が滅んでも仕方ない。
躊躇なく捨てる。その分を休肝日にした方が余程マシに違いない。
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