稀に製造年月欄が空白とか、奇妙な品質表示の日本酒(清酒)に出合うことがある。
食品産業センターが運営する「食品事故情報告知ネット」で、品目分類を「酒類」、掲載月は最大範囲である「2014年5月~2015年5月」で検索すると32件がヒットする。さらに、品名「ニホンシュ」で絞り込むと半数の16件となった。
予想はしていたが、酒類における日本酒のシェアを考えると多過ぎると思う。
日本酒に係わる事故情報の告知理由16件は次のとおり。
(1) 異物の混入:ガラス片や金属等硬質異物 1件
(2) 期限表示の誤記:印字不明瞭 1件
(3) 期限表示の誤記:設定期限より前に誤記 1件
(4) 不適切な表示:誇大表示、優良誤認 2件
(5) 不適切な表示:その他 11件
「不適切な表示」が大半を占めており、告知者は大手から地方の中小蔵元まで網羅されている。
例えば、苗場酒造(新潟県)は、
『ラベルに原材料名を、米(新潟県産)、米こうじ(五百万石・新潟県産米)と記載致しました。米こうじは、100%新潟県産米の五百万石で間違いではないのですが、掛け米が五百万石ではなく、全体の原料米の内、五百万石の米こうじの使用割合は全体の20%程度です。
たとえ米こうじの欄であっても、使用米の銘柄名を書く場合は、掛け米を含めた全体 50%を超える場合にのみ表示できるものでしたが、こうじ米に五百万石を 100%使用していたため米こうじ欄であれば記載できると誤認して(米こうじ 五百万石・新潟県産米)と表示していました。
誤表示 → 原材料名 米(新潟県産)、米こうじ(五百万石・新潟県産米)、醸造アルコール
正表示 → 原材料名 米(新潟県産)、米こうじ(新潟県産米)、醸造アルコール』
表示には複雑なルールがあるらしいが、誤認を誠実に説明しており悪意は感じない。
信州銘醸(長野県)は、
『この度、弊社が販売いたしました下記の商品において、ラベルの表記内容誤り及び表示事項の一部が表示されていない商品がございました。(中略)
対象となる商品は次の通りです。
アルコール分の表示がないもの
品目(省略)
特定名称の表示誤り(長野県産酒造好適米の一部等級検査を受けず使用した為)
品目(省略)
未成年者飲酒防止の表示がないもの
品目(省略)』
大丈夫なのか?アルコール分の表示がないとはシッカリして欲しいものだ。
沢の鶴(兵庫県)は、
『このたび、弊社商品の「純米酒 山田錦1.8L瓶」におきまして下記の対象商品に本来アルコール度数15.5度のところを14.3度と1.2度低い酒質を充填し、出荷したことが判明しましたので回収させていただく事といたしました。』
このあとには事務的文章が続くばかりで、瓶詰めを間違えた原因の説明はない。中央会の幹部を務める大手業者だが良い印象は受けなかった。何か足りないモノがあるね。
EH酒造(長野県)は、
『弊社が製造販売をしております清酒の一部にラベル表示事項の誤りがあることが判明いたしました。(中略)
対象商品
製造時期の記載漏れ商品(品名省略)
原料米名の後に使用割合「100%」と記載されていない商品(品名省略)
「清酒の製法品質表示基準」の規格外商品に原酒と誤表示した商品(品名省略)』
やはり出た。製造年月の記載漏れなんてシッカリして欲しい。
富士錦酒造(静岡県)は、
『去る平成26年6月に製造出荷した「富士錦 純米酒 720ml(バーコード4933926422617)」の製品の一部につきまして、製造年月欄に「平成26年6月」ではなく「平成6年6月」と、誤って記載して出荷した製品がございました。』
この事例は「期限表示の誤記:設定期限より前に誤記」とされている。
山根酒造場(鳥取県)は、
『日置桜 純米酒一部 特定名称酒・原料米表示に誤り(中略)
「日置桜 純米酒(9号酵母) 1800ml/720mlびん詰品」及び「日置桜 先祖帰り強力 純米酒 720mlびん詰品」で、特定名称酒の表示、原料米の品種名及び精米歩合の表示に一部誤りがあったことから、回収し、返金または正規表示のものと交換する。製品自体に異常はない。』
「不適切な表示:誇大表示、優良誤認」に分類されている。税務署に指摘されたのだろうか。誤り内容の説明がないところは誠実さに欠けるという感想を持った。
以上は「不適切な表示」の一部。氷山の一角だろうか。これら日本酒の品質表示の不正確さは、認識不足による事故なのか、意図的な不正行為だったものか判断しかねる。日本酒の表示制度には業の深いものを感じてならない。
国税庁:「清酒の製法品質表示基準」の概要
https://www.nta.go.jp/shiraberu/senmonjoho/sake/hyoji/seishu/gaiyo/02.htm
食品産業センターが運営する「食品事故情報告知ネット」で、品目分類を「酒類」、掲載月は最大範囲である「2014年5月~2015年5月」で検索すると32件がヒットする。さらに、品名「ニホンシュ」で絞り込むと半数の16件となった。
予想はしていたが、酒類における日本酒のシェアを考えると多過ぎると思う。
日本酒に係わる事故情報の告知理由16件は次のとおり。
(1) 異物の混入:ガラス片や金属等硬質異物 1件
(2) 期限表示の誤記:印字不明瞭 1件
(3) 期限表示の誤記:設定期限より前に誤記 1件
(4) 不適切な表示:誇大表示、優良誤認 2件
(5) 不適切な表示:その他 11件
「不適切な表示」が大半を占めており、告知者は大手から地方の中小蔵元まで網羅されている。
例えば、苗場酒造(新潟県)は、
『ラベルに原材料名を、米(新潟県産)、米こうじ(五百万石・新潟県産米)と記載致しました。米こうじは、100%新潟県産米の五百万石で間違いではないのですが、掛け米が五百万石ではなく、全体の原料米の内、五百万石の米こうじの使用割合は全体の20%程度です。
たとえ米こうじの欄であっても、使用米の銘柄名を書く場合は、掛け米を含めた全体 50%を超える場合にのみ表示できるものでしたが、こうじ米に五百万石を 100%使用していたため米こうじ欄であれば記載できると誤認して(米こうじ 五百万石・新潟県産米)と表示していました。
誤表示 → 原材料名 米(新潟県産)、米こうじ(五百万石・新潟県産米)、醸造アルコール
正表示 → 原材料名 米(新潟県産)、米こうじ(新潟県産米)、醸造アルコール』
表示には複雑なルールがあるらしいが、誤認を誠実に説明しており悪意は感じない。
信州銘醸(長野県)は、
『この度、弊社が販売いたしました下記の商品において、ラベルの表記内容誤り及び表示事項の一部が表示されていない商品がございました。(中略)
対象となる商品は次の通りです。
アルコール分の表示がないもの
品目(省略)
特定名称の表示誤り(長野県産酒造好適米の一部等級検査を受けず使用した為)
品目(省略)
未成年者飲酒防止の表示がないもの
品目(省略)』
大丈夫なのか?アルコール分の表示がないとはシッカリして欲しいものだ。
沢の鶴(兵庫県)は、
『このたび、弊社商品の「純米酒 山田錦1.8L瓶」におきまして下記の対象商品に本来アルコール度数15.5度のところを14.3度と1.2度低い酒質を充填し、出荷したことが判明しましたので回収させていただく事といたしました。』
このあとには事務的文章が続くばかりで、瓶詰めを間違えた原因の説明はない。中央会の幹部を務める大手業者だが良い印象は受けなかった。何か足りないモノがあるね。
EH酒造(長野県)は、
『弊社が製造販売をしております清酒の一部にラベル表示事項の誤りがあることが判明いたしました。(中略)
対象商品
製造時期の記載漏れ商品(品名省略)
原料米名の後に使用割合「100%」と記載されていない商品(品名省略)
「清酒の製法品質表示基準」の規格外商品に原酒と誤表示した商品(品名省略)』
やはり出た。製造年月の記載漏れなんてシッカリして欲しい。
富士錦酒造(静岡県)は、
『去る平成26年6月に製造出荷した「富士錦 純米酒 720ml(バーコード4933926422617)」の製品の一部につきまして、製造年月欄に「平成26年6月」ではなく「平成6年6月」と、誤って記載して出荷した製品がございました。』
この事例は「期限表示の誤記:設定期限より前に誤記」とされている。
山根酒造場(鳥取県)は、
『日置桜 純米酒一部 特定名称酒・原料米表示に誤り(中略)
「日置桜 純米酒(9号酵母) 1800ml/720mlびん詰品」及び「日置桜 先祖帰り強力 純米酒 720mlびん詰品」で、特定名称酒の表示、原料米の品種名及び精米歩合の表示に一部誤りがあったことから、回収し、返金または正規表示のものと交換する。製品自体に異常はない。』
「不適切な表示:誇大表示、優良誤認」に分類されている。税務署に指摘されたのだろうか。誤り内容の説明がないところは誠実さに欠けるという感想を持った。
以上は「不適切な表示」の一部。氷山の一角だろうか。これら日本酒の品質表示の不正確さは、認識不足による事故なのか、意図的な不正行為だったものか判断しかねる。日本酒の表示制度には業の深いものを感じてならない。
国税庁:「清酒の製法品質表示基準」の概要
https://www.nta.go.jp/shiraberu/senmonjoho/sake/hyoji/seishu/gaiyo/02.htm