肯定的映画評論室・新館

一刀両断!コラムで映画を三枚おろし。

『選挙』、観ました。

2008-02-07 20:41:44 | 映画(さ行)





監督:想田和弘
登場人物:山内和彦、山内さゆり、小泉純一郎、川口順子、石原伸晃、荻原健司、橋本聖子

 『選挙』、観ました。
2005年秋。東京で切手コイン商を営む山内和彦(通称:山さん)は、ひょんな事から
自民党より神奈川県川崎市議会議員の補欠選挙に出馬する事になった。ところが
山さんは、政治に関して全くの素人。しかもほとんど縁もゆかりもない川崎市宮前区が
選挙区だ。対する各党の候補者はいずれもベテランばかり。自民党にとっても重要な
選挙とみなされ、地元選出の自民党議員たちが戦闘態勢を組み、過酷な選挙戦が
始まった‥‥。
 リベラル(革新)か、コンサバ(保守)かと言われれば、多分オイラはニュートラルから
リベラルの方に近いってことになるのかしら(笑)。まぁ、そんなオイラにして、先の
郵政改革は記憶に新しく、又その一方で、自民党内部からそれに反発する“多くの
造反組”が出たことも強烈な印象として残っている。ただ、当時は事の重大さに
気付こうともせず、その事実だけを何の気なしに傍観していたのだが、(観終わった)
今にしてそれが彼らにとって国会議員としての立場さえ揺るがし兼ねない“苦渋の
決断”だったことを思い知られた。というのは、ここ(この映画)で目にする“日本の
選挙”とは、個人対個人の戦いというよりも、対立する“組織間同士の勢力争い”に
近いと言える。そして、勿論、それは有権者にとっても同じこと。候補者本人が
どれだけの技量を持ち、どんな政策を掲げるなんかより、その人がどの政党に属し、
どんな大物(有名)議員らと繋がりを持っているかの方が重要になってくる。ここでも
本人とは何の面識もない小泉首相や川口順子外相(いずれも当時)らが応援に
駈け付け(但し、候補者本人は同じ壇上には上がれず、下で見てるだけ…(苦笑))、
更には、荻原健司氏や橋本聖子議員らの姿まで。ナルホドね…、ある意味、これは
日本の選挙を象徴した光景だ。少しイジワルな言い方だが、巨大政党にとって
“タレント議員”とは、単に一つの議席を取ること以上に、“選挙応援の顔”としての
重要な付加価値(客寄せパンダ?)を期待しているのかもしれないね。以上のことから、
結局、選挙に勝利する近道は、“巨大な組織”の中に身を置き、自らがそこでの
義理と人情としがらみに縛られることで、多くの味方を付けることが出来る。また
同時にそれは、当選し、議員サマになることと引き換えに、“党への忠誠”を誓わせ
られることになるのだ。それにしても、政治の世界とは、何と複雑で面倒くさい人間
関係の賜物だろう…。社会性のないオイラには、とてもじゃないが務まらないなぁ(笑)。






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