銀右衛門文庫の経済動向

昨今の経済動向をピックアップします



勧誘や営利目的ではありません
あくまで個人の趣向の範囲とご理解下さい

クロージング

2015-05-07 | 経済動向
東証1部の騰落銘柄数は、値上がり735/値下がり1003と値下がり優勢。日経新聞で前期が初の最終黒字になったとの観測が報じられたルネサスエレクトロニクスが大幅高となった。決算を手がかりに太陽HDや東京鉄鋼が急騰し、業績改善が確認できた東邦チタニウムは連日で騰勢を強めた。新興市場では1Q決算好調のYKTや、上方修正を発表したガーラが値を飛ばした。大型株の弱さの割には小型株はしっかりで、日経ジャスダック平均はプラスを確保した。一方、米スプリントの決算後の株価下落が嫌気されたソフトバンクが3.4%の下落となり、全体市場の重しとなった。今期見通しが市場予想を下回ったみらかHDは長い上ヒゲをつけ大幅安となった。

日本株は大型連休前から調整色を強めており、連休中に海外市場のサポートがなかったことから、連休前の流れが継続して終始軟調な推移が続いた。あすはSQに加え、国内企業の集中決算、週末には米雇用統計の発表などが控えていることから、引き続き買い手控えの展開が予想される。連休明けの谷間かつ、イベントの多いこの2日間と来週とでは、相場の景色も一変すしやすく、週明けの日本株は値ごろ感から買いを集める可能性もある。ただ、グローバルにリスク・オフの様相が強まり、底割れで調整が長引く展開も想定されることから、イベント通過後の欧米株式市場や為替動向を見極めるまでは、積極的な買いは限定的と考える。

5月7日

2015-05-07 | 経済動向
東証1部の騰落銘柄数は、値上がり353/値下がり1431と値下がりが優勢。引き続き決算銘柄が動意づく展開で、主力どころではJTや村田製などが買われた一方、富士通が一時ストップ安まで売られるなど急落し、市場の注目を大きく集めた。Aimingやマーベラスなど材料性のあるゲーム株へ強い買いが入り、TOTOや東邦チタニウム、スタートトゥディなども決算を手がかりに値を飛ばした。Gunosyの急騰も目立った。一方、ワコムやFPGは決算が売り材料となり急落、クボテックは乱高下しながら20%超の大幅安、民事再生法手続き開始の申し立てを発表した江守グループHDはストップ安比例配分となった。

日経平均は取引時間中は小幅安の展開が長く続いたが、引け間際にプラスに転じ、1万9500円台を回復して終えた。今年はきょうのような妙な底堅さを見せる場面が何度かみられる。また、GWの谷間で指数は小動き、後場にかけてはほとんど動意薄で体感的には薄商いの相場であったが、東証1部の売買代金は概算で2兆6073億円と、比較的商いは高水準であった。短期的な動きはともかく、中長期的なトレンドは崩れていない印象。ここから一段と株式市場が下落する局面があれば、そこは丹念に押し目を拾っていく戦略が有効と考える。

【来週の見通し】 上値の重い展開を予想する。国内市場は大型連休のため、木曜と金曜の2営業日のみとなるなか、週明け7日は連休中の海外市場の動向に大きく左右される展開が予想される。ただし8日がオプションSQで、米4月雇用統計なども控えており、全体的には様子見姿勢が強まりやすい。8日は決算集中日となり、トヨタなど注目の決算も控えているが、足元決算通過後に急落する銘柄も多くみられることから、決算期待の先回り買いは限定的と考える。海外では米国は雇用統計を前に経済指標に一喜一憂の動きとなりやすく、欧州は英国総選挙が波乱要因。世界的に不透明感が強まる展開が予想される。じっと我慢の2日間となりそうだ。

【今週を振り返る】 弱い動きとなった。祝日で営業日が1日少ないなか、週前半は30日の日銀金融政策決定会合の結果を見極めたいとの見方から上値の重い展開となった。市場予想を下回る米1-3月期GDPなどを受け、欧米株式市場も軟調な動きとなったことから、祝日明け30日の日本株は大幅安の展開。金融政策の現状維持が一段の売り材料となり、日経平均は500円超の下落で今年最大の下げ幅を記録した。市場予想を下回る決算を発表した銘柄に急落する動きがみられたことも市場心理を重くした。大型連休を前に下げ局面でも買い意欲は弱かったものの、日経平均はかろうじて1万9500円台は確保した。