銀右衛門文庫の経済動向

昨今の経済動向をピックアップします



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2月8日

2012-02-08 | 経済動向
東京市場は買い優勢となりそうだ。NYダウの高値更新とユーロ高を背景に買い戻しが入るとみられる。ただ、短期的な過熱感や割安感の後退などもあり、上値追いの展開は期待できない。心理的な節目の9000円近辺では戻り待ちの売りも多いとみられ、買い一巡後は伸び悩みそうだ。日経平均の予想レンジは、8850~8990円。

自動車株の動向が注目を集めそうだ。トヨタが7日大引け後、3Q決算発表と同時に通期見通しの上方修正を発表。営業利益を従来予想の2000億円→2700億円に引き上げた。ただ、市場予想(3300億円程度)を下回るうえ、想定為替レートは1ドル=78円、1ユーロ=108円(従来は1ドル=78円、1ユーロ=109円)と小幅な見直しに留めているだけに素直に好感されるかどうかは微妙。自動車株は外部環境の好転や、米1月自動車販売の好調(トヨタ7.5%増、ホンダ8.8%増、日産10%増)、トヨタが2012年(暦年)のグループ世界販売台数(ダイハツ、日野含む)を前年比21%増の958万台と過去最高だった2007年実績(937万台)を5年ぶりに更新する意欲的な計画を発表したことなどを背景に、株価は年初来で堅調なパフォーマンスを示していただけに、今回のトヨタの決算をマーケットがどう評価するか注目されよう。また、14時発表の1月景気ウォッチャー調査にも注目したい。12月実績は、現状判断DIが47.0(+2.0pt)と2カ月ぶりに改善し、内閣府は「円高の影響もあり、持ち直しのテンポが緩やかになっている」から「円高の影響が続く中で緩やかに持ち直している」に表現を変更したものの、基調判断の変更には至らず。先行き判断DIは44.4(同-0.3pt)と6カ月連続で悪化した経緯がある。今回は、現状・先行きともに改善し、基調判断が上方修正されるかどうか注視したい。

7日のNY株式相場は小幅反発。ギリシャ救済が近づくとの期待が相場を下支えた。ダウ平均は前日比33.07ドル高の12878.20ドルで終了した。ギリシャで財政緊縮策に反対する大規模なストライキが実施されたことから、財政改革が進まないギリシャは追加支援を受けられないとの可能性が警戒された。ダウ平均は売りが先行し、一時62.56ドル安の12782.57ドルまで下落した。しかし、ギリシャ政府が救済策に関する合意文書の草案を策定中との一部報道が伝わり、ギリシャのデフォルト懸念が後退。買いが優勢となり、NASDAQは前日比2.09ポイント高の2904.08ポイント、S&P500は同2.72ポイント高の1347.05ポイントで終了した。個別では10-12月期決算を発表したコカコーラは0.8%高。一方、カナダ事業を強化する方針を明らかにしたウォルマートは0.3%安となった。